ユネスコ(国連教育科学文化機関)が世界記憶遺産に中国の申請した「南京大虐殺の記録」を登録したことに対し、菅官房長官は13日(2015・10・13)、ユネスコ分担金支払い停止を検討すると発表した。
南京大虐殺については虐殺の数について、中国は30万人、日本の学界は20万人と見解の違いがあるが、大虐殺の事実については対立はない。百田尚樹のようなレベルの人物、日本会議にあつまる政治家には南京大虐殺はねつ造だというのがいるが、これは動かぬ事実を前にしても信仰告白のごとき言辞をくりかえしているにすぎない。
南京の事実を示す記録文書やフィルムは後世にきちんと引き継がれなければならない。日本皇軍の虐殺は中国大陸各地でおこなわれたが、その多くはきちんと調査研究されていない。南京は当時の首都で、外国人も多く居住し、ドイツ人ラーベを始めとする国際人士の努力があってその事実が記録された。事実が記録されたのは日中戦争ではむしろまれなことだった。この事実から日本は学び、反省して戦後の歩みを始めたのではなかったか。
ところが安倍や百田という人物はじめネット右翼の連中もふくめ、歴史をくつがえす動きをする勢力が跋扈するようになった。南京をねつ造だというのは、ナチスのアウシュビッツ・毒ガス室がねつ造だというのと同じだ。戦争中とはいえ、民間人や捕虜の虐殺は戦時国際法に違反することは明らかだった。虐殺・放火・強姦・略奪などをひっくるめて南京大虐殺、あるいは南京事件という。学問的に事の性質に関し争いはない。虐殺数については究明しきることはむずかしいが努力が重ねられている。ただし、数の違いがことの本質ではない
日本政府は何を取り乱したのか、ユネスコ分担金を払わないといいだした。アメリカの真似をするのか。アメリカは1980年代からしょっちゅう不払い、脱退をくりかえしてきた。最近では2011年10月にユネスコ総会が圧倒的多数でパレスチナの加盟を承認したのに対してアメリカ・イスラエルが拠出金拒否をし、決議権も失っている。アメリカは自分の思い通りにならないユネスコから事実上姿を消し、国連本体にさえも分担金を払わずに来たりしたが、ソ連崩壊後、国連が利用できると思ったら分担金を払って、湾岸戦争以後の新たな戦争政策に利用するようになった。
この点、日本は一線を画し、ごろつきのようなアメリカとちがって紳士的な態度で一定の国際的な信頼を得てきた。ところが親分のアメリカに倣って同じような行動に出るとなると、長年の信用も台無しにすることになる。
南京大虐殺については虐殺の数について、中国は30万人、日本の学界は20万人と見解の違いがあるが、大虐殺の事実については対立はない。百田尚樹のようなレベルの人物、日本会議にあつまる政治家には南京大虐殺はねつ造だというのがいるが、これは動かぬ事実を前にしても信仰告白のごとき言辞をくりかえしているにすぎない。
南京の事実を示す記録文書やフィルムは後世にきちんと引き継がれなければならない。日本皇軍の虐殺は中国大陸各地でおこなわれたが、その多くはきちんと調査研究されていない。南京は当時の首都で、外国人も多く居住し、ドイツ人ラーベを始めとする国際人士の努力があってその事実が記録された。事実が記録されたのは日中戦争ではむしろまれなことだった。この事実から日本は学び、反省して戦後の歩みを始めたのではなかったか。
ところが安倍や百田という人物はじめネット右翼の連中もふくめ、歴史をくつがえす動きをする勢力が跋扈するようになった。南京をねつ造だというのは、ナチスのアウシュビッツ・毒ガス室がねつ造だというのと同じだ。戦争中とはいえ、民間人や捕虜の虐殺は戦時国際法に違反することは明らかだった。虐殺・放火・強姦・略奪などをひっくるめて南京大虐殺、あるいは南京事件という。学問的に事の性質に関し争いはない。虐殺数については究明しきることはむずかしいが努力が重ねられている。ただし、数の違いがことの本質ではない
日本政府は何を取り乱したのか、ユネスコ分担金を払わないといいだした。アメリカの真似をするのか。アメリカは1980年代からしょっちゅう不払い、脱退をくりかえしてきた。最近では2011年10月にユネスコ総会が圧倒的多数でパレスチナの加盟を承認したのに対してアメリカ・イスラエルが拠出金拒否をし、決議権も失っている。アメリカは自分の思い通りにならないユネスコから事実上姿を消し、国連本体にさえも分担金を払わずに来たりしたが、ソ連崩壊後、国連が利用できると思ったら分担金を払って、湾岸戦争以後の新たな戦争政策に利用するようになった。
この点、日本は一線を画し、ごろつきのようなアメリカとちがって紳士的な態度で一定の国際的な信頼を得てきた。ところが親分のアメリカに倣って同じような行動に出るとなると、長年の信用も台無しにすることになる。