OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ケメ子は昭和元禄の美女

2010-12-19 16:25:05 | 日本のロック

ケメ子の歌 / ザ・ダーツ (日本コロムビア)

昨日は、おやじバンドによる今シーズン2回目のライプをやって、例のビートルズ屋上セッションの再現に挑戦したんですが、案の定、ウケませんでした。

ですから、その後の反省会を兼ねた宴会でのショボイ盛り上がりも、まあまあ自分達でも納得した演奏の出来だっただけに、気勢も上がりませんでしたねぇ……。

そこで次回は、なんか、こう、ネタっぽい歌でもやったほうが……、なぁ~んていう意見の集約から、思い出したのが本日ご紹介の「ケメ子の歌」です。

これは昭和43(1968)の初頭から大ヒットした、当時はアングラソングと呼ばれていた、ちょいとユーモラスな歌でしたが、忽ちの流行から競作やアンサーソングまでもが発売され、また「ケメ子の唄」のタイトルで映画化されたのは、まさに昭和元禄を代表する事件(!?)だったと思います。

その内容はシンプルなラブソングの中に女性上位とか、トホホな男の心情を滲ませた歌詞にオールディズ調の歌謡フォークっぽいメロディがつけられた、誰もが直ぐに覚えて、一緒に歌えるという親しみ易いものでしたから、社会現象となったのも当然が必然だったのです。。

そしてご推察のように、これは同時期ちょい前に大ヒットしていたフォーク・クルセイダーズの「帰って来たヨッパライ」の路線を狙ったものでした。

それは関西圏からヒットし始めたというところにレコード会社が着目した商売だったんですねぇ~。

もちろん演じているザ・ダーツは、確か京都の大学生グループだったはずで、メンバーは浅井たかし(g,vo)、原田和夫(g)、橋本謙次(b)、土森勝則(ds.vo) の4人組でしたから、当時はブームの絶頂期にあったGSのひとつという分類が一般的だったと思います。

ちなみに楽曲は最初、作者不詳のはずでしたが、アレンジは浜口庫之助というところから、元ネタのメロデイはニール・セダカの「Next Door to an Angel」というのが定説で、また後に馬場祥弘が作詞作曲したものという真相も明らかにされるのですが、個人的にはちょいと疑問も……。

まあ、それはそれとして、この見事にエレキ化された歌謡フォークの傑作は、侮れない魅力が今もあります。

そして同時期の競作盤では、ザ・ジャイアンツというグループのバージョンも同等にヒットしたはずなんですが、何故か印象に残っているのは、こっちのザ・ダーツのイメージが強いんですよねぇ。

ふたつを比べるとアレンジやメロディの展開も少し違いますが、歌詞も基本的に異なっている部分があって、前述した映画「ケメ子の唄」のストーリーは、ザ・ジャイアンツのバージョンを基にしていると言われていますが、これは小山ルミが出ていた田中康義監督作品ということで、大昔にテレビで観たことはありますが、機会があればDVD化して欲しいもんです。

ということで、こういう屈託なく歌って楽しい演目が、やっぱり不穏で不景気な当世には必要なのかなぁ……。

と思うのでした。

コメント (2)
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