YS Journal アメリカからの雑感

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テッドケネディーの偽善

2009-09-25 10:43:47 | アメリカ政治
今日、テッドケネディー死去で空席になっていたマサチューセッツ州の上院議員が、州知事によって任命された。任期は来年1月までの暫定で、その後選挙で、後任が決まることになっている。

テッドケネディーは、マサチューセッツ州の上院に欠員が出たときの選出方法について、2004年と今年の無くなる直前の2回、州政府に対して変更を嘆願している。そして、どちらの嘆願も、まるっきり反対の内容にも拘わらず、承認されている。

2004年は、州知事の指名で欠員を埋める方法を、直ぐに特別選挙を行う方法への変更で、今年は、特別選挙から州知事の指名への変更である。

2004年は、もう一人のマサチューセッツ州選出の上院議員のジョンケリーが民主党の大統領候補に示されており、もし、ジョンケリーが大統領になった場合、時の共和党の州知事が、欠員を指名出来ることになっていた。現在の州知事は民主党所属である。

なんと姑息なことを、それも自分が死んだ後も民主党に議席を残さんがために、原理原則も臆面も無く、選出方法変更を、一度ならず二度も、それもまるっきり逆の嘆願をだす厚顔ぶりです。自分で自分の顔に泥を塗って死んだのですから、本望でしょう。

で、この一議席ですが、なぜそこまで拘ったかというと、これが上院の民主党60番目の議席だからです。100分の60を上院でもつとスパーマジョリティーとなり、基本にどんな法案も通せるからです。だから来年の1月までの大事なときに空席や共和党に渡せないという事情があります。テッドのケネディーのライフワークであった健康保険改革が山場を迎えており、なりふり構わず、やったのだと思います。(個人的には、本人が死ぬ一ヶ月前に本当に嘆願を出したのかという疑いもあります。)

オバマ大統領も民主党も、テッドのために健康保険改革をと葬式等でいっておりましたが、結局、余り効果がありませんでした。

まあ、こんなに絵に描いたような偽善は、二度と拝めないような気がします。

オバマのヒラリーの扱い方

2009-09-25 10:09:22 | アメリカ政治
先ずは、自信過剰ぶりであるが、大国のリーダーが世界に向かって「俺が、俺が」という事自体が、異常です。結局、ヒラリーには、外交を任す気は少しも無いのだと思います。基本的に、子供の使い位にしか思っていないはずです。肝心なところは自分が出て行けば上手くいくと考えているに違いない。だから、国連で、こんな恥知らずな演説を出来るのでしょう。(演説内容についても、全く別の次元で恥知らずですが、今日は取り敢えず触れないでおきます。)

で、なぜ、ヒラリー国務長官にしたかということですが、非常に日本的ですが、結局は「位打ち」だと思います。先ず、自分のスタッフにする事で、彼女の口を塞げます。又、女性登用でも点が稼げるげるとの読みもあったはずです。結局お飾りとしか思っていないのですから。

民主党の大統領候補の指名レースで、最後まで戦った事で、オバマは、自分の本質、革新左翼理想主義者に対して、中道のヒラリーが相容れない事をわかっています。根強い人気のあるヒラリーが上院議員のとどまると、民主党員でであっても、オバマの方針に反対する可能性が高いと考えたと思います。又、可能性は低いのですが、時期の民主党の大統領指名レースで、改めて挑戦される事も考えたと思います。その上、ヒラリーの国務長官の承認過程で、元大統領の夫のビルへの寄付をした人の公開もされました。この中には、随分アラブ諸国からのものがあり、ヒラリーが大統領を目指すときには、必ず否定的な要素として攻撃されるネタを提供してしまいました。

オバマ、もしくは彼のブレインの洗練された陰湿な政治手法が顕著に現れた抜群の人事だったと思います。

副大統領の話しもありましたが、ファーストレディのミッシェルが、ヒラリー(とビル)が、ホワイトハウスで働く事を嫌ったとの噂もあります。(副大統領はホワイトハウスにオフィスがある。)

もし、オバマの人気がこのままズルズルと下落すると、ヒラリーはとっとと国務長官を辞める可能性もあると思います。その後、大統領への再挑戦は、ちょっと難しそうですけど。