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『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘著 藤原書店

2013年07月18日 15時05分39秒 | Weblog
『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘著 藤原書店

昭和の時代

水戸を中心に配布されている隔月のミニコミ誌『おとな日和』はこの手の雑誌では群を抜いた内容で、編集者と版元の「茨城弘報社」に心からの尊敬の念を捧げたい。さらに、息長く継続されんことを願っている。

特に、創刊以来連載されている吉田光男氏のエッセイは、内容豊富で“読みやすくためになる”ので楽しみにしている。
前回18号の『竹山道雄と加藤周一』を興味深く読んだ。

竹山道雄は『ビルマの竪琴』の著者だが、市川崑が監督した二度にわたって制作した映画が有名で、原作者はあまり知られないらしい。僕も。勿論知らなかった。
先ずは、市立図書館で『ビルマの竪琴』を借りて読んだ。
昭和22年から23年にかけて、童話として書かれたそうだが、単なる児童文学でなく、国のために死んだ人達への鎮魂歌だ。
この映画の一部はYouTubeでも見られる。

さらに、
竹山道雄を思い出したのは『竹山道雄と昭和の時代』を読んだからとあった。
そこで、再び水戸市立中央図書館に行ったが、収蔵していないとのことであったが、リクエストしておくと購入されることもある、とのことだった。

予想以上に早く、図書館から入庫したとの知らせがあり借りに行った。

『竹山道雄と昭和の時代』は竹山道雄の評伝で、人名索引を含めて五百三十ページに及ぶ大著で、読破するには難儀だったが、とにかく読み終えた。
竹山道雄は戦前戦後を通じ、日本の軍部、ヒトラーのドイツ、共産主義のロシア、毛沢東の中国を批判してぶれなかった、自由と中庸の精神を鮮やかに浮かび上がらせている。
「中庸」を行くのは一番難しい。
誰しも、その時代の波に巻き込まれてしまう。
昨今の政治状況を見ても、僕もそうだし、多くの人が時流に流されている

巻末に教え子であった芳賀徹の弔辞が掲載されている
「時流を恐れるな、時流から隠遁いんとんするな、時流を見つめよ、しかし時流に惑わされるな、時流をこえて人間と世界を思え、そのために歴史を学べ、古典に触れよ、コレルリの音楽にも海北友松の絵にも神魂(かもす)神社の建築にもおののく深い広い心をもて」とある。


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