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サイケおやじの生活と音楽

和製キャロル・キングだった五輪真弓

2009-12-13 12:17:16 | Singer Song Writer

少女 / 五輪真弓 (CBSソニー)

シンガーソングライターのブームの中でも、特に実力が認められていたのがキャロル・キングで、代表作のアルバム「つづれおり」は世界遺産になっていますが、その影響を我国で最初に強く感じさせるデビューとなったのが、五輪真弓でした。

実際、アメリカで敢行されたレコーディングにはキャロル・キングがピアノで参加し、また本人も「和製キャロル・キング」として売り出されたのですが、確かに自作自演、そしてピアノを弾きながら力強く、同時に繊細さと情感溢れる表現は、その正統派の歌唱力があってこそだったと思います。

そして本日ご紹介のシングル曲「少女」は、昭和47年秋に発売されたデビューヒット♪♪~♪ 最初はラジオの深夜放送で人気を集め、忽ち五輪真弓の存在を強くアピールしてしまいましたですね。

現在では、同時期にデビューしたと思われがちな荒井由美=ユーミンや吉田美奈子との比較もありますが、実は五輪真弓のブレイクが最初にあったのです。

そして個人的には、ユーミンや吉田美奈子のデビューアルバムを聴くと、そのレコーディングセッションが相当にファジーというか、その場の雰囲気を大切にしたような感じなのとは対照的に、五輪真弓はデビュー作から、かなり綿密なアレンジや企画があっての成果かもしれないと思います。

そうしたムードは、作品を発表する度に強くなり、我国では誰よりも早くフュージョン系のミュージシャンを起用したAOR系LAポップスを実現させたり、所謂ニューミュージックが全盛期には、欧州系大衆音楽を通過した歌謡曲路線へ踏み込んだりして、ちょっと自らファンの期待を避けていったような……。

そのあたりは美空ひばりも認めた「恋人よ」の超特大のヒットで証明されたわけですが、やはりデビュー期の「和製キャロル・キング」を愛した私のような者には、ちょいと辛いものがありますねぇ……。

しかも残念なことに、そうした初期の五輪真弓の諸作品の大部分がオリジナルどおりにCD化されていないという不可解な実情も!?!

そんなこんなが不条理ではありますが、とにかくピュアな五輪真弓の世界は、このシングル曲から始まったということで、何時聴いても新鮮な気分になれるのでした。

コメント (4)
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