goo blog サービス終了のお知らせ 

OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

新年のスイートハニー

2007-01-03 18:26:36 | Weblog

正月も本日で終り、明日から早速仕事ということで、赴任地に戻ってきました。

もちろん車での移動ということで、最新のカーオーディをガンガン鳴らしまくりという、いささか若気の至りの思い出し症状でしたが、溜め込んでいた未聴のブツやお気に入りの作品を楽しめました。

でも、結局は何時も愛聴しているアルバムを、最後にはセットしてしまうんですねぇ~。

本日はこれでした――

Sweet Honey Bee / Duke Pearson (Blue Note)

デューク・ピアソンはトミー・フラナガン系の粋なセンスをウリにした黒人ピアニスト、と言うよりも、最近では、1960年代中ごろからアルフレッド・ライオンに代わり、ブルーノートの音楽監督を務めた人物として有名になっているようですね。

それはジャズに止まらず、広義な音楽に精通していた証なんでしょうが、もちろんジャズに対する情熱も人一倍だったと思います。

さて、このアルバムは自身の作編曲をメインにした3管編成スタイルですが、バリバリのハードバップやモード物ではなく、あくまでも明快な演奏を楽しんでもらおうという姿勢が潔い快演集です。

録音は1966年12月7日、メンバーはフレディ・ハバード(tp)、ジェームス・スポールディング(as,fl)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、デューク・ピアソン(p)、ロン・カーター(b)、ミッキー・ロッカー(ds) という、お馴染みの実力者揃いです――

A-1 Sweet Honey Bee
 ジェームス・スポールディングのフルートがリードする、哀愁のジャズロックです♪ もちろん3管によるハーモニーも暖かく、リズムもシャープ、デューク・ピアソンのアドリブもオカズ感覚ですからねぇ、たまりません! 隙間だらけの間合いの取り方が逆にカッコ良く、ありきたりのジャズロックになっていない要因だと思います。
 ちなみにこの曲は、同じブルーノートにリー・モーガンが吹き込んで、一般にはそちらが人気バージョンになっていますが、その熱血演奏にくらべるとイナタイこちらの雰囲気こそ、愛すべき魅力があるのでした。

A-2 Sudel
 一転して熱いハードバッブです!
 なにしろテーマ部分からホーン隊が暴走気味ですし、その背後では絶妙のバックをつけるデューク・ピアソンが流石です。
 もちろんフレディ・ハバードは思いっきり心情吐露、ジョー・ヘンダーソンは自虐のフレーズを連発しています。しかも、ここまでやっても重苦しいところが無いんですねぇ~♪ まあ、こういうところがリアルタイムのジャズ喫茶ではイマイチ、ウケなかったところではあるんですが、それを逆手にとって軽やかにスイングしてみせるデューク・ピアソンは、本当にセンスの良いピアニストだと思います。

A-3 After The Rain
 スローで幻想的な名曲! このアルバムで私が一番好きな演奏が、これです。
 なにしろテーマ部分で冴えるジェームス・スポールディングのフルートが絶品ですし、そのテーマメロディそのものが素敵です♪
 もちろんデューク・ピアソンのアレンジが緻密なのは言わずもがな、アドリブパートのピアノも、もしかしたら書き譜疑惑があるほどにキマッています。

A-4 Gaslight
 レイジーで優しいメロディラインが素敵なハードバップです。あぁ、この気だるい雰囲気は、昼間っからワインでも飲んでニャンニャンと……♪
 まあ、そういう雰囲気が満点なんですが、アドリブ先発のジョー・ヘンダーソンが、なかなかに味わい深いソロを聴かせてくれるので、緊張感が切れません。またフレディ・ハバードのトランペットは音色も含めてジェントルな歌心に満ちていますし、ミッキー・ロッカーのブラシの切れ味とロン・カーターの野太いウォーキング・ベースも魅力です。
 肝心のデューク・ピアソンはアドリブパートでは硬派に迫っていますが、伴奏ではマーチ調になったりして、オチャメなところも披露しています。
 そして全体的には、ハービー・ハンコック(p) の名盤「スピーク・ライク・ア・チャイルド(Blue Note)」を想起させられてしまいますが、実はそこにもデューク・ピアソンが関与しているのですから、ねっ♪

B-1 Big Bertha
 如何にもデューク・ピアソンらしい、メッチャ楽しいハードバップです。
 「如何にも」と書いたのは、駆け出し時代のデューク・ピアソンを雇っていたドナルド・バード(tp) が得意としていた快適系ハードバップを連想してしまうからで、もちろんそのバンドでも作編曲に腕を振るっていたのが、デューク・ピアソンというわけです。
 で、ここでは躍動的なリズム隊にリードされた弾むような楽しいテーマから、まずフレディ・ハバードが絶好調の明快アドリブ! ミッキー・ロッカーのシンバルワークも冴えわたりです。
 そして続くジョー・ヘンダーソンが、いささか変態気味のフレーズも交えつつ、得意のクネクネ節を聴かせれば、ジェームス・スポールディングはテナーサックスよりも太い音色のアルトサックスでシンプルに勝負!
 さらにデューク・ピアソンは本領発揮のリズミック節で対抗していますが、これはアドリブソロだけでなく、伴奏のオカズでも良い味になっているのでした。

B-2 Empathy
 ちょっとラロ・シフリン(p,arr) あたりが映画音楽で使いそうな、過激な和みがある名曲です。フルートを活かした3管ハーモニーとリズムアレンジの妙が最高ですね♪
 アドリブパートでは、そのフルートを素晴らしく鳴らすジェームス・スポールディングが情熱的! 続くフレディ・ハバードもラテンビートに上手く乗ったミュートトランペットでエキゾチックな味わいを醸し出しています。
 さらにジョー・ヘンダーソンは思わせぶりな吹奏から、少しずつ熱くなっていく展開が上手く、当に新主流派の存在感を示しますが、デューク・ピアソンには通じることが無く、自作曲という強みを利してツボを外さないピアノには、ただただ、拍手です。

B-3 Ready Rudy ?
 オーラスは楽しいハードバッブのブルース大会♪ オトボケ気味のテーマが良い感じです。
 アドリブパートでも全員が物分りの良い雰囲気で、肩の力の抜けた快演に終始しています。あぁ、楽しいなぁ、と思いつつアルバムを聴き終えるのが王道ですねっ♪

ということで、ちょっと聞くと中途半端な印象しか残らない作品かもしれませんが、味わいの深さは天下一品だと思います。

特にタイトル曲の脱力感と楽しい雰囲気なんて、ちょっと得難いものがありますし、A-3「After The Rain」の幻想的なまろやかさには中毒性があります。またB-1「Big Bertha」の快楽的ハードバップは、どうでしょう!?

如何にも1960年代中期丸出しの美女ジャケットも素敵です♪ ちなみに奥に写っているイナタイ黒人のオッチャンがデューク・ピアソン、その人なのでした。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする