ご覧になられた方も多いことと存じますが、7月30日付の日本経済新聞の一面広告について、この二行のコピーをどう受け止めるか… かなりご立腹と見ましたよ私は。というか、酸味料を添加している梅酒が存在しているとは知りませんでしたから、勉強になりましたねぇ。ウチで販売している梅酒は球磨焼酎・豊永蔵さんのものでして、「原材料名・梅 本格焼酎 糖類」と記載されております。最初っからお聞きしていたことですが、念のために豊永社長に再度の確認済み、「それ以外は一切使っておりません」と。
焼酎の次のブームというほど大袈裟ではないのかも知れませんが、数年前から梅酒の市場が賑やかになっております。清酒蔵や焼酎蔵、ビールメーカーさんも参入して様々な梅酒が流通してますもんね。おそらく競争も激化しているのでしょう。
この広告を見てから、スーパーのお酒売り場で色々な梅酒の表示を確認しましたところ、確かにあるある、酸味料を使った梅酒が。色素まで添加したり、糖類のほかに何故か甘味料まで入れてるものもありましたわ。こりゃすごい…
なんでもアリっぽいですなぁ。リキュールって酒税法上の分類ですけど、昔は混成酒なんて呼ばれたりもした かなりアバウトなジャンルですからねぇ。ちゃんとしたモノからなんだかよく分からないモノまで幅広く受け入れる懐の深さ、というよりも他の酒類に属さないモノが集められたと言ったほうが適切でしょうか?ちなみに新潟のお酒で地元では結構知名度の高い にごり酒が、酒税法改正でリキュール扱いになったのは記憶に新しいところ。そうやって余所で規格外になったモノが流入してきたら、由緒正しいリキュールは面白くないでしょうなぁ。
いささか脱線しましたが、国内の梅の相場に大きな影響を及ぼすと言われる大御所が このような意思表示をなさるのですから、我々酒屋もキチンと認識しなければなりませんな。ただ、「酸味料を添加して何が悪いんだよ。旨けりゃいいだろ、合法だし。」って言われたらどう応えるんだろう?いいか悪いかの判断は最終的には個人の嗜好ですから。
判断基準の一つになっていた安心・安全のキーワードも乱用されて安っぽくなっちゃましたしねぇ… 迷った時に着目すべき点は、前にも申したかもしれませんが、「造った人が自信を持って自分で飲んでいるか?」を酒屋さんに聞いてみてください。 当たり前のようですがこれって意外と重要なポイントなのです。だって造った人が中身を一番知っているんだもの。