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エレベーター安全基準

2017年04月18日 | マンション管理
総会時にエレベーターリニューアル工事の議案が出される。

築年が経っている管理組合では、こんな議案によく出会います。


■エレベーター新安全基準

平成18年6月に港区で発生した死亡事故および、

平成17年7月の「千葉県北西部地震」で、多くの「閉じ込め」が発生した事象を受けて

国土交通省は建築基準法の一部改正を行いました。


これにより規定された「新安全基準」により義務づけられたのが

「戸開走行防止のための制動装置の二重化」と

「閉じ込め防止のためのP波感知器付き地震時管制運転機能」です。


■戸開走行保護装置

「戸開走行保護装置」とは、エレベーターが扉を開いたまま走行することを防止する装置です。

エレベーターを動かす力をうみだすための「駆動装置」と、

速度や各種機能をコントロールするための「制御器」の双方に、

従来の安全装置に追加する形で装備されます。


■制御器側の安全装置の働き

・「かご」および「のりば」の全ての扉が完全に閉まらない限り走行しないように制御。

・万が一「戸開走行」を検出した場合は、直ちに制動装置を作動させます。


■駆動装置側の安全装置の働き

従来から「モーター」に設置されていた「電磁ブレーキ」に加えて、

ロープまたはシーブにもブレーキを装備。

「制動装置の二重化」により、「戸開運転」を検出した際、確実な制止をはかります。



■地震時閉じ込め防止機能

「新安全基準」で義務づけられた「P波感知器付き地震時管制運転」で

閉じ込めを防止することに加えて、「長周期地震」への対策を強化しています。


■P波感知器付き地震時管制運転 (リスタート運転機能付き)

地震時に最初に到達する初期微動(P波)を感知すると、

ただちにエレベーターを最寄り階で停止し、ドアを開きます。

さらに管制運転中に安全装置が作動して停止した場合に、

安全装置の復帰を確認次第自動的に管制運転を再開するリスタート運転機能を装備しています。


■長周期地震対策

長周期地震とは、通常の地震とは異なり、ゆっくりとした周期でゆれる地震で、

特に高層建築と共振した場合、大きな揺れとなります。

エレベーターの場合、ロープ類が共振による大きな揺れのために他の構造物に引っ掛かることが、

機器故障を引き起こす原因となりますので、

ロープの挙動解析にもとづき、「引っ掛かり」への対策を強化。機器の損傷を防止します。


シンドラーの死亡事故以来、規制が厳しくなりました。

この影響なのかどうなのか・・・EV各社が部品製造停止期限を明記してきました。

以前、エレベーターリニューアルは800万~900万円という認識でしたが、

最近の制御リニューアルは1,000万円はかかります。


エレベーターというのは、竣工当初に設置されたメーカーが独占シェアをもち

なかなか、30年後のリニューアルで他社とはいかないものです。

他社で・・となると、さらに金額は増大します。


この仕事を始めたころは、管理組合の経費削減には独立系のメンテナンス会社が

安くてコスト削減だと思っておりましたが。

長い目で見た場合、独立系はやはりデータ累積が弱く、部品調達力が弱くと

やはりメーカーにはかなわない点が多くというデメリット諸々です。


毎月のことだからこそ、長く使うものだからこそ、メンテナンスは大切ですね。
コメント
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