ドラマと脚本

2012年08月31日 07時53分10秒 | 業界のかけら

知り合いの役者から、
今クールにオンエアされている2つのドラマの裏話を聞いた。

1つは、
その人も出演している某ドラマ。

セミレギュラー的な出演なのだが、
台本が渡されるのが、
毎回ほぼ撮影の前日。

しかも自分が出るシーンだけ渡されるので、
前後のつながりとかまったくわからぬまま、
演じているのだという。

昔、丹波哲郎が、
台本を渡されると自分出ているところだけちぎり、
残りは読まずに捨てて撮影にのぞんでいたという豪快なエピソードがあるが、
いまやそれが日常的に行われているということだ。

知人の役者とペアで出演しているベテラン俳優曰く、
「これはドラマじゃないよ」

じゃあ、なんだ?
コントか?
と言ったらコントに失礼だ。


もう1つは、
その役者の友人の脚本家の体験だ。

某ドラマのプロデューサーから、
突然呼び出しを受けた。

そのドラマ、
メインの脚本家がおり、
さらにサブの脚本家がいるのだが、
それでも脚本家の数が足りず、
急遽のオファーとなったらしい。

それで言われるまま、
とりあえず脚本を書くことになったのだが、
そのやらせかたというのがちょっとどうかと思うのだが、
脚本家を二人呼び、
同じストーリーを書かせ、
出来のよかった方を採用するというものだった。

なんとも納得いかぬ話だが、
とりあえず脚本を書き上げた。

しかし残念ながら、
選ばれたのはもう一人の若い脚本家が書いたものだった。

実物を見ていないので落とされた脚本家の言葉を信じるしかないが、
採用された台本は、
「説明ゼリフだらけのストーリーをなぞっただけの脚本」
だったそうだ。

そしてこの話をしてくれた役者曰く、
「演じていて一番つまらないのは説明ゼリフ。
 やりがいもなければ楽しくもない」

すべてのドラマの現場がこんなふうだとは言わない。
しかしこんな現場もある。

さて、この二つのドラマ、何と何でしょうか?

ダダ漏れ音声

2012年08月28日 06時56分38秒 | 業界のかけら

企画の詳細はよく知らないのだけれど、
おおまかに言うと、
大学の授業中に、
タレントが突然教室に現れて、
学生たちを驚かせる、
そんなサプライズ企画をやった時のことだ。

教室のすぐそばに部屋でスタンバイ。
いよいよ突撃。
タレントのつけたマイクの電源が入った。

こういう時、
タレントはワイヤレスのマイクをつける。

そこで想定外のトラブルが起きた。

なんとたまたまタレントのつけていたワイヤレスのマイクと、
授業で教授が使っているマイクの周波数が同じだったのだ。

上記の表現が正しいかわからぬが、
どういうわけかタレントのマイクの音声も、
教室の受信機が拾い、
控え室でタレントが喋っている声が、
全部教室に流れてしまったのだ。

おかげで学生たちには、
今から何が起きるのかダダ漏れ。

それでもタレントに登場に、
教室は大きく湧いたが、

「事前に知っているのと知らないのでは、
 最初の反応が違うんですよ」

と演出の弁。

たしかにそうだ。

それにしても、
こんなトラブル初めて聞いた。

新しい子犬を迎えた理由

2012年08月20日 12時15分12秒 | ドラマのかけら

「寿命で愛犬が亡くなった」

愛犬を購入したペットショップに、
そう報告に来た夫婦がいたそうだ。

そこはある犬種の専門店で、
店内には亡くなった愛犬と同じ犬種の子犬がいる。

それを見た夫は、
すぐさま新しい犬を飼おうと言い出した。

だが妻は、
とうぶん新しい犬を飼う気持ちにはなれないと言った。

その日はそのまま帰って二人だが、
後日、妻の方から電話がきた。

「新しい犬を世話して頂きたくて」

あの時は反対していたのに。
気持ちが変わったのだろうか。
さりげなく理由を尋ねると、

「主人が会社から帰ってくるたび、
 玄関先で泣くんです」

仕事から疲れてきて帰ってきた彼を、
毎日、愛犬が出迎えていたのだろう。

昔は子どもや妻がやっていたその役を、
愛犬が担っていたのだろう。

こうしてその夫婦は、
新しい子犬を迎えることになったのだ。

カツラは難しい

2012年08月19日 08時26分49秒 | コメディのかけら

しばしば不自然なカツラをつけている人を見かけるが、
なにも最初から不自然なわけではない。
使い続けているうちに劣化して、
不自然な感じになってしまうことが多いと聞いた。

ならば買い換えればいいじゃないかと思うが、
カツラは値段が高い。
だから一度作ってしまうとなかなか買い換えにくく、
結果、不自然なカツラをつけることになってしまう。

ある店のランチによく来る客も、
不自然なカツラの男性だった。

本人から聞いたわけではないが、
その人の周囲の人間の話によると、
奥さんがお金にうるさい人で、
結婚前に買った今のカツラを買い換えることを許してくれないのだという。

しかしそれは誰が見ても不自然なカツラだ。

ある時、何も知らない店主の兄弟が、
店から出ていくその男性の姿を見て言ったそうだ。

「あの人、漫画家?」
「なんで?」
「だってベレー帽かぶってたじゃん」

ベレー帽と見間違うカツラって。

カツラを作った当初は、
頭頂部付近が薄毛になっていたのだろう。
そこを隠すカツラを作ったのだ。

その後、薄毛部分が広がってきた。

だが、カツラの大きさはそのままなので、
後頭部のあたりは薄毛なのに、
頭頂部だけふさふさと毛が生えているという、
モヒカンにする途中のような状態になっているのだ。

そんなカツラならば、
つけている方が恥ずかしいと思うのだが。

まったくカツラは難しい。

肉の確認

2012年08月18日 07時24分11秒 | コメディのかけら

知人から聞いた話だ。

焼き肉屋で、
頼んだ覚えのない肉がきた。

「僕たち頼んだのカルビですけど、
 レバーがきてますよ」

まちがえたのだろう。

すると店主が来て、
今運ばれてきた肉をじっと見た後、

「・・・これ、カルビですよ」

レバーと見間違うカルビって!

脚本家の名言

2012年08月17日 08時36分23秒 | 名言のかけら

伝え聞いた話。

ある若手女優が、
ドラマの本読みで、
自分のセリフを読んだ後、
同席していた某脚本家にこう言われたそうだ。

「僕はそんなつもりで書いたんじゃない」

出演者に対して、
ここまできっぱり言える脚本家が、
いま、何人いるだろうか。

だから名言。

コインロッカー・ラヴァーズ

2012年08月15日 08時08分37秒 | コメディのかけら

夜の10時過ぎ。

渋谷駅前でカップルがキスをしていた。
会社員風のカップルだった。

なにもこんな往来でしなくてもとも思うが、
まあ、渋谷の夜ならば珍しくない光景だ。

だが、問題は二人がいる場所だ。

女性がもたれているのは、
コインロッカーだった。

しかも長いキスだった。
僕が前を通りかかった時にキスをしていて、
ちょうど赤信号に引っかかってしまって待っている間に振り返るとまだしていて、
青信号に変わってもう一度見ると、まだしていた。

あのコインロッカーに荷物を取りに来た人がいたら、
どうするだろうか。

普通は二人がそこを離れるまで待つだろう。

あるいは「そこに荷物があるんで」と割りこんでいく強者もいるかもしれない。

いずれにしろ危うく、
そして喜劇的な状況だった。

スーツ愛

2012年08月12日 14時14分35秒 | 業界のかけら

俳優の北大路欣也さんのスーツに対する愛情はとても深い。

昨年、ある特番に出演して頂いたのだが、
その時も衣装のスーツは自前。

あとから聞いた話だと、
この番組のためにわざわざ新しいスーツを仕立てたという。

さらに最近聞いて驚いたのは、
10時間におよぶ撮影のあいだ、
北大路さんは一度も座ることなく立ち続けていたそうだ。

理由は、「スーツにシワが寄るのが嫌だから」

深い。深すぎるスーツへの愛である。

つるつるメジャーリーガー

2012年08月09日 07時40分02秒 | コメディのかけら

野球好きには有名な話かもしれないが、
メジャーリーガーはみんな、
陰毛を剃っているそうだ。

だから日本人選手が向こうに行った時、
そのままにしていると、
とても驚かれるという。

「どうして剃らないんだい」と。

陰毛は不潔。
だから剃ってしまうらしい。

日本人選手たちの多くは、
郷に入れば郷に従えで、
みんな、剃ったようだ。
少なくとも新庄は剃った。

という事実を踏まえて、
メジャーリーグの試合を見ると、
なんかちょっとおかしくなってくる。

どんなにいかつい顔をして選手も、
股間はつるつるなのだ。

前髪の天気予報

2012年08月08日 07時40分35秒 | コメディのかけら

「前髪がカールすると、
 それから一時間以内に必ず雨が降るんです」

会議で、ある放送作家がそう言っていた。

湿度もしくは気圧の関係か。

とりあえず今度同じ会議に出席している時に前髪がカールしたら、
教えてほしいものである。

地獄はどこにあるのか

2012年08月07日 07時49分26秒 | コメディのかけら

知人が、酒の影響で入院した時のことだ。
幸いまだ程度が軽く、2、3日の入院で済むことになった。
大部屋の病室は彼と同じような患者ばかりだった。

点滴を取り替えにきた看護士が言う。

「◯◯さん、地獄はあの世にはありませんよ」

何を言い出すんだ。
新手の宗教勧誘か。

「地獄はベッドの上にあるんです」

そう言うと、上の階を指さした。

上の階には酒の影響で重篤な状態にある患者が入院しているらしい。

ベッドの上の地獄。

地獄絵に出てくる想像上の地獄より、
リアルな分だけ恐ろしい。
行きたくないよ、そんな地獄は。

しかし、その看護士も患者相手に、
なんでそんなことを言い出したのか。
酒を控えなさいという警告のつもりだったのだろうが、
それにしてもあの言い方はなあ。

地獄は意外と近くにある。

関係性がわからない

2012年08月03日 07時34分38秒 | ドラマのかけら

夜の小田急線の車内で、
小柄な女性が大柄な男性にひしっと抱きつきながら、
会話をしていた。

服装から見るに、
会社員と思しき男女。

そんな姿を見たら、
つきあいはじめて間もない二人だと思うだろう。

だが、聞こえてきた会話が妙だった。

女:「焼けてるね?どっか行った?」
男:「釣りに行きました」
女:「釣れた?」
男:「はい、少し釣れました」

男はなんでそんな口調なんだ。

あらためて見ると、
普通ならば男も自分に抱きついている女を見ながら会話をしそうものだが、
男の視線は女の頭上を通り過ぎ遠くを見ている。

どういう関係の二人なのか?

男の態度と言葉遣いから、
それがよくわからなくなってしまったのだ。

ちなみに、女性の外見は、一緒にいた我が家の家人(小)曰く、
「可愛かった。ハーフみたい」