YS Journal アメリカからの雑感

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アメリカ経済の2番底

2009-09-27 07:12:13 | アメリカ経済
アメリカ経済は、株価が順調に回復してきているが、常に2番底の恐怖があります。

私の考えでは、間違いなくきます。

根拠は、第一は8月現在で9.7%になった失業率の高さと、雇用回復の見通しが暗い事である。アメリカの個人消費の指標が、ここ2,3ヶ月良くなってきたのに、ここのところで足踏みしたりしているのは、政府の特定の景気対策、初めての住宅購入やポンコツ車下取りの補助が効いたのと、その枠を使い切った事に左右されたからです。

9.7%の失業率にしても、自営業は統計に含まれていないので、実質はもっと高いと考えられている。失業率が高いままで、個人消費が伸びるわけがありません。回復しつつある企業業績もリストラを人員削減でコスト改善が進んだところに、景気対策のミニ特需があり、一時的に良くなってきているに過ぎない。

今回の不況のきっかけは、サブプライム問題であったが、モーゲージでは、プライムでも変動金利型の爆弾を抱えている。家の値段が下がってローン残高が家の価値を上回っているケースが大多数で、固定金利への移行等は、進んでいない。現在、金利は低く抑えてあるが、流動性を保つためにどんどんお金が刷っていると、金利の上がる日も近いと思います。そうすれば、変動金利のプライムローンの不履行が出きます。

クレジットカードの不履行についても、やや落ち着きを取り戻しているが、損金処理をしてクレジット枠を絞った事で良くなってきただけで、やはり失業率が高い限り、再び、じりじりディフォルト率は上がってきます。

次に、商業用不動産ローンの不履行です。ミシガン州(なんと失業率15.4%、デトロイト市に限れば29%)なので、モールや商業ビルの空きが目立つのですが、地方の比較的大きな都市では、今年完成の新築ビルのテナントが入らないという事態も発生しており、これらの商業不動産ローンの不履行は、大手、地方銀行の足枷になっていくと思います。既に、地方銀行は、結構大きいところを含めて結構潰れおり、これからも増えそうです。

結局、借金漬けの清算には程遠く、これ以上の政府による金融機関の救済策も難しい状況です。

時期ですが、ずばり、株価の下落は11月頃からだと思います。根拠は、この頃に政府の景気対策が切れた事で息切れしたデータが顕著にでてくると思うからです。そして、来年の春頃に、再び金融機関の危機が、全体的ではなく、弱い大手に訪れると思います。

個人的にどんな対策出来るかは。余り無いのですが、アメリカで401Kなどをやっている人で、積極的なファンドに投資している人は、一旦Cashやそれに近いファンドに切り替えておいた方が良いと思います。もし2番底がなかったとしても、ここ半年で、株価、経済が急に良くなる事は無いと思いますので、リスク管理に意味合いで。(私は、2年位前に、70-80%はMoney Market Fundにしております。今年の春は、S&P500のIndex Fundに切り替えるタイミングを見ていたのですが、結局、飛び込む勇気が無くて、今年前半の上昇局面には無縁でした。)