2011年2月11日にオープンした「はっち」は、計画の段階からその規模と工事費で市民から反対する意見も随分と出たらしい。その1ヶ月後に東日本大震災が起こる。八戸でも港に近い辺りは被害を受けた。そして地震による停電で真っ暗な夜を迎える頃、この「はっち」は自家発電設備により不夜城のように輝いた。そして床暖房の館内には、ぞくぞくと避難民が押し寄せ、寒い夜を暖かく過ごす事が出来たのである。それ以来グンと反対の意見は萎んでいく。
壁面から離れた所にワイヤーを張り、朝顔などの蔓性の植物で覆い夏の太陽の熱を防いでいる。
RC造5階建ての建物には、ギャラリー、シアター、キッチン、スタジオ、観光展示、カフェショップ、こどもハッチなどがあり、平日でも大勢の人がいた。
はっち広場は3階までの吹抜になっている。
広場にあるからくり時計
2階カフェの天井に釣り下げられた紙製の烏賊の照明器具
エレベーターは上りと下りが中央の中庭を挟んで遠い位置にあり、不便と言えば不便だが、回遊するように仕掛けられている。
5階の共同スタジオでは、高校生達が勉強をしていた。
アルミサッシが垂直なのに、柱は7度傾いている。これが1階まで続き、下に行くほど中庭が狭くなる。光と言うか天然の明かりが下まで届くようになっている。
共同スタジオにもキッチンがあった。天井は木毛板に塗装。実は階段やベランダの手摺りも、ローコストな仕上だった。この5階には小さなスタジオが複数あり、寝泊まりも出来るらしい。
4階にあるこどもはっちから見た中庭
最近、閉鎖が問題になっている東京の青山にある子供の城のような設備が置かれている。親子で訪れたら楽しそうだし、保育や幼稚園関係者にも参考になるのではと思う。
滑り台の降りた所には、大きな器に入った木製の球が可愛い。ただ大人が裸足で歩くと痛いかも。
子供サイズの茶室。天井はない。
はらぺこあおむし
同じく4階には、キッチンスタジオがあり、天井に設置されたカメラによって、料理の手元がテレビに映るようになっている。
3階には和室(これも天井がない)があり、茶道などの催しに使われている。
3階や2階には、この程度の大きさのミニショップが造られており、若者や市民が起業する為の支援も行われている。賃貸契約は3年、ここで成功して街中の空き店舗に引っ越しが出来るようにとの政策である。
観光客だけでなく、市民が天候を気にせずに集う所として順調に使われている。この「はっち」が出来てから、街中に集まる人の数が数倍に増えたと喜ばれている。
シアターは、他の階にもあるが、これは2階にあるもの。催し物のリハーサルが行われていた。
各階ごとにイメージされた色があった。
中庭から上を見上げる。上の階に行くほど面積は増えている。
中庭の床は、☆なのか、楓なのか、海星なのかは判らないが、白い小石が廻りと星形に埋められている。
何時しか廻りは夕暮れを迎え、薄暗くなってきた。