7・13水害から もう5年も経つんですね、早いものですわ。あの時は先輩の酒屋さんがもろに被害を受け、仲間数人と駆けつけた時には、首の高さまで押し寄せたという濁流の痕がお店の壁に痛々しく残り、店内のあらゆる物が泥で茶色一色に染まってました。
どうしようもない有様の中で御主人さんは「もう笑うしかねぇなぁ。」と、どこから手をつけたらいいのか分からない状況下で笑みを浮かべながら泥をかき出して居られ、私たちより先に着いていたご主人さんの知人や酒蔵の方々、問屋さん、ビールメーカーの営業マンが既に復旧のお手伝いをされてました。その光景には失礼ながら驚いたものです。だって被災したのはかなりの広範囲でしたから、営業の人たちは他のお店にも行かなきゃいけないはず。一つのお店に付きっきりで大丈夫?こっそりと一人の営業マンにそう聞くと 「こちらのご主人さんには大変お世話になってますので。」とポツリ。酒蔵の方々も泥だらけになった在庫のお酒を自社の車に積み込んで持って行ってくれ、比較的短期間でお店の中はほぼ空っぽに… 静岡の酒蔵さんまで駆けつけて汚れたお酒を積んで帰って行かれましたからねぇ。それもこれも日頃のご主人さんの信用が形になったということですよね、まさに人徳ですわ。
そのような商人に 私もなりたいと思っております。
あれ以来、毎年この日になるとそう感じるのですが、なかなか道は遠いのであります。