藪椿とは,広辞苑によると
「山野に自生する椿,やまつばき」とあります。
ヤブツバキという種類の椿があるわけではないようです。
しかし,斑入りの園芸品種や白い椿が山に自生していても
藪椿とは思えません。
やはり,藪椿といえば野山にある紅い一重の花です。
山や野を歩いていて,
藪の中にこの花を見つけるとなにかうれしい気持ちになります。
この時期,同じツバキ科である山茶花もまだ咲いていて,
椿と山茶花,どちらなのかなかなか見分けるのが難しいようです。
写真,椿のすぐ隣に咲いていたので
これも椿かと思いましたが,山茶花のようです。
椿と山茶花の見分け方として,一番よくわかるのが花の落ち方です。
椿は花が丸ごと落下します。文字通り落花です。
山茶花は花びらが散ります。
また,咲いているときは雄蕊の状態が異なります。
雄蕊が筒状に固まっているのが椿,
雄蕊が広がっているのが山茶花です。
紅花のさびしくありき藪椿