駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

マティスとルオー展

2017年02月26日 | 趣味

    

 東京で勉強会があったので、都合良くマティスとルオー展を見ることができた。入り口のポスターの写真を撮ろうとしたら撮影禁止だった。どういうことか理解に苦しむが、ためにそのポスターをお目にかけることは出来ない。ルオーを見直したと言うと偉そうだが、黒い線があんまり好きではなかったのだが実物を見て印象が変わった。

 東京マラソンで身動きが取れず困った。歩くような人のためにまで交通規制をする必要があるのだろうかとマラソン愛好者に抗議を受けそうな感想を持った。一寸離れたところで降りて日本橋丸善まで歩いた。私は何でもないのだが、女房は歩くのが苦手で説明するのに難渋した。

 例によって数冊本を買い込んできた。帰りの車内で途中まで読んだ中野信子さんの「サイコパス」文藝春秋はまるで仲の良いどこかの政治家のことのようで、冗談多いなあとサイコパスではない凡人の私は空恐ろしくなった。

 続きは明日にでも書きたい。

 丸善の海鮮黒カレー、中々旨かったが、ライスにやや難ありと申し上げておこう。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

値上がりを外食で感知

2017年02月25日 | 世の中

       

 よく外食するのでこの一、二年値上がりしているのを実感する。脱デフレで物価上昇を狙ってきた政府にはご同慶と申し上げたいところだが、そうは感じない。牛丼チェーンの吉野家からお手軽イタリアンそして大衆割烹まで、ちょっとひねりを利かして値上げしている。材料がさほど変わったとは思えないが、ネーミングと調理法の変化で一二割の値上げがされている。値上げをしないカレーの美味しい家族経営の**屋には表彰状を差し上げたい(多分、剽軽親父は実は筋金入りで歯を食いしばって値上げしないのだと思う)。

 この値上げ攻勢には赤信号並んで渡れば恐くないというというメカニズムが働いている。勿論、厳しい競争があるから値上げ幅やお得感の演出には相当気を遣っているようだが、主に外食で栄養補給をしている単身者の懐を直撃していると思われる。恐らくそうして外食で食事を取っておられる人のためだと思うが、一人前でボリュームたっぷりのメニューが多い。おまけにプラス100円程度で大盛りの注文が出来るようになっている。ご飯は小盛りでと頼む(減らしても値下げはない)准高齢者には、どうも不都合なメニューだ。糖尿病を診療する医師としても、低カロリーで少し値引きがされたメニューが欲しいところだ。

 こうした頻繁に食べる千円でお釣りがくる外食と同様、否それ以上に値上げしてきているのが東京を筆頭とする大都市の高級店だ。一個で回転寿司一人前以上の値の張る寿司屋や、前菜だけで牛丼五杯分のお値段のフレンチやイタリアンが復活している。驚いたことに、前日では予約が一杯で一週間前でないと予約を取れない店も多い。なんだかバブル前夜を思い出してしまう。尤も地方ではとてもそんなお値段では客が来ないので、高級を自認する店でもなかなか一万円以上のコースは難しいようだ。

 年末に東京で感じた景気回復の気配も地方では感じにくく、地域格差が歴然としてある。飛躍するようだが、NHKには平均しては見えにくくなる実態を多角的にこまごまと正確に報道していただきたい。それが不偏不党というものだ。現実にある物事は簡単ではなく、一言で表すことは出来ない。 

 一体この外食料金の微妙な値上がりは何を反映し、どのような明日を指し示しているのだろう。サラダのつもりか、豚生姜焼き丼の肉の脇に鎮座しているキャベツを噛みしめながら、回らなくなった脳味噌で考えている。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

小学校の教師気分

2017年02月24日 | 診療

          

 腎臓の機能の指標にeGFRというものが使われるようになって暫く経つ。このeというのはええ加減のeだと思っているのだが、採血検査を見て計算されたeGFRの値を見ると100点満点の試験結果のようで笑ってしまう(最悪10から良好100くらいまでの数字で表わされるため)。長らく血清クレアチニンの値を腎機能の指標にしてきた。これは05から10.0くらいまでの数字で表され、こちらは低い方が良いのだが、悪くなり始めの変化が鈍く初期の変化が分かりにくい。そのためにeGFRが考案され採用されたのだ。まだ正確さでは不十分だが初期変化を捉えるのには優れており、半年前72点だったのが今回は59点と落ちている、ははあこれはゲームのやりすぎか悪い友達が出来たか、何かあるなと気付き、初期対応がしやすい。

 人体はゆっくりした変化には適応してしまうので、このeGFRは余程点数が悪くならないと本人の見た目には変化がないことが多い。尤も、この見た目に惑わされない為に導入されたわけで、優等生然としたFさんが47点だったりしてあれあれ要注意だと気付く効用があるわけだ。逆に指示を守らない不良患者が80点などと良い点数だったりして、苦笑いをしてしまうこともある。ちなみに私は74点で、まあまあ面目を施している。赤鉛筆を握っているわけではないがeGFRを見ながら、小学校の教師気分になっている。

 二十年ほど前に登場し、今や医師の人口に膾炙したCKDという概念はeGFRによって広がり浸透したので、eGFRの功罪は功を多とすると言えよう。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

失礼な感想、意外にしっかりしている

2017年02月23日 | 町医者診言

 

 強い風の後は土砂降り、手荒い春の兆しに敵わんなあと裾を濡らして出てきた。

 白昼に暗殺された金正男が滞在していたマレーシアの警察、以外と言っては失礼だが随分しっかりしている。どうも日本人は自分達ほどきちんと仕事をする国はないように思っているところがあるが、そうでもないのではと感じた。確かに列車の運行や素早いお釣りの計算など末端のきめ細かさに抜かりはないのだが、肝心の中枢の根太いところは必ずしも特別優れているとは言えないと観測する。

 知人と話していると東南アジアなんて抜かりが多く、末端の役人などいい加減だと行ったこともないのに断ずる人が結構いるが、マレーシア警察は北朝鮮にもはっきり物を言い、犯人らしき人物を手配し実行犯も拘束している。雑多な民族人種が入り乱れる亜熱帯の国にしては良くやっていると大変失礼な感想が浮かぶ。暑さのせいにしては筋違いかも知れないが、暑いので厳格正確な生活習慣はないかもしれないが、大筋を違えない国の運営はできているのではと思わせられた。

 文部省の天下りの醜しい身勝手さ、アメリカほどには権力に噛み付く力のないマスコミ、東芝の誤魔化しMRJの失態など大元の所は、日本が一番しっかりしているとは言いにくいと気付かされる。

 微かにではあるがNHKに顕れた変化に秘かに注目している。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

医業の軟着陸は難しい

2017年02月22日 | 身辺記

       

 また少し冷え込んできた。暖かくなったり寒くなったりというという揺らぎは気候だけでなくありあらゆることに付いて回る。

 二三年前から頭の片隅に引退を置きながら働いている。会社勤めではないので年齢で退職が決まるわけではなく、自分で決めなければならない。K先生のように65才で辞めると宣言して準備し辞められた人もいるし、A先生のように辞めたら遊ぶぞと公言しておられたが,75才で辞められて数ヶ月で入院しそのまま亡くなってしまわれた方もいる。

 奥様と旅行三昧のK先生は羨ましいようで、何だか毎日が日曜日もなあと思うし。A先生残念だったろうなあと思いつつ、死ぬまで働くのも悪くないかもしれないとも思う。仕事というのは大変だけれども、仕事ほど全力投球できる趣味や遊びを見つける自信もない。趣味はたくさんあるが、余暇だから楽しめるような気もするからだ。昔から晴耕雨読というが、それが准高齢者の理想の生き方かもしれない。

 午前中二時間ほどで十人の患者を診て暮らせたら、楽しいだろうなと思う。実は十人も患者が来れば、看護婦と事務員一人なら世間の倍の時給を支払っても十分やってゆける。経験と知識があるから、難しい病気が来ても、どこそこの何先生に診て貰えば良いかはたちどころに分かる。患者さん達の持っている情報は不確かで不十分なものが多いので、半径十数キロではどの先生が一番合っているかを教えて紹介状を書いてやれれば老医としては十分役に立てる。安定した病気の患者とは世間話をしていればいい。

 しかし現実には、医者は客商売だから来る人を拒むことが出来ず仕事を減らすことができない。絶対に無理というわけではないだろうが、掛かりつけ利用の患者さんが何千人も居るので、選んだり制限したりすれば不満が出るだろうし、変更するには役所手続きも煩雑だし職員を解雇しなければならず、物凄いエネルギーが入りそうで却ってそれで体調を崩しそうだ。

 どうしたものかねと考え辺りを見回しながら働いている。

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

技術の裏付けがなくては、おもてなしも

2017年02月21日 | 診療

         

 昨日は春の嵐で突風が吹き、午後の患者さんは半減だった。そんな中95kgのM氏が吹き飛ばれそうでしたとやって来た。看護師と二人で怪訝な顔をすると、苦笑しながら私でもと付け加えられた。M氏は三国志や水滸伝に出てきそうな偉丈夫で、韓国中国香港台湾から東南アジアまで飛び回っている企業戦士だ。どうも風貌のせいか、何処に行っても御馳走責めらしく、我々の口うるさい指導で漸く100kgから少し痩せられた。他にも同じような地域を回って居られる企業の患者さんが居られるが、その激務?に耐えるには食事が鍵のようで、どうも脂っこくて困りますという方は長続きしないようである。

 春二番が吹き、日射しがあるとかなり暖かくなっては来たが、日が陰るとまだまだ冷たい。午後、往診に出かけると三寒四温で温かい日と冷たい日がある。「おもてなし」で勝ち取った東京オリンピックであるがこの「おもてなし」には心が肝心といっても、実は技術が伴わないと地に落ちてしまう。往診に行くと大抵のお宅で手洗いの水と手拭きのタオルを用意して下さるのだが、困ったことにハイハイと洗面器に手を突っ込んではいけないのだ。七、八軒に一軒、火傷しそうに熱いお湯だったり、ぞくっとする冷たい真水だったりするお宅があるからだ。そうしたわけで、まず指先をそっと入れてから手を沈めるようにしている。往診に伺う時間は時に十五分位ずれることもあるが、大体数分のずれで到着できる。勘の良いお宅は季節にあった適温になっている。

 例外もあるが一事が万事で、靴が揃えられ適温の手洗いのお湯が用意されているお宅は患者さんの介護もキチンとされていることが多い。心が籠もっているかどうかは無用の詮索だろう。言葉ばかり心が籠もっているようでも、技術と裏付けなければ、帰り道で首を傾げてしまうことになる。

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

果たしてどんなものか

2017年02月20日 | 世の中

 

---       

 三寒四温で一昨日から比較的穏やかな陽気が続いている。発熱の婆さんは昨日は横ばいだったので経過を診たが、今朝も解熱せず食事も殆ど取れていない。本人も入院しても良いという。朝早くS病院に頼み込んで救急車で送った。外来が始まる前で当直も疲れているだろうが引き継げるせいか?二つ返事でOKが出た。高齢で予断を許さないがこれで一安心だ。

 ニュースを見ると錦織が又決勝で負けている。どうも準優勝男になってきている。勝てる相手でも優勝というプレッシュアが掛かると負ける。厳しい評価かもしれないが、ジョコビッチも指摘しているとおり錦織の弱点は精神力だ。外来でも家では正常値だが医院に来ると血圧が上がる患者さんが数多い。どうもここ一番で緊張し過ぎる人は珍しくない。尤も、かくいう私も緊張しやすく人のことは言えない。まあしかし、超一流になるには乗り越えなければならない壁だ。マレーが乗り越えた壁を錦織にも乗り越えて欲しい。

 金正男の死因が未だ不明と報じられている。毒物によっては容易には特定できないだろう。今更ながら事実は小説よりも奇なりという言葉とオーム事件を思い出す。悪の独裁者は酷似している。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

これでいいのか

2017年02月19日 | 小考

      

 バカボンのパパなら「それでいいのだ」と言ってくれるだろうが、週末の病気は困るのだ。ヘルパーさんが付いており、孫は市内にいるのだけれども95才の一人暮らしのおばあさんが土曜日の午後に熱を出すと困る。もう十年見ているから、救急車を呼べとは言えず駆けつけ警護で診に行って来た。

 今朝から元気がなく、ヘルパーさんが来たときには38.5Cでぐったりしていたとのこと、意識はしっかりし血圧も普段と変わりはないが、食欲がなく少し咳が出る。インフルエンザの検査は陰性だった。上気道感染でよさそうだが、果たして投薬だけで十分だろうか、救急車を呼ぶことも考えたが、大歓迎ではない面々の顔が浮かぶし、婆さんも「大丈夫」(全く当てにならない)と言うので処方箋を渡して、ヘルパーに日曜日に調子が悪ければば救急車を呼ぶように伝えて、逃げるように帰ってきた。

 土曜日の夜はトランブ(万年初心者のコントラクトブリッジ)の例会に出たのだが、調子が悪くM氏に色々ご注意を受けた。今日はホテルで昼食の予定で、何も気がつかない家内から服装の注意など・・を受けているのだが、どうも妙に気がかりで落ち着かない。昼頃ならヘルパーが居合わせるかもしれない、電話を入れてみるか。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

足元を見詰め、穏やかに議論を

2017年02月18日 | 政治経済

         

 どうしてもっと普通に話せないのかと思うのだが、政治家には声を荒げ、荒げる声を冷やかし、まともに落ち着いて質問答弁しない人が多い。周りにもそういう人は居るが、大抵何となく疎まれている。世間では自画自賛の人は影の評価は低いとしたものだが、権力を持つと厚顔無恥はむしろ有用な気質のようで困りものだ。

 コンビニに行くとちょっとなまりのある日本語で、妙な名前(日本人ではない)の従業員が多い。コンビニを経営している患者さんの話ではコンビニの仕事に来る日本人は無断欠勤や突然退職などが多く、出稼ぎ外国人の方が、問題のある言い方だが、よほど良いそうだ。

 定年退職した患者さんに、暫くして又働こうとされる方が居られる。異口同音に、楽というのは語弊があるかも知れないが、丁度良い仕事は中々見付からないと言われる。どの先進国もそうだと思うが、残っているのは3Kの仕事という構造があるのだ。

 トランプ大統領が見習うべきはジャパンで日本ほど上手に?外国人の流入を防いでいる国はないかも知れない。尤も、日本には特有?の建前の後ろに本音の目こぼしがあり、学生と称して実は不法?労働をしている外国人が3Kの仕事をかなりカバーしている。この辺りの事情に光を当てて、就労目的のアジア人を受け入れる方法を考える必要があるのではと思う。当院の外来にも特殊技能もなく学生にも見えないアジアの人が時々風邪を引いたとやって来る。

 病気でもアレルギーは厄介だが、一部のアジア人アレルギーのために外国人労働者受け入れが表立って議論されないのは問題だと思う。これは喫緊の課題で、与野党いがみ合わずにまともに真剣に考えて戴きたい。知恵を絞って対策と方法を考えれば妥当な受け入れは可能なはずだ。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

自由形銀メダル、輪島の男

2017年02月17日 | 小考

 水泳の山中毅さんが亡くなった。もう半世紀以上の昔になるが、自由型でいつもオーストラリアのマレーローズに迫りながら後半もう一歩の所で惜敗していたのを覚えている。オリンピックでも金は取れず銀メダルに終わったようだが、銀メダル四個は立派なものだ。一番や金は唯一で最高のイメージがアッピールされるが、二番目で銀も決して引けを取らない優れた業績だと思う。その人にとっては最善だったのだろうし、いぶし銀には味わい深い輝きがある。

 確かに金や一番には昇り詰めた最高位で、達成感は強いのだろうが、見失う物もあるのではないかと思う。瞬間風速の出来事が、その後の人生の重圧になることもあるかも知れない。銀や銅を噛みしめる能力こそ、長丁場の人生広い社会の中ではむしろ大切な気もする。世の中というかマスコミにはそうした見識が不足しているように感じる。

 山中選手のその後のことは承知しない。遠い昔の観戦の思い出といつも惜敗のイメージにちょっと書いてみたかった。

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加