山上俊夫・日本と世界あちこち

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安倍首相真っ青、「米艦で邦人救出をアメリカは断っていた」(朝日記事)

2014年06月16日 13時00分52秒 | Weblog
 『朝日新聞』2014.6.14は、「米艦で邦人救出 米断る 98年交渉時」という記事を載せた。スクープだ。
 安倍首相は5月15日、集団的自衛権行使の事例として、朝鮮半島で戦争の際に避難する日本人を載せた米軍艦を自衛隊が守るということを絵入りパネルをつかって説明した。「紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子どもたち。彼らが乗る米軍の船をいま私たちは守ることができない」と、集団的自衛権は日本人の、おばあさん、子どもたちを守るためのものだと情緒に訴える説明をした。
 しかし、今日の『朝日』によれば、1998年に周辺事態法をつくる際の日米交渉で、米側の強い意向によって、避難する日本人を米軍が運ぶ作戦は拒否されたということだ。米軍が海外の自国民らを救出する作戦では、4段階の順位があるという。➀米国籍、②永住許可証所有者、③英国民、④その他で、日本人はその他に位置づけられる。
 韓国在住の米国民は約20万人、日本人は約3万4千人(2013年)だ。避難する際、アメリカが自国民を優先するのは当たり前で、人数も圧倒的に多い。日本人を救出する作戦を上位に持ってくることはありえないというのは当然だ。避難民を救出するのは自国政府の責任だ。それをアメリカの船に頼ろうとするのは責任放棄以外の何物でもない。安倍首相は1か月前、朝鮮半島からの邦人を救出する米軍艦を自衛艦が警護することが、今はできないのですよ、とテレビに向かって叫んだ。他国防衛の集団的自衛権行使を日本人の命を守るという形で説明できるケースを考えよ、と官僚に命じてひねり出させた最高傑作が、実際にはありえない米艦による邦人救出とこれを警護する自衛艦のケースだった。だが複数の自衛艦が米艦を警護する余裕があるなら、その前に自衛艦自ら法人を救出しろと多くの人が思った。さらに軍艦が人の輸送をする前に、緊急事態になる前に、飛行機でくりかえし救出することが最善だ。
 公明党を取り込む決定打として大見得を切ってぶちあげた邦人救出米艦警護が、実は米政府によって拒否されていたのが暴露されたのだから、安倍首相真っ青だ。いまごろ、外務省をとどなりつけて、アメリカにいやそんなことはない、日本人救出もありうると言わせるためのお願いをしていることだろう。公明党も連立離脱はありえないと、最初から容認を見込んだパフォーマンスを展開してきたが、頼みの綱のケースが根底から崩れてしまっては、さてどう演技するのか。
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