鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

岳、チームを牽引

2014年09月15日 | Weblog
2014年09月15日(月)


16時より2グループに分かれ、グラウンドと砂場でトレーニングを行いました。グラウンドではシャトルラン、砂場ではフィジカルトレーニングを実施。昨日、ベトナムから帰国した杉本選手は軽めのトレーニングで調整しています。




トレーニングを行うメンバーである。
中心には岳がおり、チームを牽引しておる。
日本代表でも活躍し、風格も備わってきた。
岳を軸に勝利を積み重ねて行こうではないか。
また、背番号32の杉本太郎も合流しておる。
ヴェトナムで開催されたAFF NutiFood U19 Cupで優勝し、一回り選手として成長したのではなかろうか。
これからの活躍を期待したい。
楽しみである。

岳、鹿島という強豪クラブのDNA

2014年09月15日 | Weblog
動きすぎず、しかし得点機は大胆に。
柴崎岳が小笠原満男から学んだこと。

寺野典子 = 文
text by Noriko Terano
photograph by Takuya Sugiyama


 本田圭佑と武藤嘉紀がDFをひきつけ、生まれたスペースへ左サイドから岡崎慎司がクロスをあげる。そこへ飛び込み、右足からのダイレクトシュートから勝ち越し弾を決めた。代表デビュー戦での初ゴール。チャンスを見逃さなかった柴崎岳の嗅覚に、ある試合でのゴールを思い出した。

 2011年10月9日。名古屋市瑞穂競技場。ナビスコカップ準決勝、名古屋グランパス対鹿島アントラーズ戦。その年、大型ルーキーとして鹿島入りしていた柴崎だったが、シーズン前半は途中出場が多く、プロの舞台で目覚ましい結果が残せてはいなかった。負傷による2カ月間の戦線離脱を経て、名古屋戦では10月5日の準々決勝に続いての先発出場となった。

 鹿島が先制したものの同点弾をゆるし、試合は延長戦へと突入。その後半2分、決勝ゴールを決めたのが柴崎だった。

「運動量」以外の点で評価される若いボランチは珍しい。

 この試合の柴崎について印象的だったのは「動きすぎない」プレーだった。前線へ攻め上がったのは、得点を決めた場面を含めてわずか数回。むやみに動かないことで相手にスペースを与えず、ここぞというチャンスのみ、ポジションを空けてでも前へ出る。その結果が決勝弾を生んでいた。

 若いボランチの場合「運動量」という観点で評価されることが多い。しかし「動きすぎる」あまりに、相手につけいる隙を与えてしまうこともある。若手時代に「動きすぎるな」と指導されたことを明かすボランチも多い。

 戦術やスタイルも関係することなので一概には言えないが、ボランチは動くことだけが美徳なポジションではない。中盤後方で周囲の選手たちと呼応しながら、穴を作らない柴崎の冷静なプレーがチームに安定感を生んでいるように感じられたのだ。

動きの量は少なくとも、得点の匂いには敏感。

 しかし、高校時代から柴崎を取材してきた記者に話を聞くと、柴崎のウィークポイントとして「動かない」ことを挙げる人たちもいた。確かに、その名古屋戦で柴崎がもっと前線に顔を出していれば、さらに得点が動いた可能性もある。しかし、逆にピンチを招いた可能性もある。ただひとつ言えることは、得点の匂いをしっかりと嗅ぎつけることができたからこそ、決勝点を決められたということだ。

 2012年2月には初めてA代表へ選出。国内組で構成されたアイスランド戦だったが、Jリーグ出場13試合のルーキー柴崎に、出番は回ってこなかった。

 2年目には鹿島でもレギュラーに定着し、ナビスコカップ2連覇に貢献。ベストヤングプレーヤー賞を受賞し、名門クラブの若きエースとして順調なステップを歩んできた。それでも、日の丸との縁は薄かった。U-17W杯には出場したものの、ロンドン五輪を戦うチームでは候補止まり。若手選手で挑んだ2013年東アジア選手権では、メンバー入りを果たすも大会直前に体調不良で辞退している。

小笠原満男の隣で、柴崎が学んだ「量より質」。

 鹿島では、小笠原満男とボランチでコンビを組んだ。次代を担う中盤の名手として大きな期待を集める柴崎だったが、ピッチ上の主導権は経験豊富な小笠原が握っていた。バランスをとることに終始し、小笠原の陰に隠れてしまう試合もあった。

 しかし、Jリーグで積み重ねてきた時間は貴重なものだったはずだ。もともと攻撃的なセンスに秀でる柴崎が、同タイプの小笠原の隣で学んだものは少なくないだろう。走る量よりも、その質が重要であることを実感したに違いない。

 そして今シーズン序盤、世代交代真っ只中の鹿島は苦しんでいた。天皇杯やナビスコカップでは早期敗退したが、若手が徐々にチームとしてまとまりを見せ、リーグ戦では優勝の可能性を残す順位にいる。そんな若きチームを牽引するのが柴崎だ。小笠原の後継者と言われた男は、気づけばチームのリーダーへと成長していた。過去3シーズンで3点だった得点も今季はすでに5得点(9月11日現在)。そして、攻撃を操るパスの技術には、さらに磨きがかかっている。自信と結果が相乗効果をもたらし、さらに柴崎を輝かせている。

「“試合に対するスタンス”を大事にしたかった」

 そのタイミングで、アギーレジャパンが始動。「過去の実績は関係ない」と語る指揮官の前で、その自信をぶつける絶好機が訪れた。

 初戦のウルグアイ戦では出番がなかった柴崎だったが、第2戦のベネズエラ戦では左MFとして先発する。前半はベネズエラのハイプレッシャーに戸惑ったように、日本はミスを連発。柴崎もピンチを招くパスミスがいくつか見られた。同点で迎えた後半は、ベネズエラがペースダウンしたこともあり、日本が試合を支配した。しかし、GK川島のミスで2失点目を喫し、試合は2-2で終了。

「試合にはいい形で入れたと思います。ボールタッチを多くしながら、ある程度自分の考えているプレーは表現できた。当然ミスもありました。でも僕としては、プレーというよりは、“試合に対するスタンス” を大事にしたいと思っていました。そこは90分通してぶれずにできたと思います」

 試合後のミックスゾーンに現れた柴崎から、代表初出場初ゴールの喜びは微塵も漂ってこなかった。質問者の顔をちらりと見て、堅い表情で空を見つめながら、淡々と話す。

「初出場ということもあるので、自分が意識していないところで、堅さが出ることもあるかもしれないけれど、とりあえず、精力的にアクティブに動いて、自分のプレーを表現したいなと思っていました。ボールを持つところ持たないところ、どういう状況においても、自分の判断のもとで、積極的にプレーしたいと思っていたので、そこはできたと思います」

アギーレが求める「自主性」を身につけた柴崎。

 アギーレジャパンの基本布陣は4-3-3。しかしそのポジションの流動性が非常に高く、「選手の自主性」に任されている部分も少なくはない。選手間でコミュニケーションを深めながら構成力や連動性を高めることが必要になるが、その基盤となるのは選手個々の決断だ。周りを気づかいながらプレーする前に、自身が素早く的確な判断で動き出し、プレーすることがチームの原動力となる。行動が意思表示となり、周りとの連携が深まる結果を導くのだ。

 柴崎の言葉からは、そんな意図が感じられた。またプレー以上に、“スタンス”を大事にしたという独特な思考、そして彼が意識し、披露した「積極性」は、鹿島の中心選手として、身につけた自信が源泉となっているのだろう。

鹿島のDNAが透ける、プロとしての価値観。

「代表に選ばれたのは、鹿島でやっていることが評価されてのことだったので、必然だったと思います。試合出場を決めるのは監督。自分としてはいつもベストを尽くすというスタンスは変わらないし、今日はしっかりチャンスを与えてもらったなかで、自分を表現しようと思っただけ」

 ゴールを決めデビュー戦を華々しく飾ることができた。

 しかし、勝てなかったことを柴崎は悔やむ。勝利への強いこだわり。ゴールという結果以上に勝敗という結果が評価をもたらす。そんなプロとしての価値観には、鹿島という強豪クラブのDNAが感じられた。

 初招集から2年半、日の丸から離れていた。しかし、国際経験から遠ざかっていた間も、柴崎は成長し続けていた。もちろんその真価は今後問われることになる。ただ代表という新しいステージが彼の進化を促す刺激になることは間違いない。




岳に関して記すNumberの寺野女史である。
「走る量よりも、その質が重要である」と小笠原満男の隣でプレイしたが故の結論を述べる。
岳がこれだけの才能を光らせるのも、本人の持っておった資質に加え、鹿島にて育まれた部分も大きい。
岳の今後に期待大である。