映画鑑賞:『ある嘘つきの物語』

2012年10月28日 10時29分01秒 | エンタメのかけら

モンティ・パイソンのグレアム・チャップマンの自伝。

「自伝」とあるが、
あくまでタイトル上のことかと思っていたが、そうではなかった。
映画の中のグレアム・チャップマンのモノローグは、
彼が生前に録音してあったものだそうだ。

アフタートークに登場した監督の話によると、
当初グレアム・チャップマンのドキュメンタリーを計画。
そのため、彼のパートナーだった男性に、
なにかプライベートな映像が残っていないかと問い合わせたところ、
「映像はないが・・・」
と言って出てきたのが自伝の音声だったという。

しかし「自伝」とは言え、
その内容のぶっ飛びようはすごい。
正直、1回見ただけではついていくのに精一杯。

ネタばれになってしまうが、
有名なジョン・クリーズの弔辞の映像が使われている。
しかし、オチとも言えるあのセリフは出てこない。
なぜ、あそこまで使わなかったんだろう?
これもアフタートークで、
「ファンをやきもきさせるために、
 有名なスケッチを出してもあえて途中までしか使わなかった」
というようなことを監督が言っていたが、
似たような狙いなのだろうか。

いずれにしても早くDVD化してほしいものだ。

モデルの趣味

2012年10月24日 22時24分51秒 | 業界のかけら

あるモデルの資料を読んでいたら、
趣味の欄にこんなことが書かれていた。

「皮膚科通い」

けっして皮膚病なわけではなく、
美肌のケアのために通っているのだろうけど、
一瞬、「え?」と思ってしまった。

この資料、事務所が正式に出しているものらしいけど、
変な誤解をされるから「皮膚科通い」の趣味は削ったほうがよいのではないか。

あるいは、確信犯か。
それに僕がまんまと引っかかったのか。

マッサージと保険

2012年10月23日 00時05分31秒 | その他のかけら

行きつけの近所の美容室のオーナーが、
今度、マッサージ店を出そうと考えている。

店舗の場所も見つかり、
人材の確保も出来てきたのだが、
ひとつ懸念点があるという。

「マッサージはなかなか保険のOKが出ないんですよ」

たとえば美容室の場合、
うっかり耳を切ってしまったとか、
シャンプーがあわなくて頭皮が大変なことになってしまったとか、
なにかトラブルが起きた場合の保険があるそうだ。
治療費などもこの保険からおりる。

しかし、マッサージ業の場合、
こういった保険を受け付けてくれる保険会社がなかなかないらしい。

詳しく言うと、
患者が不注意でベッドから落ちて骨折した場合の保険はあるのだが、
施術が原因で体に不具合が出てしまった場合におりる保険がないのだ。

「数年前まではあったらしいんですけどね」

あった保険がなくなった。

という事実から考えられるのは、
保険会社が多額の金を払わされた可能性だ。
それだけ施術中の事故があったということか。

これはあくまで僕の推測であって真実かどうかはわからないけれど・・・
マッサージは信頼できるところに行った方がいいですね、やっぱり。

別れのキスのその後で

2012年10月20日 23時34分12秒 | ドラマのかけら

週末の夜の新宿駅。

酔客で混みあう駅の改札近くで、
若いカップルがキスをしていた。

ついつい目にとまってしまったのは、
女の子の風貌が、
そんな大胆なことをしそうなタイプではなかったからだ。

彼氏と別れた彼女は、
改札を抜けて、
電車を待つ列に並ぶ。
そして鞄から文庫本を取り出し、
目を落とした。

ただそれだけのことだけど、
一連の行動がとても印象的だった。

もしこんなシーンを書くことがあったら、
(それは一生ないと思うけど)
借用したいような光景だった。

だって思いつかないよ、
改札口で恋人と別れのキスをした直後、
ホームで文庫本を開くシーンなんて。

それにしてもあの彼女、
いったい何の本を読んでいたのだろうか。

つきだしと注文

2012年10月16日 07時57分34秒 | アイデアのかけら

注文した料理とその直後に出てきた「つきだし」が似たようなものだった。
そんな経験、飲み屋によく行く人ならば一度や二度はあるだろう。
あれはなんとかならないものかと、いつも思うのだが・・・。

昨日、近所の居酒屋に行った。
若い男性の店員が二人でやっているような店で、
地元でも安くて美味いと評判の店だ。

とりあえずイサキの刺身と厚揚げを頼んだ。
すると、

「今日のお通しイサキのフライなんですよ。
 もしあれなら他のお刺身でも」

こんなひと声をかけてもらったのは初めてだったなあ。

小さなことだけど、
こういう気づかいが店のファンを増やす。

マイナスの「あるある」を解決。
それはどんな小さなことでも「アイデア」だと思うのだ。

おすそわけ

2012年10月14日 23時54分52秒 | ホラーのかけら

知人の幼い頃の思い出話である。

当時、彼女は古い団地に住んでいた。

ある時、ご近所さんが天ぷらを作ったからと、
おすそわけしてくれた。

だが、その天ぷらは皿の上ではなく、
手のひらの上に乗せられていた。

そしてよく見ると、
天ぷらの具は金魚だった。

手のひらに乗せられた金魚の天ぷら。

それがどうなったのか、
残念ながら彼女の記憶にはないそうだ。

やる気のないタレント

2012年10月13日 07時10分05秒 | 業界のかけら

名前は書けないが、
かわいいと評判の某女性タレント。

トーク番組の取材で、
事前に質問項目を渡していたが、
まったく目を通していなかったようで、
その場で考え出したという。
限られた取材時間だから、
事前に質問項目を渡しておいたのに。
しかも出てくる話が、
ことごとくつまらないという。

あるいは別の番組で、
本人のプライベートについて、
いくつか自分で撮影してほしいとお願いし、
打ち合わせの時はOKしたのに、
あとで「やっぱりダメ」と全部断ってきたという。
一部ではない。
すべて断ってきたのだ。

バラエティー番組が主戦場ではない人だから、
あんまりやる気がないんだろうなあ、たぶん。

今日もまたどこかの番組が彼女をブッキングして、
後で頭を抱えているに違いない。

トークではなくVTRを観てワイプの中でニコニコしているだけの番組なら、
ちゃんと機能すると思いますけどね。

薬局の老婆と娘

2012年10月10日 17時38分58秒 | コメディのかけら

調剤薬局で順番を待っていると、
目の前に老婆とその娘がいた。
娘といっても、僕より年上の女性である。

老婆は壁に貼られたポスターの文章を声に出して読んでいた。

大きな声ではないので別に迷惑ではなかったが、
延々と続けているのはさすがにどうかと思ったのか、
娘が「おしゃべりはちょっと止めましょう」と注意した。

しかし老婆は止めようとはしない。
僕にも認知症の伯母がいたのだが、
伯母もそんなことがしばしばあったのを思い出した。

「私の話、聞こえてる?」と娘。
「聞こえてません」と老婆。

聞こえてるじゃん。

娘もそう思ったようで「聞こえてるでしょ」と繰り返した。
すると老婆も「聞こえてません」と繰り返した。

端から見ると微笑ましくも思えるが、
これも同様の経験をしたことがあるからわかるけど、
家族はとてもストレスに感じていることだろう。

端から見れば喜劇でも当事者には悲劇。
世間ではよくあることだが、今日観たこの光景もその1つ。



ミシュランとトイレ

2012年10月10日 11時15分22秒 | アイデアのかけら

先日、仕事がらみの会食があったのだが、
その店というのがミシュランガイドで星をとったという店だった。

たしかに料理は美味しかった。

だけど、問題はトイレだ。

店内にトイレはなく、
ビルの共用トイレを使うのだ。

これはかなり面倒。

美味しい店をよく知っている友人が、
トイレは飲食店の重要なポイントの一つ、
優れた店主ほどトイレに気を使う、
と言っていた。

たしかにどんなに素敵な内装と美味しい料理の店でも、
トイレに堂々と「消臭力」が置かれていたらがっかりする。

ましてやビルの共用トイレじゃなあ。

それなりにきれいなトイレではあったが、
使い勝手という意味では非常に悪い。

ミシュランの調査員はそういうところは気にしないのだろうか。
それともその旨は書いてあるのだろうか。
(実はあの本をちゃんと読んだことはないのです)。

つくりハガキ

2012年10月07日 08時53分23秒 | 業界のかけら

ラジオ番組の構成をやっていると、
「つくりハガキ」という作業をしなければいけないことがあった。

リスナーからのハガキを募集したが、
いい投稿がなかった場合、作家がネタを作るのだ。

しかしただネタを作ればいいというわけではない。
僕が初めてついたラジオ番組では、
パーソナリティーにバレないように作らなければいけなかった。

筆跡がいつも同じだとバレてしまう。
だから一生懸命、筆跡を変えて書いた。
同じ筆跡でもペンが違えば印象が変わるからと、
いろいろなペンを用意した。

男性の文字ではマズい内容もある。
そういう時は、内容を伝えてデスクの女性スタッフに書いてもらった。

若者向けのAMラジオに来るハガキに、
ただ文字だけが書いてあるものはほとんどない。
みんな、目立つように工夫をこらしてある。
だから「つくりハガキ」もなるべくそれに馴染むよう絵や色で飾った。

たまたま同時期にラジオ番組を手がけていた作家仲間と話していて驚かれたのは、
僕の携わっていた番組は、「つくりハガキ」用のハガキまで作っていたことだ。

どういうことか。

「つくりハガキ」はもちろん、普通の官製ハガキで作るのだが、
新品のハガキだと消印がない。
これではパーソナリティに不自然だと思われてしまう。
そこで鉛筆で薄く住所を書いたハガキを番組宛てに送り、
その文字を消して、「つくりハガキ」用にしていた。

今から思えば、
果たしてそこまでやる必要があったのかという気もするが、
それもパーソナリティーのテンションを下げないための「演出」の1つだったのだろう。

現在のラジオの投稿の主流はメールだ。
今の現場ではどうしているのだろうか。
ハガキよりメールの方が手軽に送れるから、
いい投稿がなくて困るということはないのだろうか。

メール主流の時代になってから、
その手の番組の構成をやっていないので、
僕にはよくわからないのだ。

楽屋を訪ねる

2012年10月02日 07時45分35秒 | 業界のかけら

仕事柄、芝居を見終えた後に楽屋を訪ねることがよくある。

この時、出演者になんと言っていいのか、いつも困ってしまう。

古い知り合いならばまだいいが、
仕事がらみで知り合った方の舞台の時は、
本当に困ってしまうのだ。

手短になんと言えばいいのか。

その正解はいまでもわからないのだが、
先日、親しい役者から「これは言わない方がいい」という言葉をいくつか教えてもらった。

「いい役でしたね」
僕はよく言ってしまうのだけど、これはよくないそうだ。
役者の演技を褒めているのではなく、
戯曲上の人物造形を褒められているように感じるからだという。
要は「私じゃなくて、作家を褒めてるだけじゃん!」
ということである。

そういうつもりで言っているわけじゃないんだけど・・・。
でも、そう取られてしまうのであれば、避けた方がいいだろう。

「熱演でしたね」
これも言われても嬉しくない言葉の1つだそうだ。
理由は忘れてしまったが、なんとなくわかる気もする。

とりあえず上記の二つは避けることを心がけ、
楽屋を訪ねて、短く印象的な言葉を残しさっと去っていく、
そういう人に私はなりたい。