夏の燗酒~

2011年06月29日 07時21分08秒 | チシキのかけら

先日、東村山にある豊島屋酒造という酒蔵に行った。
『金婚』『十右衛門』といった酒を作っている酒蔵だ。

ちなみに「東京で作った日本酒なんて」と偏見を持っている人もまだ多いようだが、
(僕もある時期までそうだった)
実際は7つか8つある酒蔵の大半が、
全国の品評会で金賞銀賞に輝く、
今や東京は「日本酒の名産地」なのだそうだ。

日本酒は好きだが、
酒造りに関する知識などはまったくないため、
いろいろと興味深い話を聞いたが、
その中に酒の飲み方に関するこんな話があった。

「世界にはたくさん酒があるが、
 温めて飲む酒は日本酒と紹興酒ぐらい」

確かに言われてみればそうだ。
もちろん、蒸留酒をお湯で割って飲むこともあるし、
ワインを温めて飲むこともあるが、
日本酒の燗とは意味合いが違う。

「夏の燗酒もいい」

日本酒好きの中には夏でも燗酒を好む人も多いという。
夏場の弱った胃腸には、
温かく、冷で飲むより少ない量で酔える燗酒のほうが、
体にもやさしいという。

実際、酒蔵で燗酒も飲ませてもらった。
『十右衛門』の純米無濾過原酒(生・火入)を、
40℃ほどのぬる燗で飲んだ。

「生酒」を燗にするなんてと思ったが・・・。
いやいや、これが旨い。
冷で飲むのとはまったく味が違う。
なんというか燗にしたほうが「ふわっ」とした味わいになる。

まあ、酒は嗜好品なので、
どちらが旨いと感じるかは人の好き好きだが、
僕はぬる燗のほうが旨いと感じた。

いい飲み方を教えてもらった。

余った冬物の行方

2011年06月26日 09時35分49秒 | その他のかけら

被災地に送られた冬物の服や毛布が、
季節が変わってしまい余っているという話は知っていたが、
ある業者が、
それを引き取り軍手に再生して、
再び被災地に送ったという話を先日聞いた。

なるほど。
そういう方法もあるのか。

わきの下

2011年06月25日 00時08分30秒 | コメディのかけら

公共の場で化粧をする女性は見慣れた。

だが、
駅のホームでわきの下を拭いている女性には驚いた。

タンクトップ姿の、
けっこうな美人が、
わき汗シートで、
わきの下を拭いていた。

マニアにはたまらん光景だろうが、
マニアじゃなくても思わず見てしまう。

公共の場でムダ毛処理する女性が現れるにも時間の問題か。

ロケハンのための音楽

2011年06月24日 10時41分13秒 | 業界のかけら

数年ぶりに『世界遺産』の仕事をした。
今回はBSでやっている『THE世界遺産3D』。

そこで以前仕事をしたディレクターと、
これまた数年ぶりに再会した。

彼から聞いた話だ。

そもそも僕が『世界遺産』の仕事に携わったのは、
番組の選曲をしているのが仕事仲間であり友人だったからだ。

本職はラジオのディレクターであるその友人は、
音楽への造詣も深く、
『世界遺産』の選曲はとても気に入っている仕事のようだった。

その証拠に、
当時まだ独身だった彼は、
しばしば女性を家に誘うと、
自分が選曲した『世界遺産』を見せた、
という実しやかな噂が語られたほどだ。

その友人は、
残念ながら数年前に亡くなってしまったのだが、
彼が残したものが今でも役立っているという。

それは、
ロケハンの時に聴くための音楽だ。

ディレクターがロケハンに出る前に、
その地に合いそうな音楽を選んで送ってくれたのだという。

音楽を聞きながら風景を見ると、
イメージがふくらみ、
撮影やその後の番組作りにとても役立つそうだ。

こんな番組作りへの参加の仕方もあったのか。
今まで知らない話だったので、驚いた。

「ただね」

と最後にディレクターは言った。

「ファイルに曲名が書いてないので、
 いざ使おうとすると探すのが大変なんですよ」

いい話に終わらないあたりが、
それまた友人の人柄にあっていて、
それはそれでまたいいと思ったのだ。

待たされてたのにないと余計にがっかりするのだ

2011年06月23日 23時25分52秒 | アイデアのかけら

「ビ○グカメラ」に扇風機を買いに行ったのだ。

ここでちょっとどうかと思う事態に次々と遭遇した。

夏を前に家電を買う客は多かったが、
とはいえ平日の午後なので満員というほどではない。
なのに、店員が足らない。
商品説明などの案内をしてもらいたい場合、
受付に名前を告げて、
それでも15分待ち。

店員の数が少ないんじゃないか。

ようやく案内の店員が来て、
目をつけた扇風機を欲しいと頼む。
在庫を確認してきますと言われ、待つこと5分。
「在庫切れで。早く7月27日になります」

待たされて「在庫がない」と言われると本当にがっかりする。
いちいちバックヤードに戻らず在庫の有無を確認するシステムは組めないものか。

どうしてもその扇風機が欲しいと思い、
他店に在庫がないか確認してもらうと、
すぐに有楽町店に2つあることがわかった。
そこで後で買いに行くから押さえてくれないかと頼むと、
「電話がつながるかどうか」と露骨に嫌そうな顔。

というか、店どうしをつなぐ別番号はないのか。

またしても15分ほど待たされ、
返ってきた答えは、
「残っていた2台も他のお客様のお取り置きになっておりまして」

端末で他店の在庫を確認できるシステムを組んでるなら、
それが取り置きかどうかまで確認できるようにしておけよ。

反面教師。
販売店の皆さん、
客はこういうことで一気に購買欲を失うのだ。
よろしくお願いします。

窓越しに話す男女

2011年06月20日 08時28分34秒 | ドラマのかけら

旅先で見かけた光景だ。

長距離バスの始発バス停で、
若い男女が別れの抱擁をしていた。

そして女性だけがバスに乗り込んでくる。

発車までまだ2、3分はあった。

すると女性の携帯電話が鳴った。

電話の相手はバスの外で見送る男性だ。
窓越しに携帯で会話する二人・・・。

この光景がなんとなくまぬけに見えるのは僕だけだろうか。
そんなに名残が惜しいならば、
ギリギリまでバスの外にいればいいじゃないか。
始発なのだからおいて行かれることはないはずだ。

それとも実は女性は早く男のもとから去りたかったのだろうか。
となると、この光景はかなり複雑なものとなる。

携帯電話が生み出す不思議なシーンだった。

おいしくなったメジナ

2011年06月19日 06時49分48秒 | チシキのかけら

釣り好きの知人から聞いた話なので、
どこまで本当のことなのかは保証できない。

メジナという魚がいる。
食卓にはあまりのぼらないが、
磯釣りでは人気の魚である。

白身の魚で、
焼いてよし揚げてよしの魚であるが、
このメジナ、
かつてはおいしくなかったという。

というのもメジナ本来のエサは海藻。

ところがある時期から、
メジナ釣りにオキアミが使われるようになった。

そもそもオキアミは最初食用として持ち込まれたが、
臭いがきつくて食用には適さず、
釣りのエサに使われるようになったらしい。

メジナ釣りでは、
撒き餌として大量のオキアミが海に撒かれる。

そんなオキアミを食べるようになってから、
メジナは格段においしくなったという。

ある意味、養殖じゃないか。

釣り人による養殖によっておいしくなったメジナを
釣り人たちは今、喜んで釣っている。

なんとも奇妙な話だ。

再びmixiの話

2011年06月18日 15時29分34秒 | その他のかけら

前々回に書いたmixiの機能変更に対する不満だが、
同じように感じている利用者は多く、
「mixi足あと改悪反対!」と題されたコミュニティの参加者は、
24万人を超えたという。

しかしそれでもmixiの全登録者の1%に過ぎないというのだが・・・。

今でもmixiを頻繁に利用している人がどれぐらいいるのだろうか。

少なくとも僕のまわりではmixiなどもはやまったく話題にものぼらず、
ここ2、3年はマイミクも一人も増えず、
さらにいえばマイミクの半数以上がもう1年以上もアクセスしていないようだ。

mixi利用状況の実態はどうなっているのだろうか。

そんなこと絶対に公表することはないだろうけど、
巨木の中はもはやスカスカな気がしてならないのだ。

東尋坊

2011年06月16日 00時09分13秒 | 旅のかけら

初めて東尋坊に行った。

自殺の名所として知られている場所なので、
どんな場所なのかと思っていったら、
あの有名な断崖に至るまでに道の両脇には、
土産物屋が軒を連ね、
客引きの声も賑やかだ。

梅宮辰夫の漬物の店もあった。

自殺しに来た人は、
さすがにこの道は通らないのだろうか。
それとも店が閉まっている時間に行くのだろうか。

だって梅宮辰夫の店のある通りだ。

自殺への花道にしてはあまりにのんきじゃないか。

迷走するmixi

2011年06月14日 21時38分38秒 | その他のかけら

往年の輝きはとっくに失せたものの、
mixiはいまだに国内最大のSNSらしい。

僕はけっこう初期からのユーザーだが、
ここ最近のmixiの迷走ぶりには呆れている。

twitterが登場後しばらくして、
似たような機能が付け加えられた。

そして次にFacebookが登場したら、
またそれに似せた機能や仕様変更をするようになった。

特に今回の仕様変更はちょっと理解に苦しむ。

mixiには「足あと」という機能があった。
自分のページを誰が何時何分に訪ねて来てくれたがわかる機能で、
それはtwitterにもFacebookにもない機能だ。

僕の場合、
mixiがお互いの近況を知る一番の手立てとなっている友人知人が数人おり、
いまだに続けているのはそれが理由でもあるのだが、
そういった人々がいつ僕のページを訪ねてくれたかを知ることで、
しばらく会っていなくても、
「繋がっている」と強く感じてきた。

しかし、今回「足あと」の機能がなくなった。
代わりに新しく一週間分の訪問者をまとめて表示する機能がついた。

運営者曰く「足あとがより気軽な存在になりました」

なんじゃ、そりゃ。

この仕様変更は誰に向けているのだろうか。

日本最大のSNSとはいいながら、
mixiの会員の多くは今や幽霊会員だろう。
今後新たな加入者が大量発生すると思えない。
ならばいまだに愛用しているユーザーに対する配慮がもう少しあってもいいと思うのだが。

テレビ番組もそうだけど、
迷走のはじまりは終わりのはじまりだ。

まあ、mixiにとって僕は金を払っている客ではないので、
こんなことを言ったところで響かないのだろうけれど。

企画書がMAXの罠

2011年06月11日 11時16分19秒 | 業界のかけら

企画書に書かれた例が実はもっともいいネタで、
いざ番組を作りはじめたら、
それに並ぶようなネタがなかなか見つからず苦しむことがある。

優秀な企画者の場合、
そういった事態に陥らぬように
企画段階でネタが潤沢にあるか探っておく。

だがそれは理想であって、
企画提出の期限に迫られていると
なかなかそこまで手が及ばないことも多い。

ということで、
今とても苦しんでいるのだ。

ブルーマンを呼ぶ

2011年06月09日 08時11分07秒 | エンタメのかけら

あるラジオ番組の打ち合わせ中、
同席していた代理店氏が、

「ブルーマンが呼べますよ」

と言い出した。

みんな驚いて一瞬間ができると、
彼は得意げに続けた。

「実は一人でカタコトですけど日本語が喋れるんです」

彼はここでいくつかの間違いを犯していることに気づいていない。

ラジオでは姿は見えない。
そこで今まで声を聞いたことのないブルーマンが喋っても、
リスナーには本当にそれがブルーマンなのか、
それとも適当に仕込んだそこらの外国人なのか、
区別がつかない。

そしてそもそもブルーマンは喋っていいのかという気もする。
あくまで無言だからいいのではないか、ブルーマンは。

代理店氏は冗談で提案したのか。
ならば高度な冗談だ。
でも、あの顔を見る限り、とても冗談とは思えない。

観劇:ナイロン100℃公演『黒い十人の女』

2011年06月07日 09時31分26秒 | エンタメのかけら

原作である映画を観ていくかどうか迷ったが、
おおかたのあらすじは知っていたので、
やはり観て行ったのだった。

結果的に僕としてはそのほうがよかった。

それは以下のような理由だ。

・誰がどの役をやるのか。
 配役の妙をより楽しむことができた。

・映画のあのシーンを舞台でどう表現するのか。
 演出の妙、構成の妙をより楽しむことができた。

・十人の女といいながら原作でスポットが当たるのは五人程度の女だ。
 「version100℃」では、原作では影の薄かった女たちの代わりに新たな女が創られていた。
 新たな女たちが既存の物語にどう入り込んでくるのか。
 
 ちなみに映画では脇だった役がかなり大きな役になっているのも、
 事前に映画を観ておくとわかる脚色の妙。

と、書くと、映画を観ておくことをかなり勧めているようだが、
別にそういうわけではない。
一応サスペンスなので、純粋にストーリーを楽しみたい方は、
予備知識がないほうが楽しめるだろうし、
そもそも舞台作品として完成しているものであるから、
原作を知っていようが知るまいが楽しむことができる。

上記は事前に映画を観てから舞台を観ると、
こういう角度の見かたができたという、
あくまで僕の極私的感想に過ぎない。

舞台袖のゲーム

2011年06月06日 07時41分37秒 | 業界のかけら

舞台の本番中、
出番待ちの役者は何をしているのか。

中にはずっと役作りをして身構えている者もいるかもしれないが、
大半はくつろいでいる。

僕も知り合いの役者から、
本番中にメールの返事をもらったことがある。

しかし、テレビでもよく見かける某芸能人の話はさすがに驚いた。

ずっとゲームをやっているという。
しかも楽屋だけではない。舞台袖でもやっている。

主役なので出番は多い。
出番の直前まで舞台袖でゲームをし、
袖に引っ込んできたわずか間にゲームの続きをし、
再び舞台に出ていく。

そんな状態では舞台がおろそかになりそうだが、
切り替えがすごいらしい。
共演者曰く「あの切り替えは天才的だ」


だから、観客の誰一人として、
彼が舞台袖そんなことをしているなど夢にも思わなかっただろう。

それもまたプロである。

史上最強の過去を持つAD

2011年06月04日 07時56分37秒 | 業界のかけら

その新人ADの前職は自衛隊員だった。
しかも精鋭が集まる習志野の部隊にいたらしい。

しかしそれでは飽きたらずアメリカに渡り、
狙撃犯だったか大統領の警護だったかは忘れたが、
かなりハードな職種についた。

そして帰国。
彼が新たなに選んだ仕事は、
なぜかテレビのADだったのだ。

そんな彼の初仕事となる特番で一緒になった。

今から思えば、
制作期間のかなり短い、
強行軍の特番だった。

おそらく彼もほとんど眠れぬ日が続いただろう。

収録直前のある日、
突然、彼は上司のもとにやってきて、
「辞めさせてほしい」と言ってきた。

「こんな大変な仕事を続ける自信がなくなった」

元自衛隊の精鋭もネを上げる仕事・・・。

ADは過酷な稼業ときたもんだ!