一番ユーミンが売れたのが80年代なので、そう言うことなのかもしれませんが、実は、ユーミン大好きです。所謂、ファンではないので、大好きな歌が一杯があるという程度です。
ここ20年ユーミンがどのような活動をしているのかは知りませんが、80年代の爆発的な人気がなくなって、いろいろな分析がされたようですが、一番的を得てると思ったのは、橋本治の「有りそうで有り得ない憧れの世界をパッケージにしている」というやつで、爛熟期の80年代とマッチしていたというものであった。
彼の分析をもっともだと思った。でも、やっぱり好きなので時々聞くことがあって分かってきたのは、ユーミンが売れたのは時代に迎合(もしくは先取り)したのではなく、根本的に曲の良さがあって、歌詞には普遍的なメッセージがあるから売れたのだ。だから、クラシックとして残っていく事だろう。
この『WANDERERS』、曲は勿論知っていたが、歌詞はさびの部分しか知らなかった。ちょっと暗めで伸びやかさが無いので、好きな曲のカテゴリーには入ってなかった。
黄昏の空はスモーキーに流れて
一等星だけ見えた
袖ちぎったシャツをくぐり抜けていく
ぬるい春のとばり
好きよ ヘルメットぶつけ
腰にしがみついたあのぬくもり
きみに会えなくなるなんて
きみに会えなくなるなんて
タワーが輝く坂まで走ろう
渋滞をぬいながら
きみのために替えたタイヤと心は
試せなくなったけど
好きさ はじめて想った
少し未来の幸せについて
きみに会えなくなるなんて
きみに会えなくなるなんて
だけど We're WANDERES はかない夢
だけど We're WANDERES もういない
きみに会えなくなるなんて
きみに会えなくなるなんて
歌詞をじっくり読んでみると、バイク乗りが恋人を失った詩(死んだと思われる)ではないか!タワーと渋滞で都会が舞台なのだが、そんなことはどうでも良い。(しかし、これこそが都会的な雰囲気を醸し出すユーミンの真骨頂であろう)恋人と生きようと決心したのにその人がいなくなってしまった、これ以上普遍的な悲恋があるだろうか。
という訳で、唐突に好きな一曲になりました。
さて、どのコンサート映像を見てもユーミンが踊っているのが素晴らしい。コンサート中心の活動なので、エンターテイメントへのこだわりが清々しい。踊りを一所懸命努力してものにしているのがよく分かる。
ところで、『卒業写真』の「あの人」が憧れていた異性ではなくて先生だったという有名な逸話があるが、もし、『WANDERERS』の「きみ」が異性ではなく同性だったらという可能性は無いだろうか。(バイク乗りなので、女性同士というのは考えにくく、男同士のイメージ)
”We're WANDERES”、男の WANDERES は理解出来るが、女のそれは想像し難い。もし、この歌がゲイの悲恋を表現しているとしたらと思うと夜も寝れなくなってしまう。(責任者出てこい!)
いくら何でも、考え過ぎと反省してます。