山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

侵略戦争肯定の靖国参拝して未来を語るのは空虚

2014年04月23日 10時25分39秒 | Weblog
 新藤義孝総務相をはじめ150人の国会議員が、22日(2014・4・22)、靖国神社の春季例大祭に参拝した。古屋圭司国家公安委員長は20日に参拝した。安倍首相は真榊を奉納した。真榊奉納は参拝ではないが、侵略戦争肯定し、合祀されているA級戦犯を神とあがめる宗教行為であることに違いはない。ときあたかも、安倍首相の昨年末の参拝に「失望」を表明した米政府・オバマ大統領が訪日する直前のことだけに、その復古主義の頑迷さを際立たせている。
 靖国参拝をくりかえすことは、日独伊枢軸国による侵略戦争を断罪したうえでつくった戦後国際秩序を否定することになる。そのことをなにもわかっていないから繰り返すのだ。徹底した内向きの論理に酔いしれている。植民地にされ侵略された韓国・中国からの批判だけでなく、アメリカ・ヨーロッパから戦後国際秩序の土台をひっくり返すものだという批判が巻き起こっているのは、この問題が新たな段階に入っていることを示している。戦後国際秩序を否定する歴史観を戦後70年近くたってもくりかえす「極右」勢力が日本の政権についていることは、国際的には異常なことだ。ヨーロッパでナチスの侵略を肯定し、戦犯を神とあがめる勢力が政権に就くことが考えられるだろうか。絶対ありえない。ところが日本ではそれが日常のことになっているのだ。日本人は目を覚まさなければならない。歴史を学び直さなければならない。戦後史の原点を直視しなければならない。でもこれは簡単なことだ。他国に侵略すること、植民地にすることを絶対否定するかどうかだ。侵略戦争を懐かしがり、侵略は悪いことではない、いいことをしたのだといいつのることの時代錯誤を感じるかどうかだ。
 安倍首相ら靖国派は、靖国神社で戦争に倒れた人を悼み、平和を祈ったなどというが、全戦没者を追悼している千鳥ヶ淵墓苑に行かずになぜ靖国に行くのか。靖国は、明治維新の戊辰戦争・西南戦争から政府側の戦死者のみを祀り、西郷隆盛はじめ政府に対抗した側の戦死者は日本人であれ外国人であれ排除している。原爆や空襲による死者も含まれていない。だが、A級戦犯らは戦死していないにもかかわらず神として祀られている。
 韓国外務省の報道官は22日、靖国神社について「戦争を起こし、平和を破壊した戦犯が合祀されているところであり、侵略戦争を美化している施設」と主張し、「このようなところを参拝しながら周辺国家に未来を語るのは空虚だ」と批判した。そのとおりだ。
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ある歌集より (shigeo)
2014-04-25 23:05:51
 四天王寺の古書市である歌集『玄穹』を手に取り100円で購入。
 作者は中山勝。北海道旭川の人。1906年生まれ。神宮皇学館を卒業し、1941年に平壌神社の禰宜を務める。
 *作者について全く知らないが、古語で戦う歌人を発見。作者存命ならばさぞかし現下の情勢を嘆き、憤ったことだろう。

 外地にて巫史たりし身をせめぐ悔い まことしやかな虚偽陳(つら)ねて

 彼の戦時 外地の神社につとめたる身をこそ愧(は)づれ生きのかぎりは
 
 堰(せ)きたぎつ身の汚辱とはさかしらに戦(いくさ)をたたへみそぎせしこと

 いまになほ富国強兵を意図するは討ちてしやまむ世の残賊ぞ
 
 陸(くが)を馳せ天(あめ)に翔(とぶ)らふ戦の魔よみがへり来て危ふき日本
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