無知の知

ほたるぶくろの日記

神風への感謝

2011-05-04 01:47:35 | 日記
福島原発事故の直後から、有志の方が様々な地点で計測し、その情報をネット上で公開してくださっています。また、物理、工学系の方々が個人的見解を(つまりあまり制約のない状態での意見)を公開してくださっているのは大変参考になります。また、医学的見地から人体への影響について、丁寧に説明されているチーム・ナカガワのブログにも敬意を表したいとおもいます。

この連休中、やっと落ち着いてこれらの情報を読ませて頂いています。普段はやはり忙しく、拾い読みの状態でした。

それにしても、あまりに政治的に進んできた原子力産業、ならびに原子力工学の学問分野については軽蔑を禁じ得ません。現政権の至らない点について、多くの批判があります。それもごもっともではありますが、そもそもこういう状況を営々と構築してきた旧政権の方々が批判できることではありません。どなたがこのような事態を準備したのでしょうか?その責任を少しでも感じているのしょうか?

これまでに国会でもこのような事態になる可能性について議論がありましたし、内閣府原子力安全委員会の報告書でも提言がなされていました。東電、経産省原子力安全・保安院はそれを冷笑とともに、無視し続けてきたのでした。そして、私たちはその状況を許してしまっていたのでした。

今回「どのくらいの放射性物質が福島原発から放出されたのか」さえも電源の喪失によって測定がなされ得なかったのです。そのため、280億円もの費用を投じて作製されていた緊急時の放射性物質拡散予測システムはほとんど用をなしませんでした。これらのことごとくが、あまりに杜撰であり、信じられないことです。上記した物理、工学系の方々が、原発周囲で計測された放射能レベルと計算による推定値を擦り合わせ、今回放出された放射性物質の総量を計算されていますが、まさしくそれはレベル7相当のチェルノブイリ原発事故と同等のものであるとかなり早い時点で示されていました。

それにもかかわらず、こんなにも小規模の被害で(避難されている方々のご苦労は大変なものがあるのは重々承知しておりますが)済んだことは、まさに風向きが良かったせいです。神風が吹き、放射性物質の多くが太平洋へと流れていったのです。本当にこれは驚くべき幸運だったのです。私たちはこのご恩に深く感謝しなくてはならないでしょう。

この神霊の計らいを無駄にすることなく、私たちは前に進んでいかなくてはなりません。今後の原子力産業の動向を私たちは厳しく監視していかなくてはいけないとおもいます。