ノンフィクション作家の山根一眞さんと打ち合わせした際に、
「企業は”粉末の水”を開発したらいいのに」
というお話を聞いた。
粉末の水。
その正体は、
効率良く空気中の水分を吸収する、
超「吸湿剤」である。
確かにクローゼットの中に、
容器に水がたまるようになっている吸湿剤を置くと、
数ヶ月すると水がかなりたまっている。
あれのスゴい版を作ったら、
水不足で悩む地域でも大活躍するはずだ。
しかし僕が「粉末の水」と聞いて最初に思い出したのは、
昔、たしか星新一さんが書いていた、こんな話だった。
お湯を入れて3分待つと水になる、
インスタントウォーター。
増えてきたインスタント食品を茶化した、
なんともナンセンスなネタであるが、
これを最初読んだ中学時代、僕やまわりのSF仲間は、
その着想に衝撃を受けた。
それで中学時代に仲間内で作っていたSF同人誌のタイトルを、
「インスタントウォーター」と名付けた。
ひょんなところで、なつかしい過去を思い出した。