解剖しにくい体

2015年08月31日 09時02分25秒 | チシキのかけら

医学部で解剖学を教えている後輩に、
「解剖しにくい体だというのはあるのか」と訊いてみた。

僕の予想は、太っている人。
腹回りの脂肪が分厚い人間は手術がしにくいと聞く。
だから解剖でも同じだと思ったのだ。

しかし、返ってきた答えは違った。

解剖しにくいのは、猪首ー太くて短い首ーの人だそうだ。

解剖する前に死体が腐らないように保存処理をする。
その時、猪首だと首が体にめり込みように固定され、
解剖時に、筋肉や血管の観察に手こずるのだという。

だから猪首の献体は、学生の実習ではなく、他の研究用に使うそうだ。

失踪するタイミング

2015年08月24日 08時15分41秒 | 業界のかけら

昔、真夜中にコンビニまで買い出しに出かけたまま帰ってこなかったADがいた。
彼はそのまま、仕事も辞めてしまった。

という話を打ち合わせの席ですると、

「ウチにもいましたよ」

と、制作会社の女性P。

さらに他のスタッフからも続々と同様に話が出てくる。

真夜中にADが買い出しに行ったまま帰って来ないことは意外と多いようだ。

それにしても、どうしてそのタイミングで逃げ出すのか?
別に刑務所じゃないんだから、逃げ出そうと思えばいつでも逃げられる。
なぜ、買い出しに行った時なのか?

真夜中のコンビニには、「もうこれ以上耐えられない」と思わせる何かがあるのだろうか。

ADの方が座席がいい理由

2015年08月17日 13時15分28秒 | 業界のかけら


某特番の地方予選の一部に、番組のチーフPが珍しく参加することになった。

途中、地方都市から地方都市まで飛行機移動になったのだが、
ADたちはその小さな飛行機の中でもグレードのいい座席。
一方、チーフPは通常席。

なんでも、その特番でADたちは日本全国を飛び回っているためマイルがたまり、
自ずとグレードアップとなったそうだ。

日頃、がんばっているADさんたちへのささやかなご褒美か。

背中のカブトムシ

2015年08月13日 11時05分02秒 | コメディのかけら

知人がゴルフのプレー中、背中に違和感を感じたという。

背中で何かが動いている。

服の中に手を入れ背中に伸ばし、
もぞもぞ動くそれを取って出すと、
手にあったのはオスのカブトムシの首だった。

という話を聞いたのだが、
この短い話の中に気になることがたくさんある。

 ・どうやってカブトムシが服の中に入ったのか?
 ・どうして入った瞬間に気付かなかったのか?
 ・カブトムシの首をもぎとるって、どんなに強く引っ張ったんだ?
 ・そもそもカブトムシの首というのは脆いものなのか・

それにしても、こんなことで首を取られたカブトムシが可哀想である。

およそ4年ぶりの電話

2015年08月12日 10時25分34秒 | ドラマのかけら


4年前の母親の葬儀を最後に、
連絡がとれなかった叔父から突然電話が来る。

四十九日にも、一周忌にも、三回忌にも連絡がなかったのに、
(携帯を解約しており、僕から連絡がとれなくもあったのだが)
突然電話が来た。


実は1年前、弟の方には連絡があり、
僕にも連絡するように言ったそうだが、
今日まで連絡はなかった。

そしてさっき電話が来た。

なぜ、今、突然?
病にでもなったのか、それとも無心か。
そう身構えていると、


「なんかかけづらくてさー、
 葬式の時、スゴい怖い顔してたからさー」

子どもか!

我が家は親戚が少ないので、
弟を除けば、このダメな叔父が唯一の親戚。
叔父は家族がいないので・・・
なんかあった時は僕か弟が看取ることになるんだろう。

気が重いが、それも親、というか、祖父祖母の代から渡されてしまった人生のバトン。


素人へのツッコミと気遣い

2015年08月08日 11時38分59秒 | 業界のかけら

随分前に終わった某番組の裏話を聞いた。

VTRに登場する一般人になかなかキツいツッコミをナレーションでしていたので、
オンエアを見て怒る人もいるのでは?
と、当時から思っていたのだが・・・。


実はナレーション原稿を作成した後、

「番組上、こんなふうに言いますけど、よろしいですか」

と登場する方々に確認をとっていたという。


ちゃんと配慮ができているというべきか、
そこまでしてキツいナレーションをつける必要があったのかというべきか。

どう受け止めたらよいのか、悩むところである。

街が痩せていく

2015年08月02日 08時35分29秒 | 経堂通信

僕が住む経堂という街の商店街は店の出入りが激しい。
特にここ数年激しい。
新しい店が出来てはつぶれを繰り返している。

その理由は家賃の高騰だ。
不動産事情に詳しい人に聞いたが、
その商店街の家賃はかなりの高額で、
今や個人店を出すのは難しいという。

それでも家賃が下がらないのは、
つぶれても新たに店が入るからだ。
ただし入るのは、大資本のチェーン店だけれど。

こうして「顔のない街」になっていく。

しかしここに来て、また変化が出てきた。

チェーン店も撤退し始めたのだ。
そしてチェーン店が撤退した後に、
次の店がなかなか入らない。

もう数ヶ月もシャッターが閉まったままの店舗がいくつもある。

この傾向は今後ますます加速していくのではないか。

街が痩せ細っていく。
それは世田谷区でも起きている。

プライベートなリサーチ発注

2015年08月01日 08時07分31秒 | 業界のかけら

知り合いの演出氏が尿路結石になった。

あまりの激痛に救急病院に行ったが、
すでに石が尿管に入ってしまっているため、
水を飲んで石が流れ出るのを待つしかないと言われた。

痛い痛い。
どんな体勢でいても痛い。
鎮痛剤をもらったが、それを使っても痛い。

本当に自然に流れ出るのを待つしかないのか。

そう思った演出氏は懇意の番組リサーチャーに電話をかけ、
自分の体の状態について説明し、
もっと積極的な治療方法はないのか調べてほしい、
と発注した。

こんなふうに、
プロデューサーや演出氏から、
プライベートなリサーチを頼まれることって、
意外とありそうだ。