鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

逆転の布石

2011年08月21日 | Weblog
【後藤健生コラム】アントラーズに火をつけたC大阪の先制ゴール
3月の震災以来初めてカシマ・スタジアムに行ってきた。第9節の延期分、鹿島アントラーズ対セレッソ大阪の試合である。震災で被災したスタジアムは、外見的にはすっかり元通りに戻っていた。大きな違いは、屋根に取り付けられていた照明が落下したため、上段スタンドのコーナー付近に照明が取り付けられていること。カシマ・スタジアムの記者席はスタンドの最上段の高いところにあるので、自分の目の高さよりも下に照明が設置されているということになる。このスタジアムは、照明が屋根に付いていたときでも、視線と同じくらいの高さだったのでかなり眩しかった。それよりも下に照明があるというので、「それで眩しくないのか?」と思っていたが、存外眩しくは感じなかった。照明は下に向けられているからだろう。もっとも、選手の立場から見ると、照明の位置が多少低くなった分、眩しいようだ。

慣れていないセレッソ大阪の選手は、時折、ボールが照明に入って眩しそうにしていた。茨城県ではまだまだ余震も多発しており、試合当日朝にも震度4を感じる大きな余震があったし、試合終了直前にもスタンドが揺れた。それでも、スタジアムも元に戻り、そして、低迷していたアントラーズも3連勝と強さが復活して向かえたC大阪戦だった。

前半のアントラーズは、良い意味でも、悪い意味でも、いつものアントラーズに戻っていた。「良い意味」というのは、ボールを丁寧に扱うところである。しっかりとキープして、けっして焦ることなくつなぐ。暑いコンディションを考えても合理的な試合の進め方である。C大阪の方もボールを丁寧につなぐチームだから、前半はともにパスが回る試合だった。

面白かったのは、トップの選手が次々と離脱したアントラーズで、本来はMF(サイドアタッカー)のフェリペガブリエルが大迫勇也と組んでトップでプレーしていたこと。もともとがMFだから、トップに張らずにポジションを動かし、パス回しに参加する。左サイドの野沢拓也とポジションを入れ替える動きなども有効で(C大阪のレビー・クルピ監督好みのプレーでもある)、25分にフェリペガブリエルが左のサイドに開き、野沢がその開いたスペースに走りこんだ場面は大きなチャンスだったが、その動きを狙った小笠原満男のパスは珍しく流れてゴールラインを割ってしまった。

また、フェリペガブリエルと組んだ大迫も、前半からいい働きをしていた。大迫は、後半、すばらしいミドル・シュートで同点ゴールを突き刺して注目されたのだが、前半からトップでしっかりボールを収め、大きなフェイントで相手DFをはずしてシュートまで持ち込む動きがじつにスムースだった。選手によって、突然、何かの拍子に大きく、飛躍的に成長するタイプと、着実に、徐々に成長を続ける選手がいる。どうやら大迫は後者のタイプのようで、見るたびに少しずつプレーの幅が大きくなってきている。鹿島をよく見ている同僚の話では、「U-22代表に呼ばれたことも刺激になっているのでは」ということだったが、U-22代表のためにも大迫の成長は喜ばしいことだ。

閑話休題。「良い意味」でのアントラーズらしさが見えた前半だったが、同時に「悪い意味」でのアントラーズらしさも見えていた。つまり、ボールは持っているのだけれど、強引にしかける場面が少なすぎるのだ。せっかく相手のDFをうまくはずして、突破できる場面を作ったのに、安全第一で後方に戻してしまう場面が目に付いた。もっとも、これはC大阪の方も同じで、こちらも、しっかりキープして、ボランチの中後雅喜や扇原貴宏(リーグ初スタメン)からキム・ボギョンや清武弘嗣へつなげて良い形は作るのだが、決定力には欠けた。

そんな膠着状態に変化を与えたのが、38分の茂庭照幸の一発退場だった。ロングボールを受けた大迫に入れ替わられ、スピードで置いていかれた茂庭が追いかけて、ペナルティーエリア前で後ろからタックル。得点機会の阻止と併せての退場だった。この日の主審の広瀬格氏はファウルの判定が厳しすぎる傾向があったが、この退場の判定は正当なもの。そして、この退場の判定が膠着状態を崩してゲームを動かしたのだから、ゲームの演出としても絶好の判定だった!

さて、1人多くなったアントラーズとしては、どうしても勝点3を取らなければいけないゲームとなった。首位の名古屋グランパスとは勝点で14もの差がある9位。これから逆転優勝を狙う立場のチームとしては、勝点1を積み上げていても意味はない。勝点3を奪うために、後半、どこまで無理をして仕掛けられるか……と注目していたら、ゲームはさらに動いてしまう。

なんと、1人少ないC大阪が先制したのである。

52分、カウンターの場面である。中盤で選手がちょっともつれて、この日の判定基準からするとFKになるかと思われたが、そのままプレーオン。これで、集中が欠けたのか、C大阪が左サイドに展開し、清武のクロスに中央で小松塁とキム・ボギョンが絡んで、あっさりとC大阪が先制したのだ。そして、「1人少ない相手に先制された」という状況で、さすがの鹿島アントラーズにも火がついたのだ。

先制ゴールからわずか4分で、大迫が左から右へと大きく切り替えし、20メートル以上の距離から右足でゴール左上に突き刺す豪快なシュートを決めて同点とすると、オズワルド・オリヴェイラ監督も、興梠慎三、田代有三とFWを2人投入して攻めに入る。そして、選手たちにも、いつもは足りない「強引さ」のようなものが見られた。74分には前線で激しいプレッシャーをかけて、キム・ボギョンのミスを誘い、増田がカットしてチャンスを作り、大迫からのリターンを受けた増田がフリーになって決めて逆転に成功した(逆転した後すぐに大迫を退けて、青木剛を入れて守りに入るあたりは、あの監督らしかった)。

しっかりボールはつながるが、強引に決めきれないいつものアントラーズだった前半。「これでは、逆転優勝は難しいか」と思っていたら、茂庭の退場とC大阪の先制ゴールがアントラーズに火をつけた。もし、今シーズン鹿島アントラーズの逆転優勝があるとしたら、このC大阪戦は大きな転機となった試合として記憶されるはずだ。

後藤 健生 08月18日14:54

後藤氏によるセレッソ戦のコラムである。
鹿島の強さが詰め込まれたこの試合を観戦し、逆転優勝の目を感じておる様子。
我等は後藤氏に言われなくとも信じておる。
今季の最後に笑顔を以って終わりたい。
楽しみにしておる。

攻守のトレーニング

2011年08月21日 | Weblog
2011年08月21日(日)

広島戦にスタメン出場した選手たちは、ランニングや室内練習など、リカバリートレーニングを実施しました。その他のメンバーは、攻守のトレーニングを行っています。

攻守トレーニングを行う田代である。
ベンチ入りこそしておるものの出場機会は少ない。
やはり、まだ痛みがあるのであろうか。
完全なる状態に戻れば得点を量産する能力があるだけに期待が高まる。
この過密日程に於いて田代の活躍は必須と言えよう。
甲府戦、福岡戦で出場しゴールを記録して欲しいところ。
期待しておる。

広島戦レポート

2011年08月21日 | Weblog
【J1:第22節 鹿島 vs 広島】レポート:鹿島、会心の試合で5連勝。中二日の厳しいコンディションのなか広島を術中にはめ、連勝を伸ばす!(11.08.21)
8月20日(土) 2011 J1リーグ戦 第22節
鹿島 2 - 0 広島 (18:33/カシマ/16,237人)
得点者:65' 岩政大樹(鹿島)、87' 野沢拓也(鹿島)


中二日という厳しいコンディションで鹿島の疲労感は否めなかった。しかも相手は1週間の間隔が空いておりコンディション的には万全。試合前から条件が異なる難しい試合だったにも関わらず、選手たちは監督の提示したゲームプランを見事に完遂。会心のゲームで5連勝を飾った。

とはいえ、90分間プラン通りに試合が推移したわけではない。序盤は互いに攻め合う内容で、特に広島は高萩洋次郎、ミキッチが続けざまにシュートをバーに直撃させるなど、得点チャンスを迎えていた。さらに、広島に得点機があったことが影響してか、鹿島の選手たちはボールが欲しいあまり、無理に前からボールを追いかけて逆に相手にスペースを与えてしまう。「前半の特に立ち上がりの対応は、どちらかというと運が味方してくれた部分もあった」と、オリヴェイラ監督も悲観する内容。「前半だけの内容であれば、サンフレッチェが勝ってもおかしくない内容」と続けるほどだった。

しかし、前半30分にフェリペ ガブリエルがアクシデントで負傷退場。代わりに興梠慎三が入ったことでうまく守備バランスが整う。
「青山さんをケアした。前半、見ていたらフェリペがサイドにいっちゃうから守備がうまくいってなかった。広島はボランチから展開してくるので、ボランチに(パスが)入ったところで挟みに行くことをとりあえずサコ(大迫勇也)に伝えた」
この守備の見直しにより、広島がボールを保持するものの、最終ラインでのパスまわしが多くなり、なかなか2シャドーに楔のパスが入らなくなる。相手のDFラインの裏に抜け出す佐藤寿人へのパスは、最終ラインから狙わざるを得ないため、なかなか距離感が合わない。いつしか右サイドのミキッチ一辺倒の攻撃となってしまった。突破力のあるミキッチだが、コースを限定すればそこまで怖くはない。何度もゴール前にクロスが送られるものの、そこに待ちかまえているのはいつも紅いユニホームの選手たちだった。

ところが、鹿島も攻め手がない。ボールを奪っても動き出しは遅く、サイドで起点をつくっても相手はすでにゴール前を固めており、チャンスらしいチャンスは数えるほどしか作れない。守備のプランは揺るぎなかったが、攻撃にはもう一つアクセントが必要かと思われた。

しかし、膠着した試合を戦いながら、得点機が作れないことに焦れるのではなく、逆に虎視眈々と機会を狙えるのが鹿島の選手たち。65分、裏に抜けだした興梠がゴール右横でファウルを受ける。スタジアムが騒然とするなかで、集中力を研ぎ澄ませていたのは岩政大樹。「来る、と思っても来ないときもあるから半々なんだけどね」と謙遜したが、チャンスを見逃さないところはさすが。野沢拓也が蹴ったフリーキックがゴール前に飛ぶと、見事にマークを外し、強烈なヘディングシュートを叩き込み、貴重な先制点をもたらした。

さらに87分には、左コーナーでボールキープするかと見せかけた興梠が、ゴール前に飛び込んできた大迫へグラウンダーのクロスを送る。それをトラップしたところに走り込んできたのが野沢。キーパーの手の届かないコースへコントロールされたシュートがファーサイドへ突き刺さり、ダメ押しの2点目となった。

「サンフレッチェのサイドとしては素晴らしいゲームが出来た」
そう言ったあと、肩を落としたペトロヴィッチ監督。
「いいゲームだったとは思うが、私自身、選手にどうやったらゴールが出来るかということを教える能力がないのかもしれない」
チャンスはつくったがゴールは遠く、悔しさの残る敗戦となった。水本裕貴がまずまずのパフォーマンスを見せたことは朗報だが、森崎和幸が腰を痛めて前半で退いてしまい今後に不安を残す。熱を出してこの日の出場を回避した李忠成を含め、なかなかメンバーが揃わないもどかしさが募る。次の浦和戦で巻き返しを図りたいところだ。

鹿島は広島と順位を入れ替え、5位へ浮上。5連勝で、連勝前は18あった首位との勝点差も10にまで一気に縮めた。残り試合数は12と少なくなっているが、鹿島の猛追がリーグ戦を熱くすることは間違いない。1つ1つの試合を大事に戦うことを自分に言い聞かせるようにしている選手たちの様子が印象的だった。


以上
2011.08.21 Reported by 田中滋


結果的にはガブさんの負傷退場がターニングポイントとなった。
これも勝負のアヤである。
前半の不調時もアヤが噛み合わず、勝利が遠のいておった。
今は相手のシュートがポストに当たるなど、若干幸運もある。
とはいえ、五連勝は運だけで出来るものではない。
綿密なプランと、それを行使するクオリティがあってこそである。
この勢いを続け、奇跡を引き起こしたい。
楽しみである。

ヒゲくん、今季絶望

2011年08月21日 | Weblog
鹿島本田が今季絶望 足首手術
 鹿島は20日、MF本田拓也(26)がこの日、都内で右足首の手術を受け、全治4~5カ月と診断されたことを発表した。今季中の復帰は絶望となった。本田は3月下旬の代表合宿中に負傷。当初は捻挫と診断されたが完治せず、復帰と離脱を繰り返していた。

 「練習しながら治したい」と痛みを抱えながらトレーニングを積む時期もあった。だが、捻挫による合併傷害の1つで、一部軟骨がかけてはがれる右距骨(きょこつ)軟骨損傷と診断され、手術に踏み切った。本田は今季リーグ戦は途中出場の3試合にとどまっていた。

 [2011年8月21日8時34分 紙面から]

ヒゲくんの手術を報じるニッカンである。
今季絶望も、完治して実力を発揮するのであれば問題は少なかろう。
今季のボランチは誓志に目処が立ち、若返った。
攻撃力と運動量を兼ね備えた誓志の相棒として来季以降にヒゲくんが定着することとなれば、世代交代という意味でもヒゲくんには期待である。
来季の補強・第一弾はヒゲくんと捉えたい。
来年が楽しみである。

広島戦報道

2011年08月21日 | Weblog
【鹿島】被災少年に贈る小笠原白星/J1
<J1:鹿島2-0広島>◇第22節◇20日◇カシマ

 鹿島MF小笠原満男(32)が東日本大震災で被災した福島県のサッカー少年に勝利を届けた。この日、震災に見舞われた東北地方の復興支援を目指す「東北人魂を持つJ選手の会(略称・東北人魂)」が企画し、植田サッカースポーツ少年団、植田中サッカー部(以上、福島・いわき市)、富岡町サッカースポーツ少年団(同・富岡町)、楢葉町サッカースポーツ少年団(同・楢葉町)の123人を観戦招待。攻守にアグレッシブに動き回り、チームを5連勝に導いた。同会発起人の小笠原は「福島第1原発事故による放射能の影響で、長袖を着ているため、夏なのに子どもたちの腕の色が白いんですよ。本当に大変な環境で暮らしている。彼らがサッカーを見て楽しんでくれたら本望」と話した。
 [2011年8月20日22時55分]

鹿島・中田、流血なんの!09年以来5連勝
2011.8.21 05:00

 J1第22節(20日、鹿島2-0広島、カシマ)02年日韓W杯で松田さんと『フラット3』を組んだ鹿島のDF中田は、血染めタックルで窮地を救った。後半開始直後に左まぶたを切り、テープで止血しながら同34分、DF裏に抜け出した広島FW佐藤を約30メートルダッシュして止めた。「前半戦はふがいない試合が続いていたが、これからという気持ちは強い」と中田。3連覇を達成した09年終盤以来の5連勝で、逆転Vも視野に入ってきた。
(紙面から)


鹿島-広島 後半、先制のヘディングシュートを決める鹿島・岩政(左手前)=カシマ


鹿島-広島 前半、競り合う広島・佐藤(右)と鹿島・岩政=カシマ


鹿島-広島 前半、競り合う鹿島・大迫(右)と広島・水本=カシマ


鹿島-広島 前半、攻め込む広島・佐藤(右)と防ぐ鹿島GK・曽ケ端=カシマ


鹿島5連勝で5位浮上!大逆転Vあきらめない
J1第22節 鹿島2―0広島 (8月20日 カシマ)


<鹿島・広島>岩政(左)に深々とお辞儀をするオリヴェイラ監督
Photo By スポニチ


 鹿島はC大阪戦から中2日も何のその、09年以来2季ぶりの5連勝で5位に浮上した。後半20分に岩政がヘッドで先制。後半42分には野沢が右足で決めた。

 中田は左目上を4針縫う裂傷を負いながら、フル出場で完封に貢献。苦手の広島から09年3月22日の対戦以来、5試合ぶりの白星を挙げた。一時は16位に沈んだが、首位G大阪との勝ち点差は10。07年には勝ち点11差をひっくり返して優勝しており、岩政は「5位とか5連勝で浮かれるチームではない」と大逆転Vに照準を定めた。
[ 2011年8月21日 06:00 ]

今季初の5連勝!岩政が決勝ヘディング弾…鹿島

後半20分、先制のヘディングシュートを決める鹿島・岩政(左)

 ◆J1第22節 鹿島2―0広島(20日・カシマ) 手負いのDF岩政が決勝ヘッドで鹿島を今季初の5連勝に導いた。お互いに決定機を生かせないまま迎えた後半20分。右サイドのセットプレーから頭でゴール右に突き刺した。「ボールが完璧だったから、あとはコースを狙うだけだった。相手のマークはマンツーマンで、1対1の状態であれば、こっちのやり方はいくらでもある」。笑みから満足感がこぼれた。

 中2日の鹿島に対し、広島は中6日での試合。コンディションに差があったが、DF中田が左目上を4針縫う裂傷を負いながらも鬼気迫る守備を見せれば、MF小笠原も中2日をものともしない運動量で走り回った。岩政が右内転筋に軽度の肉離れを負い、チームとして「岩政にパスを出さない。負担をかけない」と出陣した一戦。仲間のフォローに岩政が一発で応えた。鹿島が好循環で回り始めた。
(2011年8月21日06時01分 スポーツ報知)

鹿島5連勝5位浮上

【写真説明】
鹿島-広島 後半42分、追加点を挙げ喜ぶ鹿島・野沢(中央)、大迫、増田ら=カシマスタジアム、撮影・武井浩一


サッカーJ1の鹿島は20日、カシマスタジアムで広島と対戦。2-0で勝ち、5連勝と連勝記録を伸ばした。鹿島の通算成績は10勝4分け8敗、勝ち点34。広島を抜いて5位に浮上した。

鹿島は前半を0-0で折り返し、後半に2得点を挙げて快勝。20分、野沢のフリーキックを岩政が頭で合わせて先制。

42分には興梠の左クロスを大迫が落とし、最後は野沢がゴールを決めた。


怒涛の五連勝はニュースである。
逆転優勝も視野に入ってきたと報じられておる。
その中心となるのは守備を司る中田コと岩政となろう。
層の薄いCBとして、残り試合もフル出場してチームを牽引して欲しい。
期待しておる。

広島戦コメント

2011年08月21日 | Weblog
J1リーグ 第22節


鹿島アントラーズ:オズワルド オリヴェイラ 監督
危ないシーンが何度かあり、そこで失点をしていたら違う内容や結果になっていた。前半だけ見れば、広島が勝ってもおかしくない内容だった。今回は、連戦ということもあり、選手たちの疲労を考えて戦術を変えた。むやみに仕掛けて相手にスペースを与え、やりたいことをさせてしまったら、苦しむことになる。我々は頭を使って、消耗度を考えてやらなければならなかった。今日は、中2日の調整やそういったことが、いろいろな部分で上手くいったと思う。

【興梠 慎三】
(2点目のシーンで)逆に出そうとしたらタクさんがいい感じで走り込んでいたので良かった。セットプレーもウチの攻撃の形。今までが悪かったので、これを持続して、自分のコンディションも上げていきたい。
みんな最初よりうまくなってるし、1人ひとりが動けている。今日は広島のパス回しがうまかったので手こずったが、2点目が取れて良かった。

【小笠原 満男】
すっきり勝ちたかった。今日は相手のスタイルもあったけど、前から行き過ぎて中盤やDFラインの背後を使われないように意識した。ボランチが出ていかないやり方が良かった。みんな、よくがんばったと思う。

【大迫 勇也】
タフなゲームだった。結構、守備に追われて後手になっていたので、もっと仕掛けたかった。(2点目のシーンで)タクさんは見えていたけど、誰もいない方にトラップしようと思ったら、いいタイミングで走り込んできてくれたので良かった。今は周りに助けられている。もっとゴールに向かって仕掛けていきたい。今日は勝つことが一番だった。次は相手も同じ条件なので、内容も求めていきたい。

【西 大伍】
チームの意識として、それぞれが信頼しあって自分の役割を果たすことができている。個人的にも守備に関して慣れてきた。自信を持ってやれているのもあると思う。

【増田 誓志】
前半はやはり相手に勢いがあった。こっちの疲れた状態を見込んで、前半に決めようとしてきたのだと思う。初めの15分は僕らも対応出来なくてバタバタしたけど、前半は0-0でと割り切って相手に回させたのが結果的に良かったと思う。

【中田 浩二】
(後半34分のピンチの場面で)最後の30mを真っ先に走って帰っただけ。ボールも見えていたし、いい角度で入れた。今日は連戦で中2日だったけど、全体的に集中して守れていた。大迫や遠藤も前でがんばってくれていたし、中盤も運動量が多かった。今まで不甲斐ない試合が続いていて、みんなこれからという気持ちが強い。1つひとつ勝っていこうという気持ちが形になったのではと思う。


2011年08月20日(土)

本日行われたJ1第22節広島戦は、2-0で勝利しました。

【J1:第22節 鹿島 vs 広島】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(11.08.20)
8月20日(土) 2011 J1リーグ戦 第22節
鹿島 2 - 0 広島 (18:33/カシマ/16,237人)
得点者:65' 岩政大樹(鹿島)、87' 野沢拓也(鹿島)


●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):

Q:試合全体の感想と、ミスが減ってきているということへの評価をお願いします。
「逆に、僕は今日の試合の方がミスの回数が多かったと思います。まず、入り方が悪かったし、前半の特に立ち上がりの対応は、どちらかというと運が味方してくれた部分もありました。2回の危ない場面が入っていれば、違う内容、あるいは結果まで変わってくるような部分がありました。やってはいけないミスがあったと思います。前半だけの内容であれば、サンフレッチェが勝ってもおかしくない内容にあったとは言えると思います。ただ、我々も10試合くらい相手よりも圧倒して、チャンスをつくり、不用意なミスから同点を追い付かれたり、あるいは逆転されたり、サッカーというのはそれが付きものです。選手たちが疲労が溜まっている状況のなかで、自分が持っている以上のものを、運動量を含めてやり続けることができたとは思いますし、そうした意味で選手たちには感謝しなければいけないと思っております」

Q:立ち上がり、広島に対して前からプレッシングに行って裏を取られる場面が多かったと思いますが、その後からはハーフラインまである程度引いて、ディフェンスラインをコントロールしているように見えた。そのあたりはオリヴェイラ監督が修正したのでしょうか?
「当然ながら、1週間の空きがあってサンフレッチェと対戦するときは前からプレッシャーに行くやり方も使えるんですけど、連戦や疲労を考えたときにやり方を変えなくてはいけませんでした。選手たちにはオープンに、現実的な話をしなければいけませんでした、今日は違う戦法で戦いに行くと。特にサンフレッチェは頭を使いながらボールを回してくるわけであって、キープ力のある選手もいますし、むやみに仕掛けてスペースを与えてしまって相手のやりたいサッカーにもっていかれたら、あるいはそういう状況にしてしまったら、自分たちが90分苦しむ形になります。ですので頭を使いながら、体力の消耗度を考えて、やり方を変える選択をせざるを得ませんでした。水曜から土曜までの間、練習もほとんどまったくやっていませんし、あくまでも回復させることに徹してもらったわけで、まず動けなければ戦法やプラン云々よりも、動ける体にみんなでしようと取り組んだ成果があったと思います。それがしっかりできたなかで、もう少し出さないといけないプラスαのところで必死さや貪欲さが出てくるわけです。動けないなかで、プラスαを出せと言われてもなかなか出来ない。そう言った成果がいろんなところで功を奏した部分があったのではないかと思います」

Q:フェリペ・ガブリエル選手の怪我の状態を教えて下さい。
「ちょっとまだ先生と話しをしていないので、この会見が終わった後に聞いてみたいと思います」

Q:今日は1試合を通じて中田浩二選手が、佐藤寿人選手の裏への飛び出しの駆け引きを含めてうまくコントロールしていたと思いますが、彼の評価をお願いします。
「今季、一番最大の発見ではないかと思います。もともとボランチをやっていたので後ろの組み立てもできますし、視野の広さや技術も発揮できる状態でもあるし、また後ろの選手としてチームメイトに安心感をもたらしてくれます。ディフェンスの選手が慌ててしまうタイプで、周りが失点してはいけないという緊張感でやっているなかでオドオドしてしまえば、余計な緊迫感やそういった状況をもたらしますし、それはチームにとっては苦しいことです。ただ、彼は周りを安心させる力もありますし、非常に高い評価をしております。我々にとっては今季最大の発見と言いたいくらいです」


以上

【J1:第22節 鹿島 vs 広島】試合終了後の各選手コメント(11.08.20)
●興梠慎三選手(鹿島):
「いままでが悪かった。いまは良い形でやれている。それを持続していきたい。個人のレベルも、コンディションも上げていかないと。まだ内転筋のほうが痛いので完璧じゃないです。サコ(大迫)にしろみんなにしろ、最初のころより全然うまくなってる(笑)。一人ひとり動けてるし。広島はパス回しがうまいし、手こずったけど、青山さんをケアした。フェリペがサイドに行っちゃうから、とりあえずそれをサコに伝えた」

●小笠原満男選手(鹿島):
「今日は相手のスタイルもあったけど、あまり前から行かず中盤から焦れないでと思っていた。みんなよく頑張ったと思います」

●大迫勇也選手(鹿島):
「今日はタフなゲームでした。立ち上がり、俺とフェリペで中央を締めようとしたんだけどフェリペがサイドに下がってしまう。(興梠)慎三さんが入ってからは、広島は形がつくれなかったと思います。でも、今日は自分たちの出だしが遅かったと思う。もっと動かないといけないと思いました。あとはもうちょっと仕掛けたかったです。守備に追われて、もうちょっと行きたかった。
勝つしかないですね。今日は中2日ということもあって勝つだけだった。次は中3日で相手も同じなので、内容と結果を求めたい。今日は守備を結構がんばりました。自分でもそう思います」

●アレックス選手(鹿島):
「ミキッチのところを守るように、そこだけ言われました。後は寿人も狙ってくるので、その2つ。カウンターには行かなくていいって」

●新井場徹選手(鹿島):
(Q:ミキッチ選手のところをうまく守ったのでは?)
中盤の選手もうまくもらいに来てくれたし、最後の部分では体を張ってくれた。助かりました。
(Q:守備がはまっていたが?)
向こうも焦れてきたところもあるし、うちも対応に慣れてきたところもあってうまくいった。2つとも良い時間帯で点が取れたし、チームとして勝つという気持ちが出た試合だった。
(Q:これで5連勝だが?)
連勝が目標じゃない。最後、どうなるかわからないけど、目の前の1試合を勝とうと。うまくいかないときは理由は1個じゃない。いまはチームの良い流れが来ていると思う。そのためには勝っていくのが大事だけど、継続するのが一番難しい」

●岩政大樹選手(鹿島):
「欲しいところにボールをくれた。これ以上ないボールでした。
(Q:久々のゴールだが?)
久々ってTVのインタビューでも言われた。センターバックに久々もなにもないでしょ。年間1点で終わる人もいるし。でも、そう言われるのは嫌じゃないですけど(笑)。
広島のサッカーは、やってることはすごくシンプルで、それを掴みきれないポジショニングや動きをする。それを把握するのに時間がかかった。ただ、そこで失点しない流れがいまはある。
今日に関しては、僕が肉離れをしていて、内転をちょっと痛めていたのですが、他の選手が僕にパスを回さないという命題がありました。インサイドも蹴れなかったので蹴るにしても左足だったのですが、ほとんど出さないようにしてくれた。うちの選手はさすがだな、と(笑)」


[ J1:第22節 鹿島 vs 広島 ]

中田浩二(写真)は試合中に頭部を負傷したものの最後までプレー。最後尾からチームを鼓舞し続けチームの勝利を呼び込んだ。

[ J1:第22節 鹿島 vs 広島 ]

2-0で広島を退けた鹿島はこれで5連勝。順位も5位に浮上させた。
写真は試合後、この日の殊勲者岩政大樹と言葉を交わすオリヴェイラ監督(鹿島)。

[ J1:第22節 鹿島 vs 広島 ] WOWプレーヤーズアワード

本日の試合で決勝点をあげた岩政大樹選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。


中田コのCBを今季最大の発見と賞賛するオリヴェイラ監督である。
この試合に限れば、先制点を奪い完封に貢献した岩政や1G1Aの野沢に注目が集まるところである。
しかしながら、今季の守備を引き締めておるのは中田コと言えよう。
広島戦だけでも、佐藤寿人の突破を後ろからノーファールでクリアしたシーンは代表的なところであるが、そこ以外にも随所随所で相手の攻撃を摘んでおった。
素晴らしい選手である。
岩政とのコンビはJリーグ随一ではなかろうか。
安定した守備で、更なる上を目指したい。
楽しみである。