YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

当て逃げ論争からの卒業

2011-02-27 00:48:16 | 新聞、雑誌から
WSJ の週末版に掲載される Peggy Noonan のコラムは毎週楽しみにしておる。保守系と目されているが、バランスが取れていると思う。

さて、今朝は、"The Internet Helps Us Get Serious"というタイトルで、なぜ未だに連邦議員でさえ、財政危機という認識が出来ない人がいる事を解説した上で、もう何十年に渡りキャッチーな発言を取り上げる事の多かったマスコミを批判し、インターネットの普及で、これまで取り上げられる事が少なかったシリアスで内容のあるニュース解説やスピーチ等に、真剣に考える人々が容易にアクセス出来る様になり、キャッチフレーズ等のメッセージの手法ではなく、コンテンツで勝負する時代が来ているとしている。

彼女の体験談として、連邦議員でさえ、財政への危機感が無いというのは驚きであるが、大統領の予算教書や、民主党がやっている事を見ると、さもありなんである。「オオカミ少年」(危機が来る来ると言われているのに、未だに来ない)、「青い鳥」(明日は景気が良くなって税収アップで大丈夫)、「人としての本来の怠慢」(危機が無いと思えば、何もしなくて良し)、そして「楽観主義」で括っている。

ここ20-30年、テレビやラジオではショッキングなコメントや当意即妙な解説だけがもてはやされ、真面目な政治討議は、死に絶えてきている。しかし、編集されたものでは無く、内容全体をインターネットでじっくりと読めたり、観たり、聞けたり出来る様になってきている。政治分野でインターネットの活用と言うと、ファイスブックやツイッターを思い浮かべる人も多いと思うが、細切れでは無く、内容そのものを得れる様になってきている。政治家の考え方、議論の為の情報等、じっくり考える為の材料が提供されているとしている。

この例の1つとして、昨年の中間選挙で、ウインスコンシン州の民主党現職の連邦上院議員を破って当選した Ron Johnson をあげている。彼は成功した実業家であり、立候補する事については考えていたようであるが、2月のリンカーンメモリアルの夕食会(多分、ローカルなイベントだと思われる)で行った、自分の体験に基づくアメリカの現状への危機を訴えるスピーチが、ローカルラジオの政治トークショーで紹介(スピーチ内容全部をホストが朗読した)され、その反応が大きかった為に、立候補を決意して、結果的に当選した。

ラジオ放送は、4月30日。僅か6ヶ月で、期連続当選の現職議員を破っている。

ラジオの紹介記事(音源はこちら

このラジオでの放送を使った中間選挙用のビデオ



ローカルの政治トークショーが発信源である事が素晴らしい。(日本でもラジオ政治トークショーが出来ないものだろうか)

バラマキ予算、薄っぺらな人権問題、いい加減な環境問題の話ではなく、特に財政危機について、普通に暮らしている人々は、自分の子供や孫の世代の事を真剣に考えているのである。シリアスな内容の議論に聞く耳を持っているのである。アメリカでは、昨年の中間選挙の結果、共和党の大勝利が、それを証明している。

日本でも同じ様な事が起きてもよいと思うは、私の高望みなのであろうか?

自分でブログを書く様になって、他のブログをよく読む様になったのだが、野次馬的にわあわあ言っているだけである。(こちらあちらで、いい加減な事を書いてあるのに噛み付く自分も恥ずかしい)勿論、自分自身も同類な訳なで、お恥ずかしい次第であるが、折角、政治の事も書くのであるから、もう少し建設的になろうと思う。少しづつそのような構想を練っていたのだが、このコラムで後押しされた気がする。

誇大妄想の気があるだけに、Unrealistic ではあるのだが、これこそが今年、そして人生の目標である事を再認識した次第である。