YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

同盟漂流:船橋洋一

2010-02-08 06:38:36 | 書評
同盟漂流は、あとがきにある様に、船橋洋一が朝日新聞のアメリカ総局長として1993年9月から1997年8月までアメリカ側から取材した後、日本の取材を経て、1997年11月に発行されている。その当時に購入し、読んでいるはずでなのであるが全く記憶になく、昨年以来、普天間問題が話題になった時にこの本を思い出し、読み返すに至った。

読後の一番の感想としては、普天間を巡る状況は15年前と何も変わっておらず、この間日本は一体何をやってきたのかという事である。対アメリカ、対中国、日米安保どれをとっても、何の進歩も無いのである。この間日本は状況に振り回されるだけで、全体的な状況分析に基づくシナリオをいくつか作り、シュミレーションを行うという基本的な事すら出来ないようである。又、その当時、太田知事のものとで沖縄で一番の悲願であった普天間返還が約束したにも関わらず、実現出来ない日本政府は、世界に恥を曝しているのであり、自覚が無いまま米中の間でゆっくり沈没しつつあると言う事である。

特に辺野古移転に関して、ジュゴンや珊瑚礁の環境問題で反対する人達、建設会社との密約などで論じる人は、外交が分かりませんと自分で宣伝している様なものである。

登場人物が多いのだが、15年たって読み返す事で政治家や有名な人々ではなく、政府の実務レベルの人々の今が面白い。その中で2人挙げておこう。田中均と守屋武昌だ。アメリカ国防省は2人について、日本の軍事問題を戦略的に考える事が出来ると高い評価が為されてたにも拘らず、田中は小泉時代の北朝鮮との交渉で叩かれ、守屋は贈賄で有名になり、沖縄問題では途中下車した形となっている。

船橋洋一のスタイルは、ニュージャーナリズムの流れを汲むのだが、この本の出来に関しては疑問符がつくと思う。取り込むべき情報が多く、煩雑になるのは宿命だが、時間軸を行ったり来たりする事で、ある場所の流れはスッキリすのだが、全体像が上手くまとまってないと思う。読むのに一月程掛かったのは、情報量に圧倒された事もあるが、まとまりの悪さで読む気がなかなか湧いてこない事にあったようだ。

ニュージャーナリズムはあたかも見てきた様に書くために、エピソードや会議での発言や振る舞いを描く事で、登場人物が具体化する事で理解が深まる。特に、その後(本の時代後という意味)、表舞台に登場したりすると、その時点での流れスッキリ分かる様になる。(それだけに田中均と守屋武昌が今、表舞台にいない事が不自然な感じがする。)著者はノンフィクションだけではなく、取材を基にした分析も出版しているそうなので、米中関係のものは読んでみたいと思う。

沖縄に基地問題をじっくり考えたい人には絶対にお勧めの本である。(文庫も出ているようだ)

Accentureの雑誌広告

2010-02-08 05:15:47 | ゴルフ
ついこの前までずっと Tiger Woods のシリーズだったので、あわてているのは分かりますが、カエル4匹はセンスなさ過ぎでしょう。Tiger Woods シリーズも決してセンスは良くありませんでしたが、宣伝としては確実に悪い方向への Quantum Leap です。

Accenture ホームページ 出てくるイメージがクリックするたび変わるので、拙い対比写真貼付けておきました。コンセプトとしては、動物シリーズな感じです。Tigerからの流れでしょうか?(くだらなくて済みません)

これが Economist に載っててビックリしました。(個人的に両生類、爬虫類い弱い事もありますが)

こんな会社に、コンサルティング、テクノロジー、アウトソージング(広告コピーに載っている)を任せて大丈夫でしょうか?