駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

症状がないからと通院を止める患者さんも

2017年01月24日 | 診療

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 年に二人ばかりいつの間にか通院を止めてしまう患者さんが居る。実際に通院しなくなる患者さんはもう少し多く六、七人居られると思う。それは引っ越したり何らかの理由で転院する患者さんで、多くは紹介状を所望される。

 引っ越しや転院でなく通院しなくなる患者さんは、要するに医者通いを止めてしまった訳で軽い認知のある高齢者に多い。その多くは自覚症状がないから止めてしまうらしいのだが、中には経済的な理由や長い距離を歩くのが大変になったなどの理由もあるようだ。そうした患者さんは家族が居ても孤立しており、家族は通院を止めたことに気付いていないことが殆どだ。

 そうした患者さんが半年、一年ぶりに家族に連れられてやって来ることがある。眩暈がして救急を受診したら血圧が200あったとか、この頃物忘れがひどくなったとかいう場合が多い。

 慢性疾患で通院される患者さんには家族構成を聞き、自覚症状がなくても受診の度に現在の状態を説明しているのだが、取り敢えずまともな受け答えがあればそれ以上踏み込まないことが多く、返事だけで実際には良く理解できまなくなっている人を見逃すことがあるようだ。多少認知があっても人は誰しも自分の考えがあるので、通院を続けても意味がないと判断されるのだろう。

 こうしたことが起きる一つ理由には、来る物は拒まず去る者は追わずを原則にしているので、急性憎悪が疑われるような場合でなければ、医院側からこの頃来られませんがと連絡することはしていないからだ。何らかの理由で他の医院に変わられたり(患者さんは変わりたくなくても家族の意向と言うこともある)、入院していたり、亡くなっていたりすることが多い。そうした訳で連絡しても、お互い厭な思いをすることもある。尤も、自覚症状がないからと通院を不十分な自己判断で止めて悪くなることもあるので、そういう患者さんには何らかの連絡を取った方が良いのかも知れない。この辺りの見極めは難しい。

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トランプは予測不可能か

2017年01月23日 | 小考

   

 今日は寒い上に風があり、肩をそびやかして歩いてきた。冷たい風は敵わん。

 昨日のテレビは新しく誕生したトランプ米大統領番組が目白押しだった。アメリカ製と日本製といくつかを垣間見たのだがどちらにもこれでよいのかこれからどうなるのかの懸念が溢れていた。アメリカのメディアは多種多様なのだろうが、権力者を恐れず批判をするメディアが存在するところには感心する。

 アメリカ製の方が率直でトランプはとんでもない人物とあからさまに批判する発言が聞かれた。日本の方はどうも専門家という人まで予測不可能だとか戸惑う発言が多かった。果たして日本の外務省はどういう見方をしているのだろう。相性の良い安倍首相頼りということはないと思うが、相対の取引が得意のトランプ大統領に引けを取らないようにしてほしい。中露に加え米までの難題で外務省医務室では頭痛薬が大量に処方されているだろう。

 日本の経済界の交渉能力が世界的に見てどの程度のものかよく知らないが、技術力はトップクラスでも交渉力はもう一つなのではないかと危惧する。どうも誠意が通じる人ではなさそうで、こうすればお得ですよと何とか互恵に持って行くのが最善のようだ。脅しに屈するのは拙いが、脅しに乗って只では転ばない方式が得策かも知れない。

 トランプ大統領は似たもの同士だと上手くゆくのだろうか、似ていてもお互いに自分の利益が一番とすれば争いが起こる心配もありそうだ。トランプ大統領は自分の利益最優先に立ち回っても原理主義的な印象は薄く、世界各地の内向き現象をトランプ現象と捉えてよいのか疑問も湧く。分断という現象面では似ていても、内容は違っているような気がする。この辺りは専門家の意見を聞いてみたい。

 難題としても外交政治評論家はトランプは予測不可能ですと言わないで戴きたい。それなら私でも言える。

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K君の帽子

2017年01月22日 | 人物、男

        

 この頃帽子をかぶっている人を見かけることは少ない。尤も、記憶を辿っても帽子をかぶっている人が多かった時代を思い出すことは出来ない。どうも帽子をかぶる人が多かったのは戦前のことのようだ。 

 外来に時々帽子をかぶった中高年女性がやってくるが、殆どはぼさぼさの頭を隠すためのもので、おしゃれというのとは違う。それでも我が町にも一軒帽子屋がある。外から見たところ女性用のようだが、ついぞお店内に客さんを見かけたことはなく、他人事ながらやっていけるのかなと余計な心配をしてしまう。昔は花嫁が帽子をかぶったものだが、最近はどうなんだろう。

 シルクハットのロンドンでも帽子屋は減っているようで、帽子屋には苦虫を噛みつぶしたような親父が佇み、壁に面白半分でかぶってみるのはご遠慮をと書いてあった記憶がある。今はシティもカジュアルになってるのではと想像する。シルクハットの帽子屋はなくなっているかもしれない。

 友人のK君は私より3、4才若いのだが、よく帽子をかぶっている。ハンチングというのだろうかベレー帽に一寸ひさしが付いたようなスポーティな感じの帽子だ。髪の毛は年齢相当で、禿げ上がっている訳ではないので、本人は否定するかもしれないがオシャレなのだろうと思う。当然よく似合い、スポーティで一寸品の良い感じが漂う。170cmで60kgくらい、いつも微笑を浮かべどちらかと言えば醤油顔なのだが、陽関を出たシルクロード辺りで羊でも飼っていそうな雰囲気を持っている。

 帽子は髪型に依ってはかぶりにくいし、馴れないと一寸煩わしいかもしれないが、ネクタイ以上に雰囲気を変えオシャレな感じがするので、一寸似合う人には是非かぶって欲しいと、帽子屋の回し者のようなことを書いてしまう。K氏は穏やか謙遜な人柄で、彼が居ると場が和んで楽しい。帽子効果かもしれん。

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施政方針演説を読む

2017年01月21日 | 政治経済

         

 安倍首相の施政方針演説を読んだ。戦後七十年を踏まえ新たな七十年を見据え展望する演説としては自画自賛が基調で、過ぐる七十年の理解と評価も通り一遍、未来への展望も理念が希薄で格調が高い内容とは言えないと感じた。

 言葉ではなく実行をと謳い現内閣の政策の成果を誇っているが、批判を唾棄すべきものとしながら、自らも前政権と支持しない者を陰に陽に批判している。謙虚さと寛容の精神に乏しく、首相は敵愾心の強い人だと改めて感じた。

 新農政、中小企業対策、新たなイノベーション、働き方改革、成長と分配の好循環、個性を大切にする教育の再生・・・、一つ一つ誠にもっともなことばかりでその通りと首肯したい。ただ何故か、・・・しようではありませんかと呼びかけられても、ポツダム宣言をよく知らない立法府の長の元ではなくと感じた。一体どうしたことだろう。

 太平洋の向こうではトランプ新大統領が就任演説をしたようだ。未だ全文をを読んでいないが、特に新しいものはなく選挙中の主張を少し手直しし繰り返した内容と報じられている。

 政変のある酉年と聞く、市井末端の准高齢者も身と心を引き締めて、生きていかねばと思ったことだ。

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非婚の理由

2017年01月20日 | 小考

        

 電車でしばしば女子高生と乗り合わせる。彼女達は坐っていれば教科書?を読んでいるか、携帯をいじっているか、うたた寝をしている。立っているとおしゃべりをしていることが多く、三人以上でおしゃべりする場合には、内向きに円を作っておしゃべりする。まるでライオンに狙われた牛が七八頭内向きに円を作って後足を外に向け、近寄ろうとするライオンを蹴ろうとする円陣のようだ。勿論、彼女達は怪しげな親爺をはね飛ばそうというのではなく、仲間と顔を向け合って話したいが為だろうと思う。正直に言えば混み合った車内では、どうかなと思うのだが、年頃の彼女達の習性のなせる業だろう。

 なぜ結婚したか?それは恋をしたからで、振り返れば内なる衝動と勢いということになるだろう。おそらく恋というものは子孫を残したい家族を持ちたいという秘めたる情熱が特定の異性に焦点が合って発火し、強い求心力を生み出す現象だろう。結婚には社会的な側面も大きいが、根本には子孫を残したい家族を作りたいという情動があると思う。だから?親が決めた場合でも、鬼も十八番茶も出花で結果的に上手くゆくことも多いのではないかと推測する(この辺りのことには疎く、的外れならお許し願いたい)。

 婚姻は男女平等のようだが、実は女性の方が鍵を握っているような気がしている。こうしたことの専門家ではないのでどの程度当たっているかはわからないが、日本の少子化考えるには欠かせない視点と思う。単に若い男性の収入だけの問題ではないと思う。円陣を作っておしゃべりをする女子高生の生態に迫る必要があるかも知れない。

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景気に地域格差を感じる

2017年01月19日 | 小考

  

 年末東京で明日に微かな曙光を感じたが、年明けの地方はどんよりと灰色の雲に覆われ、街にもう一つ元気を感じない。果たしてフィリピンに五年で一兆円もの支援をする余裕があるだろうか?。なぜフィリピンに大盤振る舞いするのか、ドテルテ氏を引き寄せる手立てなのだろうか、中国への当てつけなのだろうか。外交問題にしても十分な説明がない。聞けば口角泡を飛ばして数多い言葉を並べられるのだろうが、どうも宮内庁と国民はよく聞こえない桟敷に置かれているような気がする。

 安倍政権の凄いところは国民にも戦略的で真の狙いを覆い隠すところで、恐い所は国内ではそこを突くマスコミが殆ど居ないことだろう。諮問会議というものはメンバーの選び方で答は変わり、客観的は装いのことが多い。もっと踏み込んで言えば閣議も然りだろう。

 医院も零細企業の端くれで、利潤を第一の目的とした組織ではないが、世の中の景気を敏感に感じ取っている。今、零細企業では景気は僅かだが下向いている、良いところも横ばいに留まっている。総合病院も然りで、強いところがより強くなって差を開けられていたところは更に差を開けられている。格差社会は医業にも及び、診察室でもそれを感じていると申し上げたい。

 野党も混沌としてまとまりかねているようだが、政治家は考え方を変える必要があるのは確かだと思う。AIを嚆矢とする科学技術を人間社会にどう生かせばよいのか、それを考え出すことがこれからの政治の最大の課題だろう。トランプは反面教師の試金石かも知れない。

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寒中の暖は有り難い

2017年01月18日 | 診療

         

 今朝は平均的な寒さだったと思う。幸い風がなく顔や耳の冷え具合も耐えられる範囲だった。プラットフォームで待つこと暫し、運良く座れた。座席の下で暖房が効いており下半身から暖まってきて仕合わせな気分になれた。北国では暖房がまず第一のもてなしと聞き及んでいる、宜なるかな。

 いつも運が良いとは限らないが、通院してくる患者さんの中に上手く癌を生き延びた人が二十数名おられる。私の手柄と言うよりは上手く治療してくれた専門医の力と患者さんの持っている幸運の賜だと思うが、見付けた私もなにがしかの貢献は出来たわけで、そうした患者さんを診るたびにちょっと励まされているような気持ちがする。中には卵巣癌や肺癌の方もおられ、本当に運が良いと思うのだが、こうした患者さんは素直で私の言うとおりにして下さったから幸いしたような気もする。言うとおりにしておけばよかったという言葉を風の頼りに聞くこともある。

 患者さんは本当に色々で訴えられたことはないが、同じようにしていても感謝されたり時になじられたりで、憮然とすることもある。私の落ち度というわけではなくても、結果が思わしくないと気持ちをぶつけたくなるのだろうと争わず承っている。勿論、完璧とは行かないのでこうすれば良かったかなと思うことは今でも時々あるし、病気というよりは愚痴を長々と聞かせてくれる患者さんも居られる。それに人間は死ぬように出来ているので元気で楽しかった患者さんも九十への坂で躓き亡くなられたりする。そんなわけでなんとなく気分が晴れない時に癌を生き延びた患者さんを診察すると励まされた感じがして、心が暖まる。

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冨の偏在をどうすれば良いのか

2017年01月17日 | 小考

    

 世界トップ8人の資産が世界ボトム38億人の資産と同額と報道されている。何だかおかしいとは思うが格差が大きすぎて想像しにくい。日本にも世界のトップ100人に入る人が二人(柳井氏、孫氏)ばかり居るようだ。所謂オーナー経営者、立志伝中の人物であんまりけしからんという気はしない。

 そうは言っても働けど働けどぎりぎりの生活を強いられる人達がおかしいと思い始めれば納得しがたい現世界のシステムで、どうすればよいかよく分からないが腹が立って来るだろう。このどうすれば良いかよくわからないが大問題なのだが、問題を解くのを二の次にして、怒りは短絡するから困ったことになる。不満は怒りを呼び、怒りは破壊転覆に向かう。そうした怒りを吸い取り、扇動するのが快感というか趣味という人物が暗躍すると現実に火の手が上がる。

 問題は試験用紙を燃やしても解けない。どうすれば良いかを考えなければならない。現実に今現在多くの政治家、学者、宗教家が考えているし、市井の人の中にも数多くの人が考えていると思う。マルクス先生の答えは正解でなかったらしい、マルサス先生の方が正解に近いかも知れない?。いずれにしても難しくて解けないからといって、差別しても破壊してもあげくに人を殺めても、解決は遠のくばかり?だ。まあしかし、トランプぐらいは出てきてもおかしくない時勢になっている。

 あまりに単純な理解かも知れないが、冨の偏り過ぎの報道に浮かんだ感想だ。

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広辞苑よりも面白い?球辞苑

2017年01月16日 | スポーツ

         

 NHKのBSに球辞苑という楽しい番組がある。お笑い芸人の徳井義実の司会にナイツの土屋をナレーター塙を記者、編集委員にキタビキオ金沢彗を配し、元プロ野球選手をゲストにプロ野球の様々なプレーをキーワードにデータを駆使し、名選手名コーチの秘訣裏話を聞き出して展開して行く。プロ野球が百倍楽しくなるというキャッチフレーズが嘘でない面白い番組だ。

 野球というゲームに様々な技術駆け引きが隠されているのを知って、えーそうなんだと驚き納得させられる。もう何十年も日本のプロ野球観戦から遠ざかっていたので、野球の隠された面白さを再認識した。当たり前と言えば当たり前、プロの試合の背後には高度な技術と戦略があったのだ。外野手の捕殺では西武の伊原コーチがクロマティの凡プレーを予測し読み勝っていたわけだ。塙記者が好きだったクロマティが嫌いになったという気持ちは分かる。

 最近MLBに傾いている私としては、田口壮さんが言っているように、外野のフェンスをもっと低くしてホームランキャッチをしやすくしたり、前向きのトライでのミスは咎めない姿勢を日本のプロ野球に取り入れるべきだと思う。これだけ面白い戦術駆け引き優れた技術が駆使されていた日本のプロ野球がどうもかったるい感じで、人気に陰り?が出てきている理由を関係者は考える必要があると思う。

 野球選手に和田、田口など魅力溢れる好漢が多いこと、お笑い芸人が司会や議論でも素晴らしい才能を見せるのを知ったのは嬉しい発見だ。NHK討論の司会を徳井義実に記者を塙にやらせてはどうか、面白くなること請け合いだ。 

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「量子物理学の発見」を読んで

2017年01月15日 | 

      

 十五才をとっくに過ぎ、残り十五年も怪しい年齢になったが、未だにどこから来てどこへ行くのか考えてしまう。プランク長や億光年など想像も出来ない小ささ大いさではあるが、物理学が何か教えてくれそうな気がして、解説書を何冊も読んできた。残念ながら数学の素養が簡単な微分方程式どまり、しかも錆び付いているので数式で理解する粘りがない。ファインマンの言葉によれば、量子論というのは専門家でも数式が表現している世界だとしかいいようがなく、日常感覚的な理解はできないものらしい。

 レーダーマンは実験物理学者で今までの理論物理学者によるものとは違った解説をしてくれるかと期待して読んだのだが、半分分かったかどうかも怪しい。ただ理論物理学者とは違ったアプローチと理解の仕方があると知った。なんたって、実験物理学者は解説書など書いている暇はなく、理論物理学者の理論を採点することが出来るくらいのもんらしいのだ。

 量子物理学が完璧なものかは未だ分からないし、未完成の理論ではあるが、人智の届く最先端の解明であるらしい。それは人間の生活と五感では想像できない構造と法則を持っているものであることが分かった。奥の手の第六感を動員しても、感覚的に理解できるものではない。分からないことが分かったというと負け惜しみのようでもあるし、専門家でも分からないのだからと高を括るようでもあるが、そうではなく腑に落ちる限界を知った。

 分からないことが分かったというのが、量子物理学を読んだ収穫だ。

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