YS Journal アメリカからの雑感

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クライスラーの再建計画

2009-11-06 20:59:21 | アメリカ経済
クライスラーの販売落込みが激しくので存続について疑問が出てきている事を報告したばかりだが、11月4日にマチオニCEO(FiatのCEOでもある)が再建計画を発表した。

計画内容の軸は、Fiat技術での新車投入でグローバル販売台数を2014までに現在の倍、2009年予想で130万台を280万台にすると言うものである。政府からの$9ビリオン(約8,100億円)のローンも2014年までに完済出来るとの皮算用である。

これまでも、ダイムラー、サーベラスとオーナーが変わる度に、販売数回復を柱にした再建計画が出てきているのでお手並み拝見と言った感じである。

この発表で一番驚いたのは、再生クライスラーは赤字ではなく、キャッシュフローもプラスで、2年後に予定されているFiat技術での新車投入までキャッシュフローを確保できるとのコメントである。倒産で、借入金の整理、労務費の削減、不要工場の切り離しが行われた事が、大きく効いているようである。

昨日偶然にも出張で、いつもは使わないクライスラー系のThrifty Rent-A-Carを、旅行代理店の推薦で利用した。車はJeep Patriot

なんと、パワーウインドウ、集中ロック、クルーズコントロール、電動サイドミラーが装備されていなかった。(エアコンは付いてました。)いくらレンタカーでも、AvisやHertzの同クラスのHyundai、Kiaでさえこの辺は当たり前に装備されている。

こんな装備なら安いのでしょうが、売れないような気がします。こんなグレードを設定すること自体、クライスラーのセンスを疑います。倒産前のお金が無いときの開発で、何でもかんでもコストダウンしたのだと思います。

このような車をラインアップして、Fiat技術での新車投入まで2年も販売数を落とさないように出来るのでしょうか?投入される新車も売れると決まっているわけではないし、新車投入後も販売のベースは従来のクライスラー車なので、いよいよ心配です。