松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

クマは、あの森に居る。

2023-11-21 11:34:05 | 日記・エッセイ・コラム
 きのう天気は悪かったが、昼から晴れた。晴れると日が差し込み、テレビは見づらいし、パソコンもまぶしい。することが無いので外へ出た。
 水心苑の紅葉はどうなったかな。もう散ったかな。と駐車場を見ると、誰も居ない。赤い車が1台。しかし園内に人影は無かった。
 だから心細くて、声を出して歌ったり、叫んだり、咳払いしたり。ああ、のどが痛い。と思って、さっき撮った綺麗な場所を通って帰ろうとした時だった。

 目の前から7~8m、いやもっと近かったかも知れない。何かが斜面を駆け上がって行った。黒っぽいずんぐりしたもの。犬かな、と一瞬は思った。大きさは60~70cmくらい。何しろほんの1秒から2秒くらい。藪の中を掻き分けていったから、カメラを持っていてすぐにも撮れる状態だったが、あっという間にブッシュに消えた。

 この写真を撮った直後だった。13:47分。歩き出してすぐ。さっき通った場所だから、ちょっと気が緩んでいた。
 逃げていったので、怖くは無かった。これは報告した方がいいかな、と思った。その次、面倒だなとも思った。根掘り歯堀り聞かれるだろうし、住所、氏名、年齢。その他。連絡先。またこの場所に戻って、現場検証。

 きのうも出てるし、ここら辺に居るのは分かっている。子グマのようだし。
 でもオレの見たものがクマに間違いないかと問われれば、自信は無い。

 公園事務所の前を往復したが、入る気がしない。それで、あの子の行く先に回ってみた。墓地のある場所だ。その向かい側の山というか林。そこに居るのは確実だ。田んぼを挟んで、山に続く。山は太平山系。

 玄関先で落ち葉を集めているおじさんが居たので、話し掛けてみた。「父さん、このあたりでクマは出るスか?」続いて「自信は無いけど、クマらしいもの見たス。水心苑の中で」そしたら当たり前のように「ああ、居るよ。夜になれば、田んぼや畑、荒らされてる」オレ「このくらいのヤツ」と言って、両手を広げる。話しぶりから、ここら辺の住民には周知の事実らしい。なんも驚かなかった。

 やっぱりな。「煩わしくて、誰さも言ってねえ」と言ってバイバイした。
オレのあとに一人。カメラを持った、頭の薄いおじさんが水心苑に入って行った。よほど注意しようか迷ったが、さっき逃げたばかりだし、また来たりはしないだろう。それに、ここに来る人は、それなり覚悟して入るはずだ。

 子グマなら、共存共栄、出来るかもな。ちょっと自信が湧いてきた。

 シカシ来年は大きくなって、手に負えないだろう。

 けさの新聞の目撃報告には、それらしいのは載って無かった。でも居る。あの森に。その感触だけは残った。
 だって自然公園なんだもの。クマが居たって自然だもん。不思議じゃない。
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2 コメント

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熊に感謝 (^ん^)
2023-11-21 14:24:38
先に気付いてくれて良かったね。
お互い気付かないまま2m、熊と松美君「!」(次のシーンはざんこくにつきカットさせていただきます)。
ってなってたところ。
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その通りだス (松美)
2023-11-21 15:07:44
私が鼻利かない分、彼がカバーしてくれて良かったよ。
相手が逃げてくれるなら、助かるわ。それならこっちは、居るよって意思表示すればいいだけ。一緒に暮らせる。こういう子グマは、駆除する必要ない。
と思うけど、作物を作っている人は違うかも。
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