2023/10/23放送
「世の光」の時間です。福井県福井市にある日本キリスト教団如鷲(じょしゅう)教会の牧師、山本博之です。
ヨハネによる福音書9章39節を新共同訳の聖書でお読みします。
「イエスは言われた。『わたしがこの世に来たのは、裁くためである。こうして、見えない者は見えるようになり、見える者は見えないようになる。』」
当時のユダヤ人社会では、病気は本人か両親が罪を犯した結果であると考えていたため、当事者たちは罪意識に苦しんでいました。しかしイエスは、「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業(わざ)がこの人に現れるためである」と語られました。
生まれつき罪人と言われて育った男にとって、イエスのことばはどんなにか深い慰めとなったことでしょう。イエスは生まれつき目の見えない人に近づき、目を癒して見えるようにされました。男は目が見えるようになった喜びから、ユダヤの会堂にいる人々に、「イエスのお陰である」と語りました。
にも拘らず、イエスの行為を疎ましく思ったユダヤ教の一派であるファリサイ派は、男をユダヤ社会から追放したのです。
イエスはこれを聞いて直ぐに男を探し出し、「あなたは人の子を信じるか?」と救いの手を差し伸べられました。
このメッセージは今、世界中で孤独や疎外感を感じている人々にも向けられているのです。ファリサイ派の人々は、神様を礼拝する日が労働禁止であることを盾に、男の目を癒したイエスを罪人として非難し、癒された男がイエスを「神のもとから来られた」方であると言ったことに腹を立てました。彼らは他の人々を蔑(さげす)み、心の目の固く閉ざされた者となっていたため、男が癒されたことを共に喜び神を崇めることはできなかったのです。
イエスは、「わたしがこの世に来たのは、裁くためである」と言われます。何が良いことであるかを教え、罪人を救うためにこの世に来られたのです。今日もイエス・キリストは私たちに手を差し伸べて、「あなたは私を信じるか?」と語りかけておられます。
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( PBA制作「世の光」 2023.10.23でのお話しより )
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