お客さんの好みの多様化などもあり、日本酒もあちこちの酒蔵さんから毎年様々な新商品が市場に投入されます。チャレンジ精神旺盛な酒蔵さんがちょくちょく新商品を出す、それはそれで良いことだと思いますが、出さないところもそれはそれで良いことだと思います。「今ある酒の質をもっと良くしようと常々考えてますと、新商品というものまで気が回らないんですよ。」と言うのは県北村上の〆張鶴醸造元・宮尾酒造の宮尾社長。この言葉をお聞きしたのはもう何年も前のことですが、有難いことにその理念は今も変わっていません。今飲んで下さっているお客さんにもっと喜んでもらいたいと、いろいろなことを試しながら品質を向上させていく 。もちろん宮尾酒造さんだけではなく、同じ考えで新商品を出さない酒蔵さんは日本中に沢山あり、そのような方々がこつこつと地道に努力してくれるお陰で我々酒屋は美味しいお酒をお客さんにお渡しすることができます。
「新商品を出さないとは企業努力が足りないな。」と酒蔵さんに向かって好き勝手なことを言う酒屋さんが居られるのには困ったものですが… 「企業努力=新商品」としか発想出来ない愚かさには悲しくなってしまいます。でも、飲んでくれてるお客さんはちゃ~んと分かってくれてますから、蔵元さん 安心して造りに専念してください。