宝くじで億を当てた女

2017年03月30日 23時48分45秒 | コメディのかけら

「宝くじで億を当てた女」

知り合いの知り合いが宝くじ売り場で働いている。

僕は宝くじは買わないので知らなかったのだが、
大量に宝くじを購入した人は、
しばしば当選発表の日に宝くじを売り場に持っていき、
そこで当たりはずれを専用の装置で判別してもらうそうだ。

ある時、知り合いの知り合いが、
売り場の常連に頼まれて、当たりはずれを調べた。

その中に、1億だか3億だかの当たりがあったそうだ。

たとえ他人の宝くじとはいえ、
億が当たったとわかった瞬間、どんな気持ちになったのだろうか。

熱海の遠い座敷

2017年03月28日 11時41分06秒 | 旅のかけら


「星野リゾート・界 別館 ヴィラ・デル・ソル」に泊まる。


湯殿までの階段は思っていた以上にきつかったが、
途中の湯上がり処「青海テラス」のさらに上がったところ、

本館の斜面部分に連なる客室のあたりから、
それまで露天や屋根のみだった階段が、
天井も壁もある廊下となり、

途中の壁から外の巨木の肌がむき出しになっている
ほの暗い廊下を長い階段が上へ上へと伸びている様子は、

筒井康隆の短編『遠い座敷』を想起させ、
本館への行き来はとても楽しいものだった。

文章スケッチ

2017年03月25日 23時34分55秒 | アイデアのかけら

賑やかな席で聞いた話なので、
細部は曖昧なのだが、
印象的な話だったので記録しておく。

小学校の理科の授業で、
植物や動物を観察して絵に描く、
というものがよくある。

この時、
高評価を受けるのは、
良く描けている生徒になるが、
これは理科の観察眼の評価ではなく、
実は美術の評価ではないか、
と思った先生がいたそうだ。

そこで彼(彼女)は、
絵を描く代わりに、
自分が観察したものを文章で書いてもらった。
文章スケッチだ。

すると絵で描いた時は評価の低かった生徒の中に、
文章だと高評価の生徒が何人も現れたという。

このエピソードから示唆されることは多い。

福岡のいろはす

2017年03月23日 14時57分27秒 | 写真のかけら


福岡空港で買ったいろはす。

あまおう味。

福岡限定商品、、らしい。

肝心の味は…いちご味って人工甘味感が強くなるなあ。

便利だからこそより釈然としない

2017年03月22日 08時11分52秒 | アイデアのかけら

コンビニで買い物をし、Suicaで支払った。

「57円、足りません?」

え?
一瞬、Suicaの残額が足りなかったのかと思ったが、そんなはずはない。
今日の昼間、1万円分チャージしたばかりだ。

財布からSuicaを取り出し、再度タッチする。
しかし、なぜかレジが反応しない。

仕方なく残り分を現金で払い、
レシートを見ると、
やはりSuicaには7000円近い残額があることが記されている。

じゃあ、なんでレジは反応しなかったんだ?
全額分反応しなかったならばともかく、
なぜ57円分だけ残して反応しなくなったんだ?

そんなことバイト君に聞いてもわかるはずもないので、
そのまま店を出たが、なんとも釈然としない。

便利なものに不都合が生じたほど、
釈然としない感じが強くなる。

なんとも勝手な話ではあるけれど。

「読書:『プログラム』」

2017年03月18日 07時52分13秒 | エンタメのかけら

劇作家で演出家の土田英生さんの長編小説『プログラム』読了。

読みながら筒井康隆、最初期の傑作『睡魔のいる夏』を想起しました。

小林賢太郎さんが帯に寄せた、
「確かにSFなんだけど、やけに人の気配がする」
という一文に納得至極。

架空の近未来、
そこで起きた重大な事件を、
大きな物語として描くのではなく、
小さなシーンを切り取り、
主に登場人物の会話で描いていく、
というのは、とても「舞台的」。

光景が鮮やかにイメージされ、
登場人物の声が聴こえてくる。

登場人物やエピソードの喜劇性も、
とても「舞台的」な感じを受けました。

この「舞台的」というところが、
過去の同一テーマのSF小説と、
大きく異なる点であり、
この作品の魅力だと思います。

『ラ・ラ・ランド』を観終えた後に思い出したこと

2017年03月17日 07時53分22秒 | エンタメのかけら

『ラ・ラ・ランド』、観てきました。

公開後、毀誉褒貶あると聞いていたけど、
なんとなくわかる気がしました。

いつものように感想は略しますが・・・

あのラストシーンを観た後、

同じくようやく最近観た『この世界の片隅に』の中の、

「過ぎたこ事、選ばんかった道、みな覚めた夢と変わりやせんな。
 すずさん、あんたを選んだんは、わしにとって多分、最良の現実じゃ」

というセリフを思い出し、

最近聴いた、小沢健二の『流動体について』の中の、

「もしも 間違いに気がつくことがなかったのなら?
 並行する世界の僕は
 どこらへんで暮らしているのかな」

という歌詞を思い出しました。

それにしてもこの映画のタイトル、
口にした時、
ついつい『ラ・ラ・ラ・ランド』と「ラ」を1つ余計に言ってしまいそうになり、
一瞬、口ごもってしまいます。

TOHOシネマズ日本橋

2017年03月16日 09時25分09秒 | エンタメのかけら


TOHOシネマズ日本橋で『ラ・ラ・ランド』を観た。

日本橋という名前だが、最寄り駅は三越前。

この界隈は、戦前から残る三越本店、三井本館のに合わせているようで、
映画館の入っているコレド室町のような新しい建物もシックな外観となっている。

映画館を出たのは18時過ぎ。
今の時期だと残念ながら夕暮れというよりはすでに夜だけど、
控えめな明かりが灯る街角には、
夜の始まりの楽しげな空気が満ちている。

『ラ・ラ・ランド』を観た後にはぴったり。
映画館を出てもしばらく映画の余韻に浸ることができた。

歌舞伎町のTOHOシネマズで観ていたら、
ああはならないだろうなあ。

ロマンティックな映画を観る時は、
この映画館、この時間になるべく観るようにしよう。

そんなふうに思ったのだ。

性感染症検査とセーラームーン

2017年03月12日 19時38分36秒 | 写真のかけら


しばしば思うのだが、
どうしてこんなデザインにするのか、
謎のお役所センス。

センスの良し悪しを超えた歪み方に、
どんな奴が、どんな価値観で決めているのか、
気になって仕方がない。

厚労省の担当者がどんな奴か見てみたい。








ヒロミから宦官まで

2017年03月11日 09時31分34秒 | コメディのかけら

DIYをテーマにしたある企画で、
たぶん無理だろうと思ってヒロミさんに出演依頼したところ、
OKの返事が来たと会議で報告があった。

驚きと喜びのリアクションの後…

①「ホントにあるヒロミか」
②「広海・深海の広海だったりして」
③「おネエがDIYって。自分で”工事”するのかよ!」
④「でも昔の中国では、我が子を宦官になるため自分たちで切除したって
  浅田次郎の小説に出てました」

こういう話の転がり方は気持ちいい。
生産性はゼロだけど。

幽霊の里帰り

2017年03月10日 08時39分20秒 | コメディのかけら

元CAだった人から聞いた、
CAの間に伝わる都市伝説的な話。

お盆の頃になると、
グアムやアイパンから日本に来る飛行機には、
先の戦争で亡くなった人たちの霊が、
たくさんぶら下がっている。

いろいろ気になるところのある話ではあるが、
とりあえず聞いたまま記録しておく。

『この世界の片隅に』を観て思った映画の本筋とは関係ないこと

2017年03月09日 09時32分46秒 | エンタメのかけら

このタイミングで『この世界の片隅に』を観てきた。

作品そのものの感想は今更なので略すけど、

昨年この映画が話題になった当初、
まだ大ヒット中だった『君の名をは。』と比較して、
いかに『この世界』が素晴らしいかを語っている感想を散見し、

(ただ比較するだけではなく、
 同時に『君の名を。』をディスるパターンが多し)

違和感を覚えたものだが、
実際に映画を観て、
比較した人の気持ちが分かるけど、
同時に「なぜ?」という気持ちがますます強くなった。

テーマも目指すものもまったく異なる作品。
アニメという表現手法が同じなだけ。

実写の映画ならば、
そんな比較はしないだろうになあ。

比較するなら、同テーマの映画(「戦争」もしくは「戦争と生活」)と
比較したらいいのに。
『小さいおうち』とかと。
(映画は観ておらず、小説しか読んでいないので、勘で例えを挙げてますけど)

パンクス世代論

2017年03月06日 23時35分53秒 | コメディのかけら

近所の飲食店で、
彼女に熱弁をふるう20代半ばと思しきパンクスの声が聞こえてきた。

彼は自分より歳下のパンクスに良い印象を持っていない様子。

「あいつらさー、家の2階でヘッドフォンでパンクを聴いて、
 でも、下はレースのカーテンで”パパ!ママ!”とか言ってるんだぜ」

良い家庭のイメージがかなり貧困。

逆に自分より年長のパンクスはリスペクトしているようで。
「団塊の世代に怒られてきたからスゲー」

さらに年長のあるパンクバンドのドラマーについて語って、
「スゲーモヒカンなんだけど、
 昼間はア○○○○(保険会社)で働いてるんだって。
 それもスゴくねー」

なんだろうなあ、パンクって。

TV業界当世働き方事情

2017年03月04日 22時59分47秒 | 業界のかけら


某民放局は19時以降に始まる会議は禁止。
また別の民放局も会議は22時まで。

各局が会議時間の制限を始めている。

それは時代の流れだし、悪いことではない。

だけど、編集所に行けば、その予定表には、
「25時」「27時」「30時」といった奇妙な時刻が並んでいる。

3日連続で徹夜中というディレクターが、
死体の顔色で作業をしていることもしばしばだ。

現在は過渡期だと思うけど、
最終的なこのあたりはどうなるんだろう。

ここにも法律の手は及んでくるのだろうか。


「このおじさん痴漢です」と女は言った。

2017年03月04日 09時22分28秒 | ホラーのかけら

最寄り駅に電車が到着し、
乗客が降り始めた時、

「このおじさん痴漢です!」

という女の声が車内に響いた。

不思議な響きだった。
怒りも動揺も羞恥も感じられなかった。
平板な響きだった。

ホームに降りると、
女がおじさんと向かい合っていた。

「このおじさん痴漢です」

再び女が言う。
明るい色のジャケットを着ていた。
おじさんはかなり憤慨しているようで、
何か言い返していたが、僕のところまでは聞こえない。

やがておじさんはその場を立ち去った。
だが、女は追いかけようとはしない。
階段を降りていくおじさんをホームから指差し、

「あの太ったおじさん痴漢です」

と再び平板で甲高い声で言った。

そして女はエスカレーターで降りると、
改札横の駅事務所に入って行った。
駅員に何か話している。
車内で痴漢にあったと訴えているのだろう。

僕の傍らを通り過ぎる若者たちの声が耳に届く。

「あのおじさん、ゼッテーやってないよな」

そうか。
一連の光景をどこか妙に感じていたのは、
周囲の乗客がいっさい反応していないことだった。
車内でもホームでも、
女の周囲の乗客が反応していた様子はない。

女が駅事務所を出てくる。
そして改札を出ると、すぐ傍にある交番に入っていった。
車内で痴漢にあったと訴えるのだろう。

「このおじさん痴漢です」

思えばあの声の平板な響きは、
言葉の内容にもっともそぐわない響きだった。

怖い響きだった。