運動会と椅子

2009年05月31日 08時20分45秒 | コメディのかけら

少し前の話だ。

娘の運動会に行くと、
場内整理の母親たちが、
釣りなどに使う小さな椅子に腰掛けていた、
おばあさんを注意していた。

どうやらそのおばあさん、
膝が悪くて地べたに座るのが辛いらしく、
椅子に座っていたようだ。
座っている場所も校舎の壁面に沿った場所で、
後ろの人の邪魔になっているわけでもないのだが、

「すいません、そういう決まりなもので」

母親たちはそう繰り返して、
おばあさんを椅子から下ろした。

家人に聞いたら、
なんでも今年から運動会で父兄の椅子の使用は禁止になったのだそうだ。

ここにいくつか納得できない点がある。

一つは「なぜ禁止にしたのか?」ということだ。
理由の説明できない禁止は、暴力だと思う。

まあ、普通に考えられる理由は、
「椅子に座られると後ろの人が見えなくなってしまうから」
だろうが、
それだと今回のおばあさんには当てはまらない。

それに、そもそも今年の観覧エリアであれば、
ほぼどこでも、椅子に座っても後ろの人の妨げにはならない。

なのに、何故、禁止したのか。

もう一つ納得できないのは、
膝が悪くて地べたに座るのが辛いと言っているおばあさんからも、
「規則だから」と椅子を取り上げる、
その柔軟性のなさだ。

そして僕がなにより不気味だったのは、
万人が納得する理由もなく(明らかにされず)、
しかも臨機応変な対応もできない規則を、
学校が作ったことだ。

学校は、そんなふうに子どもたちを教育していくのではないか。

そう考えると、
ちょっと怖くなった。

今回の一部始終を、
道徳のテキストにしてみたらどうだ?
子どもたちはなんと言うだろうか。

椅子から追われたおばあさんは、
地べたに座りながら、
伸ばした膝をしきりにさすっていた。

キャバクラと英会話

2009年05月30日 10時26分40秒 | コメディのかけら

知り合いがキャバクラに行ったら、
席についたキャバ嬢に、

「私、英会話を教えてるんです」

と言われたそうだ。

といっても、
英会話学校で教えているわけではなく、
カフェなどを使っての個人レッスン。

その値段を聞けば、
キャバクラに来るよりはるかに安い。

「しかもレッスンの後、店外デートできるかもしれへんしな。
 これは絶対お得やで」

と言った、彼が本当に彼女からは英会話のレッスンを受けたのか。

残念ながら、その後、会う機会がないので、
結果報告は聞いていない。

猫カフェのキャバクラ化

2009年05月29日 02時03分27秒 | コメディのかけら

僕が疎いだけかもしれないが、
猫カフェが大変なことになっている。

ある店では、
店内に個室があり、
お気に入りの猫を指名して、
その個室でツーショットになれるとか。

あるいは別の店では、
携帯のアドレスを教えると、
猫からメールが来るとか。

どう見ても「猫カフェ」というより、
「猫キャバ」ではないか。

そのうちナンバーワンの誕生日には、
店先に花が並ぶに違いない。

サクマ式ドロップ

2009年05月25日 23時26分06秒 | アイデアのかけら

突然だが、
「サクマ式ドロップ」は、
なんと重層的な魅力に満ちた商品であることか、
そう思ったのだ。

8種類の味が楽しめる。
それは魅力の一面に過ぎない。

①:いろいろな味を食べ比べることができる。

②:「僕はこの味が好き!」と友だち同士で言い合える、
  一種のコミニュケーションツールにもある。

③:缶を振ってどの味が出てくるかわからないギャンブル性。
( ちなみに子どもの頃はハッカが出てくるとガッカリした)

サクマ式ドロップのこれらの魅力は、
アイデアのいい手がかりになりそうだ。

試聴:『ムチと罰』

2009年05月24日 09時39分13秒 | エンタメのかけら

SKDエンタテイメントという会社から、
『ムチと罰~ドSソング・コンピレーション』というCDが送られてきた。

オリジナルではなく、
既存の楽曲の中からドSな歌詞の楽曲を集めた、
カヴァーアルバムである。

なるほど。
中身を聴く前から、
このアイデアにはやられた。

肝心の楽曲ラインナップは、
僕は知らない曲が多かったのだが、
『イジメテミタイ/スガシカオ』
『BLACK&BLUE/中島美嘉』
など曲名や歌詞を見れば、
確かに”ドSっぽい”と納得する曲が並ぶ。

一番笑ったのは、
『NAINAI16/シブがき隊』

この曲のどこがドSと思ったが、
あらためて歌詞を見れば、

♪ジタバタするなよ!
 世紀末が来るぜ1
 欲しけりゃ今すぐすがりつけ!

あ、Sっぽい。

ちなみに曲のアレンジは、
チープな感じのエレクトロが中心。
ヴォーカルはすべてウィスパーあるいはロリータな女性ヴォーカル。
まあ、このあたりは趣味が分かれるだろうが。

それは差し引いても、
”ドS”という視点でくくるそのアイデアにやられた。

しかし、
このCDを送ってくれた会社、
僕はまったく知らないんだよなあ。
どうして送られてきたのか。
宣伝のために放送作家にばらまいているのか。
それだけが今だに謎である。
 

「新型インフルエンザ」に対する免疫

2009年05月23日 14時52分52秒 | その他のかけら

新型インフルエンザのニュースを見て思うのは、
もっとインフルエンザに関する基礎知識をちゃんと伝えるべきではないか、
ということだ。

まるで新型インフルエンザだけが「恐怖の病」のような感じだが、
従来のインフルエンザだって、
毎年、お年寄りを中心にかなりの方が亡くなっているはずだ。
(死因は肺炎というかたちになっているのかもしれないが)

そう、そもそもインフルエンザは死に至る病なのだ。

もちろん、新型インフルエンザの本当の恐怖は、
「ワクチンがないこと」であり、
「強毒性に変異する可能性がある」ということであり、
「冬場まで続けば爆発感染につながる危険がある」ということであるのは、
十分承知しているが、
現時点では、従来のインフルエンザと比べて、
驚くほど怖い病というわけではなさそうだ。

この機会にインフルエンザという病について、
正しい知識を広めておく。
それをしておかないと、
万が一、今より事態が悪化した時、
パニックはこの程度では済まないはずだ。

ウイルスに対する免疫と同時に、
「新型インフルエンザ」という言葉に対する免疫も、
つけていく必要があると思う。


TATTOをめぐる話

2009年05月22日 08時50分13秒 | コメディのかけら

女性彫り師の話を聞く機会があった。
酒の席だったので、
残念ながら大半は失念してしまったが、
かろうじて覚えていることをメモしておく。

刺青を入れるとき、
特に痛いのは、
柔らかい場所や骨が皮膚のすぐ下にある部位だそうだ。
彼女の師匠曰く、
「尾てい骨のところが一番痛い」

場所によって、
刺青がのりにくかったり、
あるいはすぐに褪せてしまうという。
たとえば、ひじのようによく動く場所は、
すぐに色褪せてしまう。
粘膜も刺青がのりにくい。
彼女は客の唇の裏側に刺青を入れたことがあるが、
その時は3回彫って、
ようやく刺青らしくなったそうだ。
唇の裏側に刺青とはなんとも痛そうな話だが、
そんなに痛い思いをしても、
刺青自体はそんなにもたないらしい。

若い頃、
下手な彫り師に彫られた刺青を直してほしい、
そう頼んでくる人もいる。
ある老人は、
若い頃、ペニスの先に蛇の刺青を入れたのだが、
これがどうにもこうにも蝿にしか見えない。
(どういうデザインなんだろう?)
それで、ちゃんと蛇に見えるよう彫り直してほしいと頼んできたそうだ。

ワンカップの演出

2009年05月20日 00時45分50秒 | コメディのかけら

舞台上で酒を使う場合は、
本物の酒を使うことはまずない。

例えば、
缶ビールであれば、
目立たぬ場所に穴を開けて中身を出し、
代わりにそこからお茶などを入れる。
これならば、
ちゃんとプルトップを開けることもできる。

最近見たある舞台で、
ワンカップの日本酒が使われていた。
当然、中は水かと思っていたら、
なんと本物の日本酒だという。

舞台上でかなり飲んでいたのに・・・。

なぜ、本物の日本酒を?

実は事前に小道具さんが、
中身は水にしましょうか、
と言ったそうなのだ。

だが、演出家はしばらく考えた後、

「中身は本物でいきましょう」

なんだ、このこだわりは。
黒澤明か。

ちなみに、
その日本酒を飲む役は、
演出家自ら演じていた。

飲みたかっただけか。

新大阪駅で駅弁を買う

2009年05月19日 01時13分20秒 | 旅のかけら

大阪で芝居を見た帰り道、
珍しく駅弁を買う。

これは明らかに、
同じ事務所のヨネスケ師匠のブログ『駅弁!空弁!食べて答弁!』の影響。
(このブログかなりおもしろいので、ぜひチェックしてみてください)

で、買ったのは『多幸の宝箱』という
たこ尽くしの駅弁。

たこむす、たこの唐揚げ、たこ飯、イイダコ姿煮、たこウインナー。
たこウインナーは形だけのシャレか、たこの身が使われているかは不明。

最初、この駅弁を見つけたのは、
新幹線改札口を入った広場の駅弁屋。

しかし、売り切れだった。
というか、まだ昼の12時だというのに大半の駅弁が売り切れ。

がっかりして、駅弁は諦め、新幹線ホームへ。

飲み物を買おうと、ホームの駅弁屋に入ると・・・
あった!お目当ての駅弁が。
それだけではない。
階下では売り切れだった駅弁が、
ほとんどまだあるではないか。

そうか、みんな階下の広場で買おうとして、
ホームの駅弁屋は見ないのだな。

新大阪駅で駅弁を買うなら、
ホームの駅弁屋が狙い目ですよ。

観劇:スイス銀行公演『地球のみなさん、悪く思わないでください』

2009年05月17日 23時37分21秒 | エンタメのかけら

友人の久野麻子さんが、
同じく女優の嶋田典子さん、
放送作家の枡野幸宏さんと旗揚げした演劇ユニット「スイス銀行」の
旗揚げ公演を見に、伊丹AI・HALLに行った。

高校の修学旅行を舞台にした、ある種の謎解きもの。

芝居の感想は略すが、
芝居を見ていると、ついつい色々なことを考えてしまう。

今回は”謎解き”について考えた。

謎解きの快感は、
それまでのストーリーに埋め込まれた”謎”に対する答えが明らかになる点だ。

だが、謎解きというのは同時に”説明”でもある。
説明というのは、得てして退屈なものになりがちである。

思うに、”謎解き”には適当な長さがあるのだと思う。
快感と退屈とをわけるある長さが。

その長さを越えてしまうと
どんなに巧みに謎が散りばめられていても、
退屈になってしまうのではないか。

別に今回の芝居の謎解きが退屈だったわけではない。
ただ、謎解きの快感に浸りながら、
その危うさというものについて考えてしまったのだ。

隠語が鳴り響く

2009年05月13日 09時36分49秒 | コメディのかけら

先日、ERを併設する大学病院にいたら、
館内にこんなアナウンスが流れた。

「コードブルー!コードブルー!」

”コードブルー”とは、ドラマのタイトルにもなったが、
医療現場の隠語で患者の容態が急変した際の「緊急事態発生」を表す。

そもそも隠語というのは関係者にしかわからぬよう使われるものだが、
あのドラマのおかげで、「コードブルー」の意味はかなり知られてしまったはずだ。

もはや隠語としての価値は半減。

あの時の「コードブルー!」というアナウンスを聞いて、
「お!」と思った人は僕以外にもたくさんいたに違いない。

と書いたものの、実はドラマ自体はほとんど見ていないのだが。

隠語といえば、
昨年公開された映画『252』も、
”252”というのが「要救助者」を表す実際の符牒のため、
最初、消防庁が難色を示したという話を聞いたことがある。

だからといって、『212』や『353』のように勝手な符牒を作っても
意味不明だし、『551』ならば豚まんだ。

でも、結局、『252』で大丈夫になったようだ。

電車の中でそこまで

2009年05月12日 13時37分25秒 | コメディのかけら

今や電車の中で女性が化粧をするのは、
日常の風景と化した。

だが、今日見かけたこれはどうだ?

中学生か高校生、
体育部もしくはスポーツ帰りといった服装の女の子だった。

電車に乗るなり、
カバンから小さなボトルを取り出し、
キャップを取ると、
服の裾から中にボトルを入れた。

え?

まさか・・・。

右脇。
左脇。

つまり、今、僕の目の前で塗っているのは、
消臭的なアレなのか。

これから彼氏に会うのかもしれない。
だから汗臭いのが嫌だったのかもしれない。

でも、電車の中で消臭的なものを、
脇の下に塗るのはどうなんだ?

まあ、それはそれでおもしろい光景ではあったけれど。

リサイクル・カレー

2009年05月11日 07時52分57秒 | その他のかけら

先日、夕食の豚汁が微妙に余ってしまったので、
翌日の昼、カレー粉+スパイス的なものを適当に入れて、
カレーにして食べた。

これ、何かの本で読んだキャンプ料理の使いまわし術だが、
出来上がったカレーは、
豆腐やこんにゃくが入っている奇妙なものではあるが、
味は悪くない。

また別の日、今度はラタトゥユが余ってしまったので、
同じようにカレーにしてみた。

これはこれで悪くない。
野菜カレーだ。

そうか。
たいていの煮込み料理はカレーになるのだな。

リサイクル・カレーだ。

そう考えると、
カレーとはなんと地球に優しい料理なのか。

遠くから青山を見ていた土曜日

2009年05月10日 09時03分24秒 | その他のかけら
けっして熱心な聴き手ではない。

それにもかかわらず、
忌野清志郎さんの「死」に囚われた一週間だった。

ふと気がつくと、
頭の中にその歌声が流れていた。

昨日、青山で葬儀式があった。
アオヤマ・ロックンロール・ショー。

顕花に4時間という行列に、
足を運ぶほど熱心なファンではない。

でも、インターネットは便利だ。
参加している人たちの実況がいたるところにある。

文章が。写真が。動画が。

そんなものを眺めていたら、
あっという間に1日が終わってしまった。

自宅にいながら、
ずっと青山方面を眺めていた、
そんな土曜日だった。

自転車とキャリーバッグ

2009年05月09日 08時29分41秒 | その他のかけら

前方から二人乗りの自転車がやってきた。

後ろに乗って人がキャスター付のキャリーバッグを持ち、
ゴロゴロと引きずっている。

まるで自転車自体にキャリーバッグを連結させて、
引っ張っているようにも見える。

まあ、この行為自体は勧められたことではないけど、
ちょっとおもしろい光景。

記憶しておこう。