山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

鳩山退陣

2010年06月04日 08時29分35秒 | Weblog
 ついに鳩山首相が辞任した。地元合意を放棄して、アメリカとの合意に乗って普天間基地の辺野古移転を押し付ける決定をのこして辞任した。5月末までに決着という点だけは自分で納得しているだろう。でも辺野古に舞い戻らせたのだから解決ではない。問題をこじらせただけだ。1996年とは情勢が違う。沖縄県も名護市も受け入れることはありえない。地元は振興策をも拒否するという態度なのだ。これは相当の決意がないと総意とはならない。結局、永遠に辺野古移設はできない。解決不能だ。だからといって普天間をそのまま存続することはこれも県民世論がゆるさない。解決策は国外移転しかない。日本が国外移転先をさがす筋ではない。鳩山首相はアメリカに無条件に引き取ってもらう、そのために交渉するという腹を固めないから、結局もとに戻ってしまうのだ。アメリカは沖縄を手放さない。これほど効率的な基地群はない。大阪の橋下知事が、大阪も負担するから辺野古に基地建設をお願いしたいといいだしている。お願いにいってもいいとまでいっている。防衛副大臣にでもなったのか。行くのは自由だからいったらいい。
 根本の安保条約の是非を国民的に議論しなければこれからの日本は先にすすめない。米軍基地の現実は、実は、安保条約の枠さえもこえている。安保条約を厳密に守れ!というスローガンが成り立つほどだ。沖縄からイラクへ出撃するのは安保の枠を超えている。条文をふみにじって、世界安保、地球安保にすでに変質している。日本の保守政治家は一様にアメリカべったりで、安保を縮小しようという冷静な思考もない。私は安保廃棄派だ。安保維持派でも今は行き過ぎだという安保冷静派はいないのか。新聞テレビなどの解説委員、コメンテーターは地球安保派の人たちばかりだ。
 選挙が近いが、自民党政権が崩壊したとき、自民党政治の結果、2つの問題が焦点となっていた。ひとつは、75歳以上を別枠に放り込んだ老人健康保険制度、もうひとつは、派遣など異常な非正規雇用の問題だ。鳩山政府の派遣法の改正案は抜け穴だらけで、被害を受けている人達からは、こんなもの何の役にも立たん!と批判されている。老人健康保険はとりくむ姿勢がまったくない。新自由主義の自民党政治の害悪を正すはずが、まったくやられていない。そしてもうひとつの焦点、普天間の辺野古移設問題は、元の自民党時代に戻してしまった。
 自民党や自民から抜けでてつくった新党は、ここぞとばかりに鳩山政権を攻撃するが、攻撃する資格があるのかを疑う。つまり国民の意思、沖縄の意志を実現するために鳩山政権を批判しているのではないからだ。もともと辺野古に押し付けているのだから、鳩山さんに対しては元に戻してえらい、とでもいうべきところだ。他の2つの問題でもそうだ。
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