YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Shoe Shine

2010-02-18 21:19:04 | 雑記
趣味のレベルまでは行かないのですが、靴磨き、結構好きです。kiwi のキット揃えているし、スポールシューズやスエード様の消しゴムのようなものも持ってます。防衛大学出身の友人に、靴の磨き方の基礎(自衛隊流だと思います)を教わった事もあり、正統の靴磨きが出来ます。

アメリカンカジュアルの悪影響で、服装はいい加減の極みなのですが、足元を見られたときに恥ずかしくないように、靴だけはキチンとしたいと心掛けてます。

靴磨き(Shoe Shine)は、日本で見た事ありませんでしたが、アメリカでは比較的見かけます。私の行動範囲では、空港、それも南部の空港には必ずあります。(デトロイト空港内には現在無かったと思います。)そして靴磨きはほぼ100%黒人です。ちょっと話が飛びますが、昨年、オバマの上院銀議席を売っぱらおうした罪で罷免された白人の前イリノイ州知事の「小さい時は貧しくて靴磨きもした。自分は黒人のオバマより黒い」の問題発言から推測しても、伝統的に黒人の職業のようです。

作業がし易い様にお客さんの座る椅子がやたらに高くて、何となく恥ずかしくて、今までやってもらった事が無かったのですが、今週のテネシー州出張では、溶けかかった雪で靴が汚れた事もあり、ナッシュビル空港で挑戦してみました。

別段、これと言って特別な事は無く、5分程で$5.5で($10渡して、釣りはいらねーとカッコつけてしまいました)ピカピカになりました。一番興味があったのが、どんな靴の磨き方をするのかという事でした。自分が正統と信じている靴磨きが、果たしてプロとどう違うか、じっくり観察しておりました。結論は、私もオバマより黒いと言える自信が付きました。

では、正統的な靴の磨き方を簡単にご紹介しましょう。

(1)汚れを落とす。私はクリーナーを使って綿のウエスで取るのですが、プロは大胆にもブラシに中性洗剤を付けてごしごしやっておりました。(ちょっとビックリ)キチンと汚れを落とす事が基本中の基本です。

(2)靴墨を薄くまんべんなく塗る。私はキットの塗り専用のブラシですが、プロは手の平でやってました。(絶対に付け過ぎてはいけない)

(3)ブラッシング。これは同じ。でもプロのブラシは大きくて羨ましい。

(4)ポリッシング。これも同じ。専用のフエルト(?)でやります。

(5)底とソール横側を靴墨を付けた布で塗っていく。これも同じ。友人からキレイに見せるためのコツして教わったので、プロが最後にこれを始めた時は、妙に嬉しくなりました。

靴磨きではないのですが、特別テクニックとして習ったのは、表面を引っ掛けて色が剥げてしまった時の修復技術として、靴墨を剥げた所に少し多めに塗り込んで、ライターの火で靴墨が溶けるくらい炙るというものがあります。このテクは使えます。

チップ入れても $10 なので、一度試してみるのも良い経験だと思います。

材木価格の値上がり記事で思った事

2010-02-18 01:13:51 | アメリカ経済
アメリカの材木の値段が上がっているようだ。それも今年に入って32%の大幅上昇である。

理由は、ズバリ供給不足。住宅事情の冷え込みで、生産が2005年か2009年に掛けて45%も落ち込んでいる。流通中間在庫も絞られておる。しかし、アメリカのも春(文字通りの)がやってくるので、建築業者が春からのシーズンに備えて購入を始めたことで、需給がタイトになり値上がりしている。

昨年11月で終わるはずだった政府の住宅購入補助金が延長された事もあり、新築住宅販売が増えると読んだ建築業者が強気に買い付けているケースもあるらしい。一方、供給側は市場が冷え濃く局面で大赤字を出しており、一度占めた工場を再開したくても運転資金の確保に苦労しており、一朝一夕に増やせない状態である。

今後、住宅市場、特に新築の展開と材木価格に注目のであるが、同じような構図が、いろんな産業で頻発している可能性があると思われる。

プラスチック、ゴムの化成品の業界でも、年明けから供給逼迫の話ばかりである。製品だけでなく、Feedstock と呼ばれる原油を分解した化成品の原材料が逼迫してきている。(直接関係はないが、天然ゴムも逼迫しているものがあり、価格も2年前の最高値に迫る勢いである)

イメージ的には、日本ではリーマンショック後直ぐに在庫圧縮や生産調整をした状況が(日本の落込みが一番早く激しかった)、アメリカでは1年以上掛けて行ってきた感じである。アメリカは今後の状況が厳しくなりそうな悪い予感がしている。既に最初のショックから一年以上も経ってやや景気が上向いたこの時期に供給、流通在庫のボトムがやって来た感じがあるからである。

サプライチェーンには、Bullwhip Effectと呼ばれる現象が、普段でも発現するのに、需要が全く読めなくなった挙句の景気浮揚なので、比較的中間業者が少ない製品でも、あちこちで問題が起きている感じである。My Life at MIT Sloan の関連エントリーWSJ Caterpillar の記事(全部は購読してないと読めないようです)を同じ頃に読んだ事や、クライアント、サプライヤー、自分自身も局地的な嵐に巻き込まれているので、ひしひしと Bullwhip Effect を感じている。

これからの景気の上昇局面で(あくまでも希望観測ですが)、今後、原料から一般消費財の不足が騒がれるのではないかと思う。その事で景気感と一致しないインフレが起こる予感がある。アメリカの景気回復の予想をするとき、この辺の問題も考慮する必要があるだろう。(定量的に検証するスベは思い付かず)

面白いオブザベーションとしては、リーマンショック直後の対応は、数字だけを見ていると、冷徹と思われているアメリカ経営より日本経営の方が対応が早かった事があげられる。Just in Time が浸透しているので中間流通在庫がアメリカに比べて少ないのが最大の要因だと思う。アメリカは、やはり、広大だし、土地が安い(倉庫がある)ので、必要量だけよりトラックロード単位の流通がコストが安いと推測されるので、サプライチェーン全体で中間流通在庫が必要以上にあるのだと思う。(ちょっと大雑把過ぎる気もするが、当たらずとも遠からずの自信有り。)