山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

『幻想の道州制 道州制は地方分権改革か』を読む

2009年08月16日 18時18分20秒 | Weblog
 加茂利男・岡田知弘・鶴田廣巳・角田英昭編著『幻想の道州制 道州制は地方分権改革か』(自治体研究社、2009年2月発行)を帰省のゆきかえりに読んだ。
 前から、道州制について書いた本を読みたいと思っていた。ほかに優先して読むべき本がいろいろあるが、帰省がいい機会だった。これは、確か『日本の科学者』の書評欄で紹介されていたのではないかと思う。
 道州制は、現在の都道府県制を廃止して、9~11程度の道州をおき、市町村もさらに半分に減らすという大改造だ。自民党、日本経団連、そして内閣府がそれぞれ案をまとめている。
 経団連は、道州制を「究極の構造改革」だといっている。ここに本質がある。小泉構造改革、いや橋本6大改革以来すすめられてきた、国民には自己責任を求め、弱肉強食の世の中に根本的に転換する新自由主義改革の総仕上げが道州制だというのだ。小泉構造改革以後の7年で社会がガタガタになったのをさらにすすめ、それを総仕上げしようと狙っているのだ。
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宇都宮健児弁護士の発言

2009年08月16日 17時42分39秒 | Weblog
 今日の『しんぶん赤旗』の1面「発言09」欄に、反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士の発言があった。最も尊敬する弁護士、弱者のために日々奮闘する宇都宮弁護士の発言なので、ここでそのまま紹介したい。

 前回の総選挙以来の4年間、確実に日本社会の貧困化がすすみました。今回の選挙で問われるのは、その総括です。
 確かに、昨秋以降、急激に景気が下降しました。しかし、それ以前は「戦後最長の景気拡大」といわれていたわけです。ワーキングプアの拡大、ネットカフェ難民、毎年3万人を超える自殺者など、みんな、その中で起きたことです、「経済成長すれば国民も豊かになる」という政策ではダメなんだ、ということです。
 「規制緩和」とか、何でも「官から民へ」という「構造改革」の結果、国民生活はボロボロになりました。
 そういう政策の根源は、経済財政諮問会議とか規制改革会議ではないでしょうか。ここには労働者や社会的弱者、経済的弱者の代表はいませんね。日本経団連会長はじめ財界人が参加し、その意向で政策が決まっているんです。
 財界が今回の不況で何をしているかといえば、トヨタやキャノンなど、自分の会社で働く人の雇用すら守らず、真っ先に首を切っている。
 年の瀬に、労働者を路頭に放り出して恥じない。目先の利益しか考えない。国全体のあり方、国民全体が暮らしやすい社会、そういうことを考える資格もモラルもない人たちが、日本の中心にいて政策を決めていること自体が、およそダメなんです。
 こうした総括をすれば、必然的に自公政権は退場ということになるでしょうが、政権が代わるだけではダメですね。その後、どういう施策がされるか、監視し、要求をぶつけていかなければならないと思っています。
 その点では日本共産党の役割は重要だと思っていますし、重要な役割を果たせるような選挙結果を望んでいます。民主党だけで多数を占めると、市民の声を聞かなくてすむようになりますから、危険性があるんです。
 政党が民意に沿うという意味では、選挙制度は全部、比例代表にすべきだと思います。比例定数の削減というのはとんでもない。ファシズムになってしまいます。
 新しい国の形として望むのは、貧困に立ち向かう政治、だれもが人間らしく暮らせる社会です。反貧困ネットワークでは、国が貧困率を測定し、削減目標を立てて包括的な対策をとることを強く求めています。日本は1965年以来、調べてもいないんです。
 GNP(国民総生産)といった経済指標だけでは、国の健全さを表わせない。安心して暮らせる社会の指標として貧困率という指標を持つべきです。それは、貧困削減に取り組む政治的な意思を示すものなのです。
コメント (1)
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