そのメニューで本当によいのか?

2014年11月29日 23時10分25秒 | アイデアのかけら

知人が予約してくれた、隣駅の人気店に初めて入る。

入口には「今日は予約で満席です」の貼り紙。
たしかに人気店のようだ。

広々とした空間。
4人掛けのテーブルが4つ。
カウンターが6人程度か。

メニューを見ると、こだわりがうかがえる料理と酒。
いいじゃないか。

だが、気になることがあった。
料理の大半にこんな注釈が。
「お時間がかかります」

見れば、厨房は一人。
たしかに満席になれば、料理に時間もかかるだろう。

だが、ちょっと待てとも思う。
最初からわかっているのならば、
料理のラインナップをもう少し考えてもよいのではないだろうか。

知っている店で、
同じぐらいの客席数で、
そんな予防線を張っていない店はいくつもある。

店主としては客に対する配慮のつもりなのだろうが、
僕は何かがちょっと違うと思ったのだ。

吹き出すペットボトル

2014年11月28日 08時39分11秒 | 業界のかけら

一度口をつけたペットボトルを、
中身が残ったまま蓋をして放置しておくのは危険である。
雑菌が増え、ガスが発生し、時には破裂することもある。

会議で、そんな話題になった。

「それ、私、やったことある」

そう言い出したのは、某美人作家である。

飲みかけのココアのペットボトルを数日間、
カバンの中に入れっぱなしにしてしまい、
気がついて蓋を開けたら、中身が吹き出したそうだ。

「すごい臭いだった」

そりゃそうだ。

だがそれより気になるのは、
どうして彼女が蓋を開けたかということだ。
数日前の、飲みかけのココアだ。
まさか飲もうとしたのか。

彼女は見た目と行動や発言にいつもギャップがある。

話し始めの失敗

2014年11月27日 11時01分47秒 | 業界のかけら

あるディレクターが、
自分の上司がいかに潔癖かというエピソードを披露しようとした。
部下のADの実家に行った時の様子を話すつもりだった。

だが、話し始めにしくじった。

「昔、僕がADを殴って陥没骨折させたことがあるんですけど」

殴って陥没骨折?

温厚そうに見えるのに、そんな荒くれた過去が!

まずそこが気になって仕方なくなり、
とてもその後の話を聞く気分になれなかった。

まったくもって話し始めは大切。

それにしても、
陥没骨折させた話をみんなが聞き流すと思っていたところも驚きだったなあ。


読書:『騒乱、混乱、波乱!ありえない中国』(小林史憲)

2014年11月26日 10時23分49秒 | エンタメのかけら

『ガイアの夜明け』でご一緒している小林プロデューサーの新刊。

頂いて、一気読みした。

タイトルは新書なのでやや扇情的だけど、
その中身は、中国取材の体験を綴った、あくまで実録。

だからノンフィクションなのだが、
読んでいるうちに、フィクションを読んでいる気分になってくる。

おそらく本書に書かれている中国の実情が、
僕たちの「現実」とまったく違うからだろう。
そこで起きる出来事は、まるで物語の中のヒトコマのようだ。

「好き」とか「嫌い」とかいう以前に、
僕たちは自分で思っている以上にあの国のことを知らない。

読み終えて、それを痛感させられた。

読書:『なぜ「地雷専門店」は成功したのか?』(デッドボール総監督&ハラ・ショー)

2014年11月22日 06時13分32秒 | エンタメのかけら

キワモノの、そして今や人気店となった風俗店のインサイド物。

帯に「自営業者は必読」とあるように、
ビジネス書としても頷きながら読むことができる。

しかしながら、僕はこれをリアル・コメディとして読んだ。
電車の中で読んでいて、何度も吹き出しそうになって困った。

一瞬、映像化したらおもしろいのではと思ったが、映像にしたらこのパンチは出ない。
活字でしかなしえないコメディ。

太田市の小学校

2014年11月21日 10時36分29秒 | その他のかけら

群馬県太田市のある小学校では、
もう生徒の半分近くがブラジル人だと聞いた。
ブラジル人が多いとは知っていたが、まさかそこまでとは。

興味ふかいのは、
ブラジル人の中にも二種類いるということだった。
「このまま日本に永住を希望している人」と「あくまで出稼ぎの人」。
両者には微妙な温度差があるそうだ。

このあたり、細かく取材することができたら、面白いかもしれない。

預けるほど損をする

2014年11月15日 09時07分02秒 | その他のかけら

言うまでもないが、今の時代、銀行の普通預金に金を預けたところで、
利息などほとんどつかない。

それどころか、時間外の引き出しや振り込みが多い人は、預けておいた方がむしろ
マイナスになることもあると、金融関係の知人に言われ、「そういうものか」と驚いた。

僕の場合、手数料がかかる使い方をすることがほとんどないので、そんなふうに考えたことはなかった。

そりゃあ、たんす預金も増えるよなあ。

空気の読めない選挙

2014年11月14日 09時42分05秒 | 業界のかけら


「こんな時期に選挙って。なんて空気が読めないんだよ」

日本テレビの局員が、そう憤っていた。

だが、別に社会的な理由で憤っていたわけではない。

日曜日の夜、日本テレビは高視聴率番組が並ぶゴールデンナイト。
12月14日はまだわからないが、21日は何かの番組のスペシャルを予定していたはずだ。
そこに選挙特番が入ってしまったら、視聴率は半分になってしまう。
2014年の各局視聴率競争、年末の稼ぎどきに、これは痛い。

まあ、これはテレビ局員にしか関係ない理由だけど、
「空気が読めない」という点に関しては僕も同意する。


野球中継のスタンダード

2014年11月13日 07時03分57秒 | 業界のかけら

野球中継の際、
センターから打席に立つ打者を撮るのが今ではスタンダードだが、
かつてはバックネット裏から撮っていた。

今のスタイルを始めたのは日本テレビだそうだ。

始めた当初は、
「捕手の出すサインが見えてしまう」
「打った後、今度は打者側のカメラに切り替わるので、
 ボールの飛んでいく方向が変わるのでわかりづらい」
という批判が集まったそうだ。

なんでも初めてことには批判が集まる。

しかし、その批判にくじけることなく、
この方が良いという信念を貫いてこそ、
新たなスタンダードは生まれる。

その陰にはスタンダードになりえなかった無数の可能性があるわけだが。

予約体質

2014年11月12日 05時41分01秒 | その他のかけら

数ヶ月前から予約しておかないと入れない飲食店というものがある。

そんな前から飲食店を予約するという行為が僕にはできないのだが、
世の中には平気でそれをできる人たちがいる。

しかし、最近気づいた。

僕だって、芝居やライブのチケットは平気で数ヶ月前に取る。

なんだ、あれと同じことか。
欲望の対象が異なっているだけのことだ。

美談の力

2014年11月10日 09時56分08秒 | アイデアのかけら

知人がSNSで、

「美談には、時として人を殺す力がある」

と書いているのを読んで、なるほどと思った。


次の瞬間、『美談死』という言葉が浮かんだ。

浮かんだはいいが、使いようがない。

取材お断りの理由

2014年11月07日 05時27分42秒 | 業界のかけら

以前、ロケをさせてもらったことのある、
某所の厨房のロケは、今回別番組でお願いしたら断られてしまった。

なんでも、あの後、某女性タレントがロケに来て、
本来は髪をすべてしまわねばならないコック帽から前髪をはみ出させ、
しかもぺちゃくちゃ喋りながら厨房で料理をいじる姿が番組で流れ、
多数の批判が寄せられ、以来、バラエティー番組のロケはいっさい断っているという話だった。

こういう話を聞くたびに思う。

「まったくなにやってくれるんだよ!」

タダの恐怖

2014年11月03日 14時21分26秒 | アイデアのかけら

先日の『古舘伊知郎トーキングブルース』の中で、
「大切なものはすべてタダ」
という話が出てきた。

僕たちが食べる魚も野菜もそれ自体は金銭を要求はしてこない。
僕たちがお金を支払っているのは、野菜を作る人間や魚を獲る人間に対して、
魚や野菜自体はタダである、という話である。

この話は清水寺貫主の森清範さんのお話が元ネタで、
仏教的な考え方に基づくものだろう。

しかしその一方で、
だからこそ人間の手によるものがタダだと、実は怖い。

最近、仕事の連絡にLINEを使うケースが増えているが、
この前、LINEに不具合が生じ、連絡に行き違いが起きたことがあった。

その時、急に思ったのだ。
「LINEに不都合が生じた時、僕たちは文句を言うことができるのか」

これがdocomoやSoftBankを使ったメールであれば、いくらでも文句は言える。
そのために料金を支払っているからだ。

しかし、LINEはタダ。
「そうは言いますけど、お客さんも料金を支払っているわけじゃないですよね」
と言い返されたら、返す言葉がない。

twitterにしても、Facebookにしてもそうだ。
SNSは、大半がタダ。

なんと危ういものに頼りきっているのだろうか。

あらためてそう考えた途端、急に怖くなってきたのだ。