暘州通信

日本の山車

●865 岐阜県の公金横領(裏金) 次第に見えてきたもの

2006年10月25日 | 行政・司法問題
●865 岐阜県の公金横領(裏金) 次第に見えてきたもの

□近頃、岐阜県の職員組合組織内にも裏金があったことが指摘されている。
□岐阜県の裏金を遡及してゆく段階で発覚したもののようだ。
□岐阜県は裏金の一部を組合会計に移していたことは既報のとおりだが、大きな疑問があった。というのは、本質的に岐阜県幹部と組合は相互に利害が相反し、対立することが多いからだ。
□いただいたメール(おそらく岐阜県職員?)を重ね合わせ推定すると次のようになる。
□見方を変えて例をあげよう。たとえば会社経営者と労働組合の関係。
□雇用者と労働者の間には賃金交渉やボーナスの支給をめぐって激しいやりとりが繰り返される。
□その闘争は妥結がなければストの行使となって、交通機関がとまったりする。
□利益が落ち込んでくると、企業利益を確保するため労働者側に厳しい要求をおこない、労働者側は生活がかかるだけに必死の攻防となる。
□岐阜県にもどる。
□岐阜県と組合にも当然相反する条件を折り合うため当然対立関係がある。
□ところが梶原拓前岐阜県知事は組合幹部役員らを籠絡し、裏金を渡して妥結をはかる。というとんでもない談合と贈賄・収賄が恒常的に行われていたという。
□しかもその交渉権は、職員の人事権の大部分に委譲があり、職員の立身出世は岐阜県行政ではなく、組合にゆだねられていたという。
□なんのことはない。組合員らの共通利益を守る立場にある組合幹部は、岐阜県と通じて組合員(岐阜県職員)の利益を蝕んでいたのだ。
□当然岐阜県には労働争議は発生せず、裏金で抑えた組合幹部から提出される人事異動要求にしたがって大半の人事が決定していた。
□ここでは職員の有能・無能は無関係で、口が堅く、秘密を守り、上司の言いつけに忠勤をはげむものが出世する。
□岐阜県職員の退廃ぶりは極限まで進行していた。
□行政事務に疎くてもこの出世のルールに乗らなければ脱落する。
□岐阜県の各部署の人員配置には「適材・適所」など無関係だった。このような状態が20年以上も慣行として行われてくると、いつかは不文律の気風が蔓延し、知識不足の職員でも、組合幹部の言うことを聞いておれば係長まではなれた。
□組合幹部には、梶原拓前岐阜県知事から相当の裏金が渡されていた。
□この談合は岐阜県庁の外部で定期的に繰り返され、供応を伴なっていた。
□この席には岐阜県お抱えの弁護士らが招かれることもあったという。
□ありうるはずのない岐阜県の公費の一部は岐阜県と組合との談合により不正に流用されていた。
□その一部が岐阜県警幹部に渡っていたことは言うをまたない。
□かくして消えていった公金はすべて「口伝」であり、いっさいの書証は存在しない。当然使途不明? 帳尻が合わないのはこれも既報のとおり。
□一定期間隠し通せば「時効」として闇からヤミに消えていった。
□このシステムは、かって梶原拓前岐阜県知事と近かった現山県市長、現飛騨市長、現高山市長に伝播し、地方行政でもおなじことが行われているようだ。
□行政担当者は「ある一定の裏金を支給することで、岐阜県から出る人件費は抑制できる」。「職員らの要求を給与やボーナスに反映させれば途方もない金額になる」。「それが数分の一で抑さえられれば岐阜県民にとって決して不利ではない」。
□つまり、「裏金は必要悪であるが、不正ではない」ということが言いたいらしい。
□つまるところ、岐阜県の裏金は古田肇岐阜県知事は知っていたということになる。