松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

電王戦、44歳の天才棋士羽生が至った境地。

2015-03-22 08:46:02 | 日記・エッセイ・コラム

 電王戦が始まっていたんですね。プロ棋士が2連勝ということで、新聞も記事にする理由が出来たんでしょう。おそらく意外な結果だったので。

 棋士もコンピューターから学んで、新しい境地を開拓しているようです。それとコンピューターの弱点も、ある程度分かってきているようです。だがしかし、この先強いソフトが控えているので楽観はできません。

 再三申し上げているように、初心者でもない完全なる部外者が将棋のことを論じる不敬をお許し下さい。私の興味はもちろん機械対人間にあるわけですが、このまま機械に押し切られると思っていた電王戦の結末が、予想と変わりつつある流れを感じるようになりました。先に人間を研究したコンピューターに対して、あとから人間がコンピューターを研究対象とし始めたからです。そのことによって、強さが復活したプロ棋士もおられます。学ぶことは人間の特権ですから。創造性を含めてね。そこで羽生名人はこのことを、どう考えているのか興味があります。SAPIOにインタビュー記事があり読んでました。彼は悲観的ではありません。この状況を楽しんでいるようです。「人間の思考の一番の特徴は、読みの省略です。無駄と思われる膨大な手を感覚的に捨てることで、短時間に最善手を見出していく。その中で死角や盲点が生まれるのは、人間が培ってきた美的センスに合わないからですが、コンピューター的思考を取り入れていくと、その美意識が崩れていくことになる。それが本当にいいことなのかどうか。全く間違った方向に導かれてしまう危険性もはらんでいます。」羽生の境地はもっと上にある。「勝負を度外視して指すこともあるし、逆に、勝つためのこの一手が真理とは違うと思って指すこともあります」最後にルポライターはこう結ぶ。将棋とは何かを言葉にするのはまだ早い。コンピューターの思考に人間の美意識がどうなるかは分からないが、きっと、将棋は面白くなる。そんなまだ誰も観たことのない深淵を、羽生は既に視界にとらえている。

 今回が最後となる電王戦の勝負で、過去プロ棋士が2勝したことはない。このあと3連敗したとしても、プロはタダでは負けないはずだ。必ずいい勝負をしてくれると思っている。人間一人の頭脳は、ほとんどの人が考えているより、広大で深淵で、まだ解き明かされていない領域が存在する。そのことを人類に感じさせる勝負であって欲しい。

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