着信アリ

2019年11月30日 23時07分09秒 | ホラーのかけら

家人がひとりで家にいた時のことだ。

どこかで携帯が鳴った。

自分のスマホは手元にある。

僕が忘れたのかと思い、
連絡がきたが、
僕は忘れてはいなかった。

じゃあ、あの音はいったい?

実は一週間ほど前に叔父が亡くなった。
身寄りがないため、
僕が遺体の引受人となり、
病室から遺品を持ち帰ってきた。
その中に携帯があり、
電源が切られていなかったのだ。

いったいどこから電話があったのか。

後で確認すると、
かかってきたのは「0120」から始まるフリーダイヤル。

それにも関わらず、
「こうてい」
と相手の名前が残っていた。

叔父が登録してあったのだ。

こうてい?

皇帝、校庭、工程…。

なんだ、「こうてい」って。

折り返しかけてみるべきかどうか、迷っている。

臭いは伝えられない

2019年11月28日 09時43分47秒 | 業界のかけら

今週オンエアの『ガイアの夜明け』で、
漂着したクジラの死骸を解剖し、
その死因を調べる研究者を紹介した。

その様子からはわからないが、
取材したスタッフによると、
現場は酷い臭いだったそうだ。

服に臭いが染み付き、
その時、着ていた服は捨てたという。

帰社する前に髪や体もちゃんと洗ったとも聞いた。

しかし会社に戻ると、

「なんだ、この臭いは!」

と、みんなが悪臭に顔をしかめた。

そう、カメラなどの機材にも臭いが染み付いていたのだ。

そんな酷い臭いの中、
表情ひとつ変えることなく解剖していく、
研究者には頭が下がる。

クジラの死骸から、
我々は新たな知見を得ることができるからだ。

領収書の宛名

2019年11月18日 11時39分25秒 | コメディのかけら

領収書に宛名を入れてもらう時は、

「山に名前の名で“山名”でお願いします」

と告げる。

過去はそう告げたにも関わらず、

「ヤマ?」

と、問い返されることがあったり、
「山」と書いた後、手が止まってしまったり、など、
いろいろと困惑する事態に遭遇してきた。

そいて昨日、原宿のカフェで新たなパターンに遭遇した。

「マウンテンの山でよろしいですか?」

なぜ英語で確認?
ルー大柴なのか?

宛名を巡る暗闇は、まだまだ深い。

「収穫祭」の収穫

2019年11月04日 09時00分35秒 | チシキのかけら

今年も東京農大の「収穫祭」に行ってきた。

前日、近所の酒場でサンゴの白化について、
丁寧な説明をしてもらったと聞き、その展示を探した。

農大なのに、なぜサンゴ?と思ったからである。

「農業環境科学研究室」の展示だった。

なるほど。
マングローブとサンゴの関係か。

僕の理解の範囲で概要を記すと、
海が富栄養化するとサンゴは死滅する。
しかしマングローブには富栄養化を防ぐ働きがあるらしい。
また海の生態系に必要な「鉄」の供給にも役立っているらしい。

「らしい」と書いたのは、
どうやらまだ研究中らしく、展示でもそう書かれていたため。

研究の本質とは異なるが、
この展示を見て、2つ新しい知識を得た。

マングローブというのは、植物種の固有名、もしくはもう少し大きなグループとしての植物名だと思っていたが、実際は「塩生植物」の総称だった。
どれぐらい知られていることなんだろう。

サンゴと共生する「褐虫藻」の存在も初めて知った。この藻類が死ぬとサンゴは白化し、やがて死に至る。しかしながら、共生の詳しいメカニズムはまだわかっていないという。それも興味深い。

これが今年の僕の、「収穫祭」の収穫です。