J1リーグ 第22節
鹿島アントラーズ:オズワルド オリヴェイラ 監督
危ないシーンが何度かあり、そこで失点をしていたら違う内容や結果になっていた。前半だけ見れば、広島が勝ってもおかしくない内容だった。今回は、連戦ということもあり、選手たちの疲労を考えて戦術を変えた。むやみに仕掛けて相手にスペースを与え、やりたいことをさせてしまったら、苦しむことになる。我々は頭を使って、消耗度を考えてやらなければならなかった。今日は、中2日の調整やそういったことが、いろいろな部分で上手くいったと思う。
【興梠 慎三】
(2点目のシーンで)逆に出そうとしたらタクさんがいい感じで走り込んでいたので良かった。セットプレーもウチの攻撃の形。今までが悪かったので、これを持続して、自分のコンディションも上げていきたい。
みんな最初よりうまくなってるし、1人ひとりが動けている。今日は広島のパス回しがうまかったので手こずったが、2点目が取れて良かった。
【小笠原 満男】
すっきり勝ちたかった。今日は相手のスタイルもあったけど、前から行き過ぎて中盤やDFラインの背後を使われないように意識した。ボランチが出ていかないやり方が良かった。みんな、よくがんばったと思う。
【大迫 勇也】
タフなゲームだった。結構、守備に追われて後手になっていたので、もっと仕掛けたかった。(2点目のシーンで)タクさんは見えていたけど、誰もいない方にトラップしようと思ったら、いいタイミングで走り込んできてくれたので良かった。今は周りに助けられている。もっとゴールに向かって仕掛けていきたい。今日は勝つことが一番だった。次は相手も同じ条件なので、内容も求めていきたい。
【西 大伍】
チームの意識として、それぞれが信頼しあって自分の役割を果たすことができている。個人的にも守備に関して慣れてきた。自信を持ってやれているのもあると思う。
【増田 誓志】
前半はやはり相手に勢いがあった。こっちの疲れた状態を見込んで、前半に決めようとしてきたのだと思う。初めの15分は僕らも対応出来なくてバタバタしたけど、前半は0-0でと割り切って相手に回させたのが結果的に良かったと思う。
【中田 浩二】
(後半34分のピンチの場面で)最後の30mを真っ先に走って帰っただけ。ボールも見えていたし、いい角度で入れた。今日は連戦で中2日だったけど、全体的に集中して守れていた。大迫や遠藤も前でがんばってくれていたし、中盤も運動量が多かった。今まで不甲斐ない試合が続いていて、みんなこれからという気持ちが強い。1つひとつ勝っていこうという気持ちが形になったのではと思う。
2011年08月20日(土)
本日行われたJ1第22節広島戦は、2-0で勝利しました。
【J1:第22節 鹿島 vs 広島】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(11.08.20)
8月20日(土) 2011 J1リーグ戦 第22節
鹿島 2 - 0 広島 (18:33/カシマ/16,237人)
得点者:65' 岩政大樹(鹿島)、87' 野沢拓也(鹿島)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:試合全体の感想と、ミスが減ってきているということへの評価をお願いします。
「逆に、僕は今日の試合の方がミスの回数が多かったと思います。まず、入り方が悪かったし、前半の特に立ち上がりの対応は、どちらかというと運が味方してくれた部分もありました。2回の危ない場面が入っていれば、違う内容、あるいは結果まで変わってくるような部分がありました。やってはいけないミスがあったと思います。前半だけの内容であれば、サンフレッチェが勝ってもおかしくない内容にあったとは言えると思います。ただ、我々も10試合くらい相手よりも圧倒して、チャンスをつくり、不用意なミスから同点を追い付かれたり、あるいは逆転されたり、サッカーというのはそれが付きものです。選手たちが疲労が溜まっている状況のなかで、自分が持っている以上のものを、運動量を含めてやり続けることができたとは思いますし、そうした意味で選手たちには感謝しなければいけないと思っております」
Q:立ち上がり、広島に対して前からプレッシングに行って裏を取られる場面が多かったと思いますが、その後からはハーフラインまである程度引いて、ディフェンスラインをコントロールしているように見えた。そのあたりはオリヴェイラ監督が修正したのでしょうか?
「当然ながら、1週間の空きがあってサンフレッチェと対戦するときは前からプレッシャーに行くやり方も使えるんですけど、連戦や疲労を考えたときにやり方を変えなくてはいけませんでした。選手たちにはオープンに、現実的な話をしなければいけませんでした、今日は違う戦法で戦いに行くと。特にサンフレッチェは頭を使いながらボールを回してくるわけであって、キープ力のある選手もいますし、むやみに仕掛けてスペースを与えてしまって相手のやりたいサッカーにもっていかれたら、あるいはそういう状況にしてしまったら、自分たちが90分苦しむ形になります。ですので頭を使いながら、体力の消耗度を考えて、やり方を変える選択をせざるを得ませんでした。水曜から土曜までの間、練習もほとんどまったくやっていませんし、あくまでも回復させることに徹してもらったわけで、まず動けなければ戦法やプラン云々よりも、動ける体にみんなでしようと取り組んだ成果があったと思います。それがしっかりできたなかで、もう少し出さないといけないプラスαのところで必死さや貪欲さが出てくるわけです。動けないなかで、プラスαを出せと言われてもなかなか出来ない。そう言った成果がいろんなところで功を奏した部分があったのではないかと思います」
Q:フェリペ・ガブリエル選手の怪我の状態を教えて下さい。
「ちょっとまだ先生と話しをしていないので、この会見が終わった後に聞いてみたいと思います」
Q:今日は1試合を通じて中田浩二選手が、佐藤寿人選手の裏への飛び出しの駆け引きを含めてうまくコントロールしていたと思いますが、彼の評価をお願いします。
「今季、一番最大の発見ではないかと思います。もともとボランチをやっていたので後ろの組み立てもできますし、視野の広さや技術も発揮できる状態でもあるし、また後ろの選手としてチームメイトに安心感をもたらしてくれます。ディフェンスの選手が慌ててしまうタイプで、周りが失点してはいけないという緊張感でやっているなかでオドオドしてしまえば、余計な緊迫感やそういった状況をもたらしますし、それはチームにとっては苦しいことです。ただ、彼は周りを安心させる力もありますし、非常に高い評価をしております。我々にとっては今季最大の発見と言いたいくらいです」
以上
【J1:第22節 鹿島 vs 広島】試合終了後の各選手コメント(11.08.20)
●興梠慎三選手(鹿島):
「いままでが悪かった。いまは良い形でやれている。それを持続していきたい。個人のレベルも、コンディションも上げていかないと。まだ内転筋のほうが痛いので完璧じゃないです。サコ(大迫)にしろみんなにしろ、最初のころより全然うまくなってる(笑)。一人ひとり動けてるし。広島はパス回しがうまいし、手こずったけど、青山さんをケアした。フェリペがサイドに行っちゃうから、とりあえずそれをサコに伝えた」
●小笠原満男選手(鹿島):
「今日は相手のスタイルもあったけど、あまり前から行かず中盤から焦れないでと思っていた。みんなよく頑張ったと思います」
●大迫勇也選手(鹿島):
「今日はタフなゲームでした。立ち上がり、俺とフェリペで中央を締めようとしたんだけどフェリペがサイドに下がってしまう。(興梠)慎三さんが入ってからは、広島は形がつくれなかったと思います。でも、今日は自分たちの出だしが遅かったと思う。もっと動かないといけないと思いました。あとはもうちょっと仕掛けたかったです。守備に追われて、もうちょっと行きたかった。
勝つしかないですね。今日は中2日ということもあって勝つだけだった。次は中3日で相手も同じなので、内容と結果を求めたい。今日は守備を結構がんばりました。自分でもそう思います」
●アレックス選手(鹿島):
「ミキッチのところを守るように、そこだけ言われました。後は寿人も狙ってくるので、その2つ。カウンターには行かなくていいって」
●新井場徹選手(鹿島):
「(Q:ミキッチ選手のところをうまく守ったのでは?)
中盤の選手もうまくもらいに来てくれたし、最後の部分では体を張ってくれた。助かりました。
(Q:守備がはまっていたが?)
向こうも焦れてきたところもあるし、うちも対応に慣れてきたところもあってうまくいった。2つとも良い時間帯で点が取れたし、チームとして勝つという気持ちが出た試合だった。
(Q:これで5連勝だが?)
連勝が目標じゃない。最後、どうなるかわからないけど、目の前の1試合を勝とうと。うまくいかないときは理由は1個じゃない。いまはチームの良い流れが来ていると思う。そのためには勝っていくのが大事だけど、継続するのが一番難しい」
●岩政大樹選手(鹿島):
「欲しいところにボールをくれた。これ以上ないボールでした。
(Q:久々のゴールだが?)
久々ってTVのインタビューでも言われた。センターバックに久々もなにもないでしょ。年間1点で終わる人もいるし。でも、そう言われるのは嫌じゃないですけど(笑)。
広島のサッカーは、やってることはすごくシンプルで、それを掴みきれないポジショニングや動きをする。それを把握するのに時間がかかった。ただ、そこで失点しない流れがいまはある。
今日に関しては、僕が肉離れをしていて、内転をちょっと痛めていたのですが、他の選手が僕にパスを回さないという命題がありました。インサイドも蹴れなかったので蹴るにしても左足だったのですが、ほとんど出さないようにしてくれた。うちの選手はさすがだな、と(笑)」
[ J1:第22節 鹿島 vs 広島 ]
中田浩二(写真)は試合中に頭部を負傷したものの最後までプレー。最後尾からチームを鼓舞し続けチームの勝利を呼び込んだ。
[ J1:第22節 鹿島 vs 広島 ]
2-0で広島を退けた鹿島はこれで5連勝。順位も5位に浮上させた。
写真は試合後、この日の殊勲者岩政大樹と言葉を交わすオリヴェイラ監督(鹿島)。
[ J1:第22節 鹿島 vs 広島 ] WOWプレーヤーズアワード
本日の試合で決勝点をあげた岩政大樹選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。
中田コのCBを今季最大の発見と賞賛するオリヴェイラ監督である。
この試合に限れば、先制点を奪い完封に貢献した岩政や1G1Aの野沢に注目が集まるところである。
しかしながら、今季の守備を引き締めておるのは中田コと言えよう。
広島戦だけでも、佐藤寿人の突破を後ろからノーファールでクリアしたシーンは代表的なところであるが、そこ以外にも随所随所で相手の攻撃を摘んでおった。
素晴らしい選手である。
岩政とのコンビはJリーグ随一ではなかろうか。
安定した守備で、更なる上を目指したい。
楽しみである。