OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

安堵して怠惰

2007-11-24 15:36:20 | Weblog

昨日は夕方、楽しみにしていた某イベント、ひし美ゆり子様と押井守監督のトークショウですが、そこへ出かけようとしていたら緊急の電話が!

なんと父が出かけていた宴会で倒れたという急報でした。

そこで病院へ駆けつけてみると、入っていないとの事で……!!!? スッタモンダのあげくに分かったのは、どうやらタライ回しになったらしい!!

幸いにも、なんとか収容された病院が近くと分かって、ホッとするやら、怒りが湧き出てくるような……。まあ、肝心の容態が、軽かったのは不幸中の幸いとはいえ、なんだかなぁ~。

とりあえず一晩は入院、先ほど帰宅出来ましたけれど……。

ということで、安堵と諦めがミックスされた気分で聴いたのが――

Lush Life / Lou Donaldson (Blue Note)

1960年代後半のブルーノートが得意満面で作っていた大編成シリーズの1枚ですが、確か発売は1980年代に入ってから、我国優先だったと思います。もちろんアルバムタイトルも「Sweet Slumber」とされ、ジャケットも別物でキングレコードからの発掘盤扱いだったと記憶しています。

録音は1967年1月20日、メンバーはルー・ドナルドソン(as) 以下、フレディ・ハバード(tp)、ガーネット・ブラウン(tb)、ジェリー・ドジィオン(as,fl)、ウェイン・ショーター(ts)、ペッパー・アダムス(bs)、マッコイ・タイナー(p)、ロン・カーター(b)、アル・ヘイウッド(ds)、デューク・ピアソン(p,arr)  という凄い猛者が揃いました。そして実はこのアルバムは、しばらくブルーノートを離れていたルー・ドナルドソンの、再契約後の復帰作として企画されたようです。――

A-1 Sweet Slumber
A-2 You've Changed
A-3 The Good Life
A-4 Stardust
B-1 What Will I Tell My Heart
B-2 It Might As Well Be Spring
B-3 Sweet And Lovely

主役のルー・ドナルドソンは正統派4ビートからソウル&ロック系のジャズまで、融通がききすぎるほどの名手であり、またアレンジを手掛けたのがデューク・ピアソンとあっては、手慣れた雰囲気に陥るのも、ぬるま湯の快楽として許せる範囲でしょう。

演目では甘い歌謡ブルースのタイトル曲「Sweet Slumber」がダントツの出来栄えで、ルー・ドナルドソンの艶っぽいアルトサックスが絶妙ですし、ウェイン・ショーターの生硬なアドリブ、フレディ・ハバードの勘違いした溌剌さも憎めません。

また有名なシャンソン「The Good Life」も、ゆったりした演奏で感傷的な気分に、どっぷりと浸れます。ジェリー・ドジィオンのフルートが素敵なアクセント♪ デューク・ピアソンのアレンジは流石ですねぇ~♪

肝心のルー・ドナルドソンは「Stardust」や「What Will I Tell My Heart」でのフェイク、そして「Sweet And Lovely」におけるソウルフルな吹きっぷりの良さに本領を発揮していますが、全体的には自重気味……。

ただしそれゆえに重厚なデューク・ピアソンのアレンジ、安定感のあるリズム隊のグルーヴが、意想外の良さとして楽しめます。

決して熱いアルバムではありませんが、今日の私のように倦怠した安堵感に包まれている時には至福の1枚♪ ある種のムードアルバムとして作られたのならば、それも良しとすべきかも……。

ちなみに私有は日本盤より後になって発売された米国盤で、ジャケットも見てのとおりの美女物♪ 如何にも1960年代末のブルーノート的快楽盤だと思います。

そしてルー・ドナルドソンは、続くセッションで、あの「アリゲーター・ブーガルー」を作ってしまうのでした。

コメント
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