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YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

2つのアメリカ

2012-11-10 21:17:05 | アメリカ政治


青がオバマ(民主党)で、赤がロムニー(共和党)

この地図が示しているのは、州毎ではなく、カウンティ(郡)毎の大統領選挙の結果である。州毎でみると東海岸、西海岸の州は真っ青でになるので、州全体が民主党の様に見えるのだが、例えばニューヨーク州、カリフォルニア州も共和党支持のカウンティが多いのが分かる。

しかし、圧倒的に人口の多い都市部は、圧倒的に民主党が強い。これは、中西部や内陸部でも同じ傾向である。又、フロリダ州、テキサス州の南側はヒスパニックの割合が多く、民主党支持である。

全く2つのアメリカがある事が分かる。

政党支持層で考えると、共和党は基本的に古き良きアメリカ的で、白人、田舎者で比較的に画一的であるが、民主党は都市生活者、黒人、ピスパニック、組合労働者、ゲイ、学生を含む若い世代と細かいセグメントの集合体に分けれる。民主党はこれらの異なるセグメントに対して、大きな政府が面倒をみると言うメッセージ、それもセグメントごとに細分化したものを提供し続けている。共和党は、小さな政府で個人が頑張れば、人種、世代、男女(ゲイ)等関係無く、みんな豊かになれるという原則論を展開している。

ひとつのアメリカを目指す共和党と、2つのアメリカを際立たせて対立させて票を稼ごうとする民主党がいる。民主党は、政治的に2つのアメリカを煽り続ける事で、存続が維持出来るという構造になっている。

オバマ大統領 再選

2012-11-07 01:06:19 | アメリカ政治
予想は外れ、期待は裏切られた。

もう5時間以上もテレビの選挙速報を観続けているので、ヘトヘトになってしまった。

思い付くままに書いておこう。

連邦下院は共和党、上院は民主党がそれぞれ過半数を獲得したので、構造は変化がない。オバマが変わる以外、アメリカの政治が変わる事はない。そしてそれは、無い物ねだりだと思う。今後4年は、過去2年つまり2010年中間選挙での民主党下院大敗後の政局がズルズル続くのだ。

オバマは明日からレイムダックだということを忘れてはならないと思う。本人にしてみれば上がってしまったのだ。オバマは本当に何もしないと思う。基本的には怠け者なのだ。(ひょっとすると家族旅行、物見遊山で広島、長崎に来るかも)

明日から、ハリケーンの対処の不手際、リビア問題で叩かれるのだ。

アメリカは確実に衰退していくだろう。唯一の望みは今後4年間で取り返しの付かない所まで行かない事を祈るだけだ。

オバマ再選で民主党は逆に立ち枯れになっていくであろう。比較して共和党のここ数年の若手の台頭は著しい。

2014年には共和党が上院の過半数(絶対(60議席)ではなく単純過半数)を獲得し、2016年には間違いなく共和党の大統領が誕生すると思う。オバマは再選を果たした事で、ブッシュと同じ運命を辿るのだ。

ヒラリーの大統領の目はこれでなくなった。

オバマは思っていたほど酷くはないのか、アメリカは思ったよりもリベラル志向が強いのか?残念な結果であったが、アメリカ政治、政局に失望していないし、興味を失っていない自分がいるのが不思議だ。

2012年アメリカ大統領選挙(5):最終予想

2012-11-05 09:50:55 | アメリカ政治
やっぱり、ロムニーであろう。

大方の選挙専門家の予想は接戦とした上で、民主党、共和党とも自分の陣営の方が勝利するとしている。しかし、共和党支持側の専門家の中には、ロムニー圧勝を言う人が出てきている。(民主党側では皆無)

2008年に比べて、オバマ人気の陰りや共和党(Tea Party が盛り上げている)の熱狂度、熱心なキリスト教徒やユダヤ人の投票動向をどの様に分析に反映させるかで、予測が全く違ったものになる。オバマ勝利は2008年大統領選の実績をモデルにしているが、2010年の中間選挙をモデルにするとロムニー勝利、それも圧勝の予想になるそうだ。

ハリケーン Sandy の影響で先週前半は選挙運動が中断したので、ロムニーへの流れがやや頓挫してた感がある。被害に対するオバマ政権の対応は、余り芳しくないのだが、今のところは表立った批判は出てきていない。9月から燻り続けているリビア問題についても時間切れであり、全然追求をしていない報道機関の怠慢は酷い。

選挙予想では定評のある Rasmussen Reports の月曜日の予想は、Obama: 237 - Romney: 206 - Toss-up: 95 となっている。但し、僅差ながらロムニーがフロリダ州はリード、オハイオ州はタイと出ている。

泣いても笑っても火曜日の夜(接戦だと水曜日朝、もしくはブッシュ、ゴアのときの様に延々と)には結論が出る。


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"Don't Believe the Liberal Media!" (9-19-12)

Karl Rove の大統領選予想

2012-11-01 20:41:25 | アメリカ政治
Karl Rove は Bush との結びつきが強いので、リベラルは勿論、共和党の保守派からも煙たがられたりするのだが、選挙に関してはプロ中のプロである。

現在は、コンサルタント、コメンテーターになっているので、選挙活動ではなく選挙予想が専門になっているが、共和党の予備選挙そして大統領選に関して、一番的確な予想をしている。

WSJ で毎週一回のペースでコラムを書いている。大統領選挙前最後になる今日のコラム("Shifting the Numbers for a Winner")では、ロムニーが選挙人279人(270人必要)以上で勝利すると予想している。

昨年出版された自叙伝 ”Courage and Consequence" に食指が動いたのだが、Bush 政権関係の回顧録では Dick Cheney 副大統領のを読んだだけで食傷気味になり、結局 Bush 本人の回顧録 "Decision Points" すら読んでいない。

育った環境が割りと複雑なようだが、なぜ、少年の頃から政治に興味を持ったのかを知りたい気がする。

茫洋とした風貌と理路整然とした語り口調は好感が持てるので、民主党やオバマ政権が悪魔呼ばわるのが不思議でしょうがない。エリートではない彼が、高校時代から政治活動に興味を持って40年以上も活躍しているのはただ事ではない。民主党にはこんなタイプの裏方はあまりいないような気がする。


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In My Time: Dick Cheney (9-1-11)

2012年アメリカ大統領選挙(5): 第三回目、最後の大統領討論会:外交問題

2012-10-22 21:02:07 | アメリカ政治
討論会の最後に双方が締めのコメントを出すのであるが、圧倒的にロムニーが良かった。英語表現の Presidential (大統領としての風格が漂う)がピッタリという感じであった。

討論会自体は、出だしにロムニーが硬かったが、中盤で挽回した。後半は互角だったので、結論としては今回も引き分けという感じであった。内容的には今回も目新しいものはなかった。まず冒頭に司会者がリビア問題の件を持ち出したが、ロムニーは意識的か無意識的か、大統領を糾弾する事は無かった。

オバマは今回もやはり現職大統領としては攻撃的過ぎたと思う。ロムニーの方は大統領の外交方針を基本的に肯定し、圧倒的に情報の多いオバマとの差を出させない戦法であった。但し、今回の大統領討論会の特徴となった感があるが、細かい差異や外交問題と関係無い個人攻撃や過去の言質についてのオバマのいつもの品の無い口撃については、激しいやり取りとなった。

外交問題を討論会でやるのは無理だろう。これまでの大統領討論会に比べて直接にやり取りをする事が多かったが、今後は、重要なトピックについて10分、15分のプレゼンをお互いにした上で討論さすような形式の改善が必要であろう。

結局オバマは、第一回目討論会のボロ負けを第二回、第三回で挽回出来ないまま直接対決を終えてしまった。

ロムニーは追い上げの勢いを保ったまま二週間の最後のストレッチに入る。


追記:ロムニーが、アフガン問題をパキスタンが持っている核兵器の保全と関連して考えている事は重要なポイントだったと思う。(オバマは一言もコメントも反論もしなかった)核兵器がテロリストの手に渡る事が、アメリカだけでなく世界の平和にとって一番の脅威なのだ。イランの核開発に対する経済制裁もそういう流れで考えるべきであろう。

オバマもロムニーもイランに対する経済制裁を強く支持しているが、日本は石油輸入で特例を認めて貰っていた。現在はどうなっているのだろう。

2012年アメリカ大統領選挙(4): ロムニーの勢いとオバマの Nuclear Option

2012-10-19 18:17:08 | アメリカ政治
最新のギャロップ(有名な世論調査機関)では、ロムニー52%、オバマ45%の結果が出てきている。

来週月曜日に外交問題に関する討論会が一回残っているだけであり、例のリビア問題でオバマは傍線をせざるを得ないので、余程大きな失態がなければ、ロムニーの勢いは止まらないだろう。

一方でアメリカ大統領は、全国的な人気投票ではなく、各州ごとに選挙人を選ぶというシステムなので、投票数が直接に反映されない。約40州は基本的にどちらの党か色分けが出来ており、スイングステートと呼ばれる残りの州が明暗を分ける事になる。

そんなスイングステートの中で、現在一番注目を浴びているのはオハイオ州である。今回の大統領選挙はオハイオ州の大統領を選ぶ選挙だと揶揄されている。現在、オバマがややリードしている。

以前からオバマ陣営が不利になりヤケクソにになったら、Nuclear Option (核攻撃)が有るのではないかと言われている。それは、ロムニーのモルモン教信仰への攻撃である。いくら品の無いオバマ陣営もそこまでやるのかと思うが、このままジリジリ支持率が下がると、どうせ負けるのなら、何でもあり状態でと大爆発の可能性は有ると思う。(個人的には、やるには時期を逸してので、逆効果になると思う)

黒人のオバマが大統領で、モルモン教であるロムニーが大統領選をリードしている。アメリカは懐の深い国である。

2012年アメリカ大統領選挙(3): 第二回目の大統領討論会の感想

2012-10-17 09:02:02 | アメリカ政治
引き分けかなー。

タウンホール形式で何も起こらないという予想が多かったが、今までに見たどの大統領討論会より激しい舌戦であった。一方で内容的には新規な事はなかった。

オバマは前回の不出来を意識し失敗できない緊張感からか出だしは非常に固かった。

ロムニーはリビアの件でオバマを追い詰めれるチャンスがあったのに逃したのが悔やまれる。次の討論会ではシャープに攻めるだろう。どのようにオバマが応戦するかが楽しみだ。

オバマは現職大統領としてはちょっと攻撃的過ぎるが、前回に比べてずっと良かった。ロムニーが一歩も引かずに対決する姿に自信があふれてきており、風格が出てきた。

世論調査も拮抗しており、さらに白熱した大統領選になりそうだ。


追記:オバマは相変わらずの嘘つきで、再選されたら何をするか全くアイデアが無い事が一層明らかになった。

リビア問題、クリントン国務長官の妙な発言

2012-10-16 19:50:58 | アメリカ政治
リビアでのアメリカ大使殺害問題は、日に日に奇矯な展開になってきている。

今日、ペルー訪問中のクリントン国務長官が、領事館が襲撃され大使が殺害された事に関して、警備の不備は自分に責任があるとのコメントを出した。確かに各国にあるアメリカ大使館、領事館の警備は、国務省の責任範囲である。だが、アメリカ領事館が襲撃され、大統領任命の大使が殺害されているのに、国務長官が矢面に立つのは無理が有る。

大統領選挙との絡みでみると、ホワイトハウス(オバマ大統領、バイデン副大統領)が不利にならない様にヒラリーが頑張っているとしか思えない。その上、問題を微妙にずらしている。オバマを含めて、テロではなくユーチューブ映像への抗議活動が過熱した結果であるという嘘(これはヒラリーも言っていた)が問題なのだが、大使館警備の不備に焦点をシフトさせている。

この問題はオバマ政権にとって命取りなのだろう。よって、選挙戦を乗り切るまでなんとか時間稼ぎをしたかったのであるが、状況的に無理になってきている。オバマは選挙活動に忙しくて、政権内をまとめる事も出来なくなってきているのではなかろうか。選挙キャンペーンに関わる人々は共通して、ロムニーが政治問題に仕立て上げたと非難しているが、アメリカ領事館が襲撃され、大使が殺されている事への対応が支離滅裂なのが問題でなければ、何が問題というのであろう。

ヒラリーは外遊先で変な発言をする傾向が有る。ホワイトハウスに恩を売りつつ、保身も考えたコメントなのだろうが、次々と新たな事実が発覚している段階では、場違い感さえ有る。

2008年にオバマと民主党大統領候補の座を争った時は、ヒラリーの方がずっと大統領に相応しいと思ったが、2004年での不出馬、2008年予備選での敗北、国務長官としての仕事ぶりを見ていると、大統領の器ではなかったと結論せざるを得ない。

2016年の出馬の噂が絶えないが、本人の気持がどちらに有るにしろ、結局は成れないのだ。


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2012年アメリカ大統領選挙(2): 副大統領候補討論会、バイダンの嘘

2012-10-13 21:23:28 | アメリカ政治
大統領選挙戦で唯一の副大統領候補による討論会で、バイダン副大統領は明らかな嘘をついた。

代表的なのは2つで、リビアのアメリカ大使館殺害に関しての警備強化要請を聞いていなかったという事と、ブッシュ政権が財政の事も考えずにイラク、アフガン戦争始めたので財政が悪化したと共和党を避難した事だ。

イラク、アフガン戦争については、上院議員時代に賛成投票をしているので言語道断である。

さて、リビアのアメリカ大使館殺害関してであるが、討論会の前日連邦下院の公聴会でリビア大使館からの度重なる警備強化(というより、現状維持)要請を国務省が無視していたという証言が出てきている。また、抗議デモの加熱による襲撃という情報も間違いである事が明らかになっている。

リビアの問題に関しては、オバマ大統領、ヒラリー国務長官、ホワイトハウス、ライス国連大使が雁首を揃えて、抗議デモの過熱による襲撃であり計画的なテロではないと嘘を付き続けているので、今後、アメリカのマスコミがまともであれば、大きなスキャンダル、少なくともオバマ政権、そして再選に大打撃を与える事になってゆくだろう。

バイダン副大統領は、ちょっと異常なくらいエネルギッシュであった。傲慢でライアン候補を小馬鹿にした様な薄笑いを常時浮かべており、かなりの視聴者に不快感を与えたと思われる。何かあったらこの人が大統領になるのかと考えると、ゾッとした人は多かったのではないか。

討論内容は、上記の明らかな嘘はあるものの、福祉、税金等では力強い論議を展開していた。政治家生活が長くタフなディベーターであった。一方のライアンは、現職副大統領候補への敬意からやや遠慮気味であった。もう少し攻撃的でも良かった気もする。

但し、討論会直後のいくつかの調査でライアン優勢と出ていたので、第一回大統領候補討論会でオバマの不出来を払拭することは到底叶わなかった。

所詮、副大統領候補による討論会でしかないのだ。だが、バイダンのついた嘘は、あと2回、特に最終回の外交問題の大統領討論会で、オバマが苦労する事になるだろう。

2012年アメリカ大統領選挙(1): 第一回目の大統領討論会の感想

2012-10-04 10:50:14 | アメリカ政治
ロムニーは予想以上に善戦した。特に、税金、財政赤字、Obamacare, Medicaid/Medicare, については、確実にオバマより詳しいという印象を残した。オバマがキャンペーンで繰り返ていている嘘についても、スタートからキチンと一つ一つ丁寧に訂正していた。

一方オバマは、エネルギーが感じられず、新規なアイデアを提示するわけでもなく、ロムニーに対する攻撃も政策案に具体性が無いと繰り返すだけであった。

双方とも失言等はなかったが、ロムニーのビジネスマン、州知事として経験の豊富さを示す討論会であった。

もう何回も言っているのだが、オバマは絶対に大統領という職に飽きている。4年間大統領をやって、自分に資質も経験もないことを思い知ったのだとも思う。(しかし、もう止ーめたといえないのがオバマの辛い所だ)

矛盾するようだが、一方でオバマは、世論調査ではリードをしている事もあり、ミスを犯さなければ勝てるという読みもあるのだろう。元々傲慢なので、準備不足(それは大統領の職を真面目にやっていない事も含めて)を露呈する結果になった。

ロムニーは決定打を打ったわけではないが、選挙戦にも弾みがつくだろう。共和党の大統領が誕生する機運が高まると、次に重要な上院の共和党の過半数についても望みが出てくる。

オバマ陣営は、今回の討論会の不出来で緊張が高まるので、考えられないようなミスをする可能性が高まったと思う。

大統領選まで後一ヶ月、アメリカの政治風景が、はっきり見えてくる事にワクワクしている。


追記 (10-4-12)

オバマの出来が余りに悪かったので、オバマ陣営は討論会直後から奇妙な言い訳をしている、「ロムニーは素晴らしいディベーターで、充分な準備をしていた」と。討論会の出来では劣勢だったが、内容的には負けてないと言いたいらしい。オバマが討論会でも盛んに言っていた様に、ロムニーには具体的な案が無いといいうのが、今後のキャンペーンスローガンの様だ。オバマ陣営は自分の実績を誇れないので、段々苦し紛れになってきた。

あと数時間で初回の大統領選討論会

2012-10-03 18:46:27 | アメリカ政治
さて、あと数時間で、第一回目の大統領候補による討論会が行われる。合計3回予定されており、今回は国内問題(経済が中心になると予想されている)、次回はタウンホール形式で一般市民からの質問に答えるフォーマット、最後は外交問題となっている。 (副大統領候補による討論会は一度だけ、大統領候補討論会の一回目と2回目にスケジュールされている)

世論調査で劣勢に立っているロムニーのパーフォーマンスに注目が集まっている。伸るか反るか、瀬戸際な感じを強調する報道が増えている。一方で、オバマ陣営は静かな構えである。

下馬評としては、ロムニーが大胆な事をしなければ挽回は難しいという見方が、親ロムニー、反ロムニー両サイドから出てきている。一方でオバマサイドは、余裕を見せる形で討論会に掛けてない雰囲気を醸し出している。

ロムニー、オバマとも手練の政治家であるので、決定的な失言をする可能性は低い。

だが、最近オバマは、テレブロンプター(原稿無し)の演説やインタビューでは、結構危なっかしい発言が増えているので、ロムニーなり、(可能性は低いが)インタビュアーの質問の仕方によっては、トンでも発言を可能性は高いような気がする。

現職大統領なのに部外者のような発言も垣間見られるので、無責任さ、使命感の無さをアメリカ市民に見抜かれるかもしれない。

オバマがニューヨークで諸外国の首脳と会わない理由

2012-09-26 00:16:13 | アメリカ政治
今日、オバマ大統領は国連で演説を行った。各国のトップががニューヨークに集まっているのに、誰とも会見が設定されていない。数週間前にイスラエルの首相の会見依頼も断っている。(追記:その役目はヒラリーが甲斐甲斐しくやっている)

オバマの選挙キャンペーンのスタッフが図らずも漏らしたらしいのだが、1人会うと何人にも会わなくてはならないので、事の軽重関係なくアポを入れなかったとのことだ。

その代わりと言っては何だが、ミッシェルと一緒にくだらないテレビ番組に出演していた。

アメリカ大統領は多忙だ。

大統領報道官とオバマ大統領のコメントの食い違い

2012-09-21 05:11:38 | アメリカ政治
9-11 に起きたリビア米国領事館襲撃と大使殺害について、オバマ政権は「イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映像をきっかけとした反米デモの行き過ぎ」とのコメントを出し続けていたが、9月19日の連邦下院公聴会で国務省官僚がアルカイダによる計画的なテロであることを認め、9月20日にはホワイトハウスの大統領報道官もこれまでの見解を覆した。

一方で、大統領報道官がこれまでの認識を翻すコメントを出した後なのに、オバマ大統領はフロリダで選挙キャンペーンのインタビューで、未だに「イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映像をきっかけとした反米デモの行き過ぎで、計画的なテロではない」と答えていた。

ただの間抜けと罵倒するだけでは済まない怪奇なオバマの考え方が如実に出ていて興味深い。

正しい現実認識が出来ない、嘘を付いたら、その嘘を自分の中で人事込んで自分の現実として頭に刷り込まれる、という事である。

アメリカの大使が殺害されるのは25年前のカーター政権以来で(何か暗示するものがあるが)、外交上の一大事である。未だに中東では反米デモが続いており、大統領への毎日のブリーフィングの中で、百歩譲って当初は情報がなかったとしても、現時点では大統領報道官も認める様に計画的テロであったことをオバマは知らされているはずである。それなのに、当初「イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映像をきっかけとした反米デモの行き過ぎ」という認識(というか嘘)で頭が凝り固まっている。

事実が明らかになるにつれ、ホワイトハウスとしても計画的テロという見解に方向修正を行わざるを得なかったのに、肝心のオバマは当初の嘘を信じきったままになっている。

オバマ政権としては、オサマビンラディンを葬ったことでアルカイダ勢力を弱めている事を謳い文句にしているので、計画的テロを起こされて大使を殺害されたのでは面目が立たない。よって、見え透いた嘘で事態を乗り越えようとしたのだと思う。

これだけでも大問題であるのだが、オバマが自分で付いた嘘を真実として思い込んでしまうというのは、もっと重要な意味を持つ。つまり、オバマの語る事全般に信憑性が乏しいという事になる。

今になって自叙伝の嘘などが暴露されているが、オバマは過去に都合良く付いた嘘を、真実だと思い込んでいる可能性は非常に高い。(初めて付く嘘のときは、やや吃る癖があるが、繰り返される嘘はスラスラでる)ある種の精神病を患っていると思う。一般社会ではまず相手にされないタイプの人である。

大統領の務まる様な人物ではない。


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Straw Man, Extremism

2012-09-09 11:54:13 | アメリカ政治
自分の感じたことを文章にするのは難しい。アメリカの政治コラムニストである Peggy Noonan は、自分の頭の中を整理してくれる様に書いてくれる時がある。

先週の民主党大会について WSJ 連載コラムで "The Democrats' Soft Extremism" (9-8-12) と題して総括している。自分が漠然と感じていたことを文章にしてもらった様な感覚であった。

まず、オバマは露出度が多過ぎて、今では退屈でもあるという所から始まる。(その通り)

民主党は現職大統領の実績を誇れないので、自分の描く未来と共和党の描く未来の選択だというテーマを大きく掲げる。そこで登場するのが Straw Man だ。例えば、女性に訴える為に、共和党は中絶を禁止しようとしてるとか、避妊薬を買えない様にするとか、あげくの果てに女性参政権を剥奪しようとしているとか、共和党の誰もそんな事は言っていないのだが、あたかも実在している人物(Straw Man)の発言として取り上げ、反対演説をするのだ。

これは典型的になリベラルの嘘の付き方であるが、党の全国大会で出てくるスピーカー、ハリウッド女優から現職アメリカ大統領まで使うのだから、民主党は完全に Extreme つまり完全に左に振り切っている。( Peggy Noonan は Soft Extremism としているが、Extremism がソフトということは無いと思う)

評判になったクリントンの演説に付いてもさしたる評価はしていないが、Medicaid(低所得者向けの医療福祉制度)を議論のテーブルに上げたことに注目していた。Medicaid 予算の半分以上が高齢者と身体障害者に対して使われている。Medicare(高齢者向け医療保険)は、どちらかというと将来の改革を議論することになるのだが、Medicaid は、手を付けた瞬間に直ぐ影響が出そうなので、共和党も今のところ議論を避けている節がある。

そして、返す刀で、共和党もにた様なもので、政治に携わるプロ(両党の党全国大会を仕切る幹部)が政治を行うことが下手になっていると結んでいる。


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2012-09-06 23:01:22 | アメリカ政治
オバマは4年間で何も変わらなかった。

始終マスコミに出っ放しで、色あせただけだ。最近白髪が目立っていたが、今日は短く刈り上げて、少し染めているようだった。これから散発の回数と染色の手間が増えるだろう。

メッセージは単純だ。"Change" には時間がかかる。"Hope" は国民のみんなから貰っていくものに変質していた。

実績を誇るわけではなく、具体的な将来像を示した訳でもない。これ以上は言葉の無駄遣いだ。