無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

建築の未来(えらいこっちゃ)

2006-11-30 11:38:43 | 建築・都市・港
山形での講習会、9時半から4時まで目一杯の講習、CPD単位が12だもの、長いわさ。
後半になって、最近の建築行政の動向の話になって、どんどん目の前が暗くなってしまった。と、言うのは、昨年の姉歯事件の総括の性なのだけど、建築基準法と建築士法の改正に伴う様々な負担が増えてしまったからだ。

まずは、建築基準法から

・構造計算適合性判定の対象となる建築物については、来年の6月頃にピアチェックが開始される様だ。
・行政を含めての建築審査機関と別に、構造専門のピアチェック機関で、再審査を行う。その料金が申請料と別途に10-20万円が必要となる。
・確認審査の期間が、現状の3週間から、35日間~70日間が必要となる。(ひぇ~長い!)
・4号建築物の建築審査特例は廃止される。

もの凄く、仕事がやりにくくなる。これだけ建築主は待っていてくれるのか。確かに料金については、構造計算を伴う申請料が安過ぎるのは判るが、これだけ経費がかさむのを、理解して貰えるのか。

次に、建築士法からみで

・建築士を対象とした講習会の義務付け
 国交省が春にフライングした「建築士の再試験」が問題になり、現行の建築士に講習会を義務付けし、受けない建築士へ罰則をかけると言うもの。講習会受講の連絡→受けない者に戒告処分→応じない場合は免許の取り消し。(ここまで発展させるのだそうだ。)
・構造1級建築士、設備1級建築士の設立
 1級建築士を持つ者で、5年以上の構造の実務経験があり、講習を受けた者は構造1級建築士が与えられる。
 設備1級建築士も、5年以上の実務経験と講習により、資格が与えられる。
 これらがないと、一定規模以上の仕事は出来ない。
・建築士事務所の年次報告の義務
 来年度から、建築士事務所を営む者は、事業の年次報告を毎年出さなければならない。
・建築士の試験を受ける者の受験資格の見直し
 学歴要件、実務経験要件の適正化が行われる。
専攻建築士の申し込みで驚いたが、実務経験の記入の煩雑さを考えると、受験資格も同等の記入と証明が必要になるのだろう。建築士を減らす作業に拍車をかけるようだ。


何故、こんなに建築に対して厳しくなったのだろう。原因の一つに姉歯事件があるのだが、そもそも日本の建築業界が、今までのような伸びが期待されない時代に入ったからだ。1970年代をピークに、国民のGNP生産の僅か5%まで、建築界が落ちている。今までの解体生産から、ストック&リニューアルの欧米並みの時代へ入ったと言うのだ。落ちている業界には、社会も政府も厳しい。建築もとうとう冬の世界を迎えたのだ。
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一日の時間の中で

2006-11-27 04:00:11 | 動物・自然
秋になって、日の暮れる時間が滅法早い。天気の悪い日などは、4時過ぎになると暗くなってしまう。これから冬至に向かって、どんどん日は短くなっていく。それでも、秋の夜長は、使い道がある。

私は、昼も好き、夕方も好き、夜も好きだけど、朝は嫌いだ。あの、もやっと空が白む頃は、「まだまだ早いから、もう一回寝よう。」か、「もう朝になってしまった。まだ仕事が出来てない。」のどちらかだ。特に後の方は、本当に焦ってしまう。今日も今日とて、こんな時間に、ブログに書き込みしないで、仕事をさっさとやったらどうなのと、自分に注意する。初夏だったら、とっくに夜が明けている時間だけど、まだ暗いままだ。ちょっとだけ気が休まる。時計の針は同じ所を指しているけど、気分は違うものなのだ。

これから冬になり、雪かきが始まると、少しでも布団の中にいたい自分と、起きなければならない自分との戦いになる。お願い!今年は雪が多くありませんように!!朝になる時間が、少しでも遅くなりますように!
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ネパールの子供達

2006-11-26 11:25:24 | 社会
25日、高橋あき子さんの出版記念パーティが行われた。
高橋さんは、酒田では知る人ぞ知る有名人だ。建設会社の会長であり、政界財界にも顔が利く偉い立場の方なのだが、目下の私にも丁寧な話し方をされる。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を地でいく方だ。日本画を描かれる事は知っていたが、出版は絵だけではなかった。

花で囲まれたパーティ会場は、着飾った女性に溢れ、4名の舞妓さんも加わって、華やかなこと結婚式以上だった。出席者は地元の関係者や仲間だけでなく、大阪や金沢からも人が大勢集まり、会場は賑やかになった。それに映像ではあるが、ネパールからもコメントが届けられた。

高橋さんからちらっとネパールの話は聞いた事があった。単に知り合いがいて、行き来しているだけだと思っていた。ところが、何年も継続して小学校を造るのに資金を送り、協力していることを始めて知り、「ネパールは、まだまだ貧しい国です。教育を受けられない子供達が沢山います。」で始まった映像に心が動いた。そうだったのか。

彼女は庄内のおかあさんと呼ばれ、慕う人も多い。バイタリティ溢れる有言実行の人だけではなかったのだ。この人に続く人物は出てくるのだろうか。なかなか大変そうだと思うのは、私だけだろうか。
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ワイン

2006-11-24 14:02:06 | 食べ物
星さんの講演会に、建設新聞の記者の方が参加してくれた。支部の女性部が、毎年このような活動を続けてきたのに、驚いているようだったが、最後まで付き合ってくれた。講演の内容は一般受けするモノではなく、かなり専門的だった。1部ではドイツと日本の木構造の歴史を含めた違いと、2部では専門的と言うより、バウビオロギーと言う分野での話だったから、難しいと言えば難しい。女性部の活動を、始めてメディアが報道してくれた訳だが、この記事がなかなか要点を突いていた。私の駄文とは、かけ離れた纏め方だった。やはり専門家にはかなわない。(詳しくは、建築士会酒田支部のHPへ)

この講演会を一番楽しみにしていたNさんが、当日急に来られなくなった。その代わりに、反省会用に、ワインを1本準備してくれていた。ボージョレ・ヌーボだった。喜んでみんなで乾杯し、美味しく頂いた。

ところで、このワインは、ボージョレ・ヌーボなのか、ボジョレ・ヌーボーなのか、ボジョレ・ヌーボなのか、私には判らない。今までずっとボジョレ・ヌーボーだと思っていた。建築様式に、アール・ヌーボーと言うのがあり、これが先にインプットされていたから、思い込みもあるのだろう。誰か本当の名前を教えて下さい。m(__)m
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団塊の世代

2006-11-23 14:04:30 | 社会
2007年、団塊の世代の退職が問題視されている。日本の経済を支えてきた多くの人間が、職場を離れるのだ。これは若者の就職に繋がるとも言えるが、技術を持った優秀な人間の離脱は、正直言って痛いはずだ。この技術を狙って、中国から多数の会社が、再就職先として名乗りを上げている。技術を伝えて欲しい。中国の若者を育てて欲しい。それはグローバルな観点からすれば、正しい事だろう。ただ気を着けなければならないのは、技術の伝達が終わった時に、日本と中国の立場が逆転する事だ。

某会議で、農業に詳しく何度も中国に渡った方が、こう発言した。中国に農業指導してきて、それが成功した時、あの広大な土地に育った農作物が、日本の農業を壊滅させる。ほどほどにしないと、日本が滅びてしまうと言うのだ。

こんな事件もあった。山形県はサクランボの生産地だが、山形県で品種改良し登録された苗が、一部の人の手によって海外に流れたと言うのだ。それが育って、サクランボが輸出されたりしていると。知的財産の権利に疎い国、犯罪と思っていない国に渡ると、せっかくの苦労も報われない。サクランボに限らず、様々な分野でも、問題になっている。

機械製造業でも、世界一の技術を持っている人達を、日本はどのようにして流出を喰い止め、若い世代に繋いでいくのか、早急な課題だと思う。
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崖っぷち犬

2006-11-22 14:12:28 | 社会
私は、大抵の動物は好きだ。犬派?猫派?と問われれば、やっぱり犬派になる。見た目や写真では、猫の可愛らしさにかなわないが、本来は犬が好きだ。私の夢の中には、何時まで経っても一匹の犬が出てくる。災害の夢などは、必ずこの犬を助けなければと小脇に抱えている。

そんな犬好きの私でも、ニュースの崖っぷち犬のライブ報道には疑問を抱く。報道なら、もっと他に大事な事があるだろう!視聴率が取れれば、何をやっても良いと言うのか。それに、あんなに沢山のレスキュー隊員を、救助に行かせるのもどうかと思う。もっと助けなければならない人間達もいるだろう。

各地の犬を使ったテーマパークの破産で、きちんと飼育されていない犬達の事や、毎日薬殺される捨て犬、放置犬、野良犬の事を考えると、あの崖っぷち犬の救助は本当に良かったのかと考えてしまう。ちなみに私の妹は良かったのだと言う。まぁ、そう言う考えの人もいるのだ。
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みかん

2006-11-21 14:52:16 | 食べ物
私の父が、2-3年前にミカンの鉢を買ってきた。
小粒のミカンが5-6個なっていたものだった。
見た目は、酸っぱそうで、食べたかどうかの記憶はない。

今年着いた実の内、3個だけ順調に育って、売り物になるような大きさになった。日に日に色づいて、そろそろ食べ頃になったと思っていた矢先、全部盗人に持って行かれた。ブロック塀をよじ登って、朝方狙われたようだ。もうみんながっかりしている。店で買っても100円もしかならないだろうに、家族みんなが楽しみに眺めていたのに、どんな気持ちで盗んでいったのだろう。

盗人に告ぐ!
無農薬だから、皮まで食べられるぞ。
酸っぱいなんて言わずに、最後まで食べるんだぞ!!
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星ひとみさんの講演会

2006-11-18 00:20:18 | 建築・都市・港
11月18日(土)、本日午後1時半より、酒田市勤労者福祉センターで、星ひとみさんんの講演会が開催されます。星さんは現在、仙台市都市整備局住宅宅地部住環境整備課建築防災課にお勤めです。(さ、一気に読めたかな?)

星さんは、お子さんが小さい時にアトピーでシックハウス症候群だった為に、早くから化学物質過敏症に取り組まれてきました。先進国のドイツにも、高橋元先生と一緒に視察に行かれています。また、エコロジーやバウオロギーにもノウハウをお持ちで、聞いて得する講演会になること間違いありません。

詳しくは(社)山形県建築士会酒田支部HPへクリック!
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ワイン(邪道の飲み方)

2006-11-16 21:26:05 | 食べ物
金持ちは、金さえ出せば、なんぼでも高級ワインは買える。
私の造ったワインは、えーと1/4飲んでしまったから、「試飲するから、手をつけるな!」と緊急連絡がない限り、今月か、保って11月の終わりを待たずに無くなると思う。だから、それを飲みたいと思っても、手にいる事は出来ない。私にメールをくれる?じゃとっとく、舐めるだけでいい!?

身体に良いのは判っているけど、あまりに少しなので、「爽」で割って飲む事にした。
「爽」とは、地元で造っている焼酎なのだけど、すっきりと癖がない。私はがっちり、どっさり、癖があっても、臭くても美味いと思う。どちらかと言うと、メチャメチャ癖のあるものが好きなので普通は「爽」は呑まない。でも、考えるとせっかくのワインが、癖のある芋焼酎とカクテルになれるかを考えると、美味い物はそれなりに・・・と、癖のない「爽」で割る(?)ことにした。これが、うまい!!
市販の赤ワインの色よりも薄くしても、何でこんなに美味いんだ!!
それは、ワインが良いんだべぇ~~よ♪
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今年のワイン

2006-11-16 17:12:59 | 食べ物
夕べ、今年のワインを飲んだ。
と言っても、ボージョレ・ヌーボではない。
高いワインなど買える身分じゃないし、世界で一番早く呑むほどの通でもない。
私の手作りの山葡萄ワインを絞ったのだ。

買った山葡萄は、時すでに遅しの感がある熟れた実だったので、もの凄い濃い色のジュースが絞れた。グラスの底に、1㎜溜まっただけで、透けて見えない程だ。おかげで味も濃い。一口飲んだ妹と父は、口を尖らせて「酸っぱい!胃がキリキリする。」と言っていた。あれ?ワインでなくビネガーになったのかなと思ったけど、どうやらちゃんとワインの味はするらしい。酸っぱいのが気に障っただけだった。

この濃いワイン色を見ているだけで、ポリフェノールだかが、バンバン補給出来る様な気になる。保存料も着色料も入っていない自然の宝物なのだ。あれだけ沢山の実から、たった2本のビンしか取れなかったので、うんとケチケチ飲んでみようと思う。
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松坂投手の移籍

2006-11-15 11:41:09 | 社会
メジャーリーグ入りを希望していた松坂大輔投手に、レッドソックスが60億円もの金額で落札した模様だ。凄すぎて見当もつかない金額だけど、本当に喜んでいいのかな。彼の利用したボスティング制度は、大きな落とし穴があるのだと言う。

この60億円とも言われる金額は、直接松坂投手に支払われるものではない。移籍先のチームから、今までいた日本の所属チームが受け取ることになる。それも、契約が成立した場合に限る。交渉が決裂した場合は、松坂は西武に戻らなければならない。一部の噂では、レッドソックスが、松坂のヤンキーズ入りを阻止しようと、高額の落札金を提示したと言うのだ。何故、才能のある野球選手は、好きなチームに入れないのだろう。無事に契約にこぎ着ければいいなと思う。

今ニュースを読んでいる某ローカルラジオ放送のアナウンサーは、松坂の落札金額を60万円と間違えて言ってた。(爆笑)彼女の頭の中で想像出来るお金の金額が、私と同じ位に庶民的だったのだ。
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江戸しぐさ

2006-11-15 00:01:23 | 社会
明治時代に、日本を訪れた外国人が、日本人は品格が高いと驚いたと言う。
昔の日本人は、全てが学校へ通えた訳ではない。
家庭が、きちんと教育の場でもあったからだ。

庄内地方には、鶴岡市と酒田市とがある。鶴岡は酒井公の城下町で、致道館と言う藩校があり、武士達はここで学んでいた。明治大正になっても、その歴史を受け継いで、学問を受けるなら鶴岡へと、若者は集まった。ある時の卒業写真を見ていると、酒田のエジソンと呼ばれた人間や、世界的な数学者になった人間が、偶然にも同級生だったりする。

酒田は湊町で、商人の羽振りは大きかった。城も酒井公に属する亀ヶ崎城こそあったが、町民の自治が盛んで、学問に重きをおかなかった。不思議に酒田には女子高校が多いのは、ちゃんとした家に嫁にやるには、学問を受けさせ、子供の教育や家人の世話の出来る、女将としての教育が必要だったからだ。職人だった私の曾祖父は、息子達には仕事をして家族を養う様にと職人にさせ、娘達は女学校へ通わせた。現代だったら、到底考えられない事だ。

インターネットで、江戸仕草と言う物が見つかった。江戸の稚児の段階的養育法もあるのだが、昔どこかで聞いたような気もする。最近では、幼稚園や小学校で、行儀作法の教育を取り入れている所もある。オトナになった私でも、もう一度しっかりと学んでみたいと思うほどだ。

三つ心:三歳までに人間の心の糸をしっかり張らせる。
六つ躾:六歳までに躾を手取り足取りまねさせる。
九つ言葉:九歳までに人前でお世辞のひとつも言えるくらいの挨拶が出来るようにする。十二文:十二歳には一家の主の代書が出来るようにする。
十五理で末決まる:十五歳で森羅万象が実感として理解できるようにする。

参考:商人道「江戸しぐさ」の知恵袋 越川禮子著 講談社+α新書
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市民の力

2006-11-14 13:47:56 | 社会
下関市が155億円で発注した文化会館の工事は、落札取り消しになるかも知れない。この落札した会社と言うのが、安倍首相の実兄が関係する会社なのだが、官製談合の疑いがあり、別の事業で逮捕者を出したとして、市が失格を検討していると言う。これも市民達が、猛烈に反対をしたかららしい。今までの市政は、大抵の事はごり押しして進めてきたが、今回は市民の力が大きかったようだ。

どの地方にも言える事なのだが、地元の工事は地元が請け負った方が良い。外部の会社が落札すると、ウマイ汁は中央に持ち帰り、ガンガン叩かれた下請けには、カスしか残らない。地元民は喘ぐように生活し、しかも取られた税金で、市政を運営していくのだもの、寂れる訳だ。公共事業も極端に減っていき、就業難民を抱える地方は、不景気のスパイラルからなかなか脱却できないでいる。中央の力にまかせた横暴を、食い止められるのは、地域の住民の力しかないのだ。
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城輪柵跡(きのわのさくあと)

2006-11-13 21:43:41 | 建築・都市・港
酒田の旧市内から北へ7km程の本楯には、城輪柵遺跡がある。
道路を走っていると、平野の真ん中に、突如として白壁に朱塗りの柱の平安時代の建物が現れる。現代の日本に、この配色が馴染むかは判らないが、平安時代にはまったく普通の美しい建物だったに違いない。

この遺跡は、昭和6年頃に発見された。調べていくと、約400年も続いた平安時代の出羽国の国府の跡らしい。出羽国は、現在の山形県と秋田県を足したものに相当する国だったようだ。道理で文化圏が似ている筈だ。地名でも、羽前、羽後が付く物が多いなと思っていたら、明治元年に羽前国は山形県、羽後国は秋田県と分けられてしまったようだ。しかも、羽前国は山形に県庁所在地を取られ、県内2番目だった酒田市が、市町村の合併で3番目に落ちた。平安の国府の役人がこれを聞いたら「おろかものめ」と言ったかも知れない。

酒田は、冬の季節風が強いのと、飛砂がなければ、住みよい地域だ。昔から人は住んでいた様で、平安時代のさらに先の時代の遺跡も、どんどん出てくる。田んぼの基盤整備をしても、縄文土器や木の船など、仕事にならないほど、出てくる所でもある。お陰で、東平田のコミュニティセンターの工事の時など、発掘で1ヶ月も費やされた事があった。

建築士会のYさんが、城輪柵跡から、鳥海山の初冠雪を望んだ写真を送ってくれた。支部長のAさんがそれを見て、千年もの昔、出羽国の人が同じような光景を見ていたかもと、悠久の時を超えた風景に感心していた。出羽国が出来たのが708年頃だと言われているから、1300年から900年前になる。その間に、何度か鳥海山は噴火している筈だから、ちょっとは姿が違うかも知れない。タイムマシーンに乗って、過去の酒田も見てみたい。どんな人に巡り会えるだろうか。
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鳥海山

2006-11-09 19:42:51 | 動物・自然
現場の帰りに、近道をして農道を走っていたら、目の前で1人の女性が車から降りて、鳥海山にカメラを向けていた。

午前中の会議の帰りに、街並み(屋根と屋根)の隙間から、真っ白に輝く鳥海山の山頂を見た。あの低気圧が雪を降らせたんだと、あまりの美しさに写真を撮りたいと思ったけど、時間もないし・・とすぐに忘れてしまっていた。

だから、農道のカメラの女性を見ても、ああ私と同じ考えの人がいたんだとばかり思ってた。ところが、鳥海山に視線を移して、「わぁぁぁ~!」驚いた。直ぐさま私も車を止め、カメラを片手に車外に躍り出た。そして撮したのが、この写真である。初対面の女性と「凄いね。」「UFOみたいだね」と話を交わしながら、これは久しぶりにブログに載せなきゃと思った。

自然て、こんな偶然を見せてくれるんだ。

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