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「原発がどんなものか知ってほしい」 平井憲夫

2011年03月18日 20時19分10秒 | Weblog

http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210318055.html   ( ANN ニュース)

朝日新聞は
「原子力安全・保安院は18日、福島第一原発1~3号機の事故について、事態の深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を、米国スリーマイル島の原発事故と並ぶ「レベル5」(広範囲な影響を伴う事故)に引き上げた。
 施設内で放射性物質が大量に放出しており、炉心の損傷の可能性も高いため。

 日本でのこれまでの最高は、茨城県東海村のウラン燃料加工会社で起きた臨界事故の「レベル4」(局所的な影響を伴う事故)。レベル5より高い事故は、世界でも旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の「レベル7」(深刻な事故)しかない。」 と報じた。




東北関東大震災は地震、津波、原発事故の複合された災害。
今後に多くの問題を含む『原発』についての知識がない。
今まで、知る必要がなかった、ともいえる。
ニュースの解説を聞いても、何か納得がゆかない。

ウェブで見つけた「原発がどんなものか知ってほしい」は原子力発電所の現場で20年間働き1997年に亡くなった、平井憲夫の講演録をまとめたと思える全21章からなっている。
本当に?と思うところは沢山あるが、最後まで読むと《原発とは何か》今回の事故を理解する大きな手助けになった。

多くの人に読んでもらいたく、このブログからリンクする様にしてはあるが、少しずつ紹介しておきます。


16 廃炉も解体も出来ない原発


 1966年に、日本で初めてイギリスから輸入した16万キロワットの営業用原子炉が茨城県の東海村で稼動しました。その後はアメリカから輸入した原発で、(途中で自前で造るようになりましたが、)今では、この狭い日本に135万キロワットというような巨大な原発を含めて51の原発が運転されています。

 具体的な廃炉・解体や廃棄物のことなど考えないままに動かし始めた原発ですが、厚い鉄でできた原子炉も大量の放射能をあびるとボロボロになるんです。だから、最初、耐用年数は10年だと言っていて、10年で廃炉、解体する予定でいました。しかし、1981年に10年たった東京電力の福島原発の1号機で、当初考えていたような廃炉・解体が全然出来ないことが分かりました。このことは国会でも原子炉は核反応に耐えられないと、問題になりました。

 この時、私も加わってこの原子炉の廃炉、解体についてどうするか、毎日のように、ああでもない、こうでもないと検討をしたのですが、放射能だらけの原発を無理やりに廃炉、解体しようとしても、造るときの何倍ものお金がかかることや、どうしても大量の被曝が避けられないことなど、どうしようもないことが分かったのです。原子炉のすぐ下の方では、決められた線量を守ろうとすると、たった十数秒くらいしかいられないんですから。

 机の上では、何でもできますが、実際には人の手でやらなければならないのですから、とんでもない被曝を伴うわけです。ですから、放射能がゼロにならないと、何にもできないのです。放射能がある限り廃炉、解体は不可能なのです。人間にできなければロボットでという人もいます。でも、研究はしていますが、ロボットが放射能で狂ってしまって使えないのです。

 結局、福島の原発では、廃炉にすることができないというので、原発を売り込んだアメリカのメーカーが自分の国から作業者を送り込み、日本では到底考えられない程の大量の被曝をさせて、原子炉の修理をしたのです。今でもその原発は動いています。
 最初に耐用年数が10年といわれていた原発が、もう30年近く動いています。そんな原発が11もある。くたびれてヨタヨタになっても動かし続けていて、私は心配でたまりません。

 また、神奈川県の川崎にある武蔵工大の原子炉はたった100キロワットの研究炉ですが、これも放射能漏れを起こして止まっています。机上の計算では、修理に20億円、廃炉にするには60億円もかかるそうですが、大学の年間予算に相当するお金をかけても廃炉にはできないのです。まず停止して放射能がなくなるまで管理するしかないのです。

 それが100万キロワットというような大きな原発ですと、本当にどうしようもありません。



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