歯科見学会

2013年02月28日 21時34分57秒 | コメディのかけら

渋谷で妙なものを見かけた。

歯科見学会だ。

そう書いた看板を持った女性たちが、
通行人を呼び込んでいた。

中には「今日が最終日です」と言っている者もいる。
「今ならもれなくプレゼント」と書かれた看板を持っている者もいる。

歯医者の見学会。
そんなものがあるのか。

道行く人に声をかける彼女たちの姿を見ていると、
一時期よく渋谷に出没した絵を売る女性たちを思い出す。
あの誘いにのこのこついて行くと、
言葉巧みに気がつくと絵を売りつけられているという噂だった。

まさか歯医者でも同じことが行われているのではないだろうか。

言葉巧みに気がつくと歯石を削られているのだ。
あるいは虫歯を治療されているのだ。
中には毎日のように通ううちに、
保険のきかぬ高価な治療を受けさせられている老人もいるかもしれない。

恐ろしい。

歯科見学会。
それにしてもいったい何を見学させてくれるのだろうか。

白い影、行き止まりの部屋

2013年02月24日 06時33分53秒 | ホラーのかけら

『100KAIDAN』を書くために、
会う人会う人に「怖い体験談はないか」と尋ねていた時期があった。

いろいろな人が、体験談を話してくれた。

しかし残念ながら、その大半は、調理の仕方がわからなくて使用しなかった。
そのいくつかをここに記録しておこう。

音声スタッフが教えてくれたのは、
ある撮影所に現れる白い影の話だ。
最後にスタジオを出るスタッフが扉を閉めようとすると、
天井近くのキャットウォークを白い影が歩いているのだという。
この白い影を目撃した人は数多く、
その撮影所では有名な怪談だそうだ。

あるいは別のスタッフが話してくれたのは、
僕もよく行くスタジオの話だ。
そこには全部で4つのスタジオがある。
その中の1つの入口付近に謎のドアがあるという。
ドアを開けると、あるのは廊下のような細長い部屋。
しかも突き当りは行き止まり。
足元はなぜか砂利なのだそうだ。
なんのために、そんな空間があるのか、さっぱりわからない。
今度確認にしに行ってみようかと思っているのだが、
残念ながらまだその機会がない。

放送作家と服装

2013年02月19日 08時21分01秒 | 業界のかけら


作家仲間のたむらようこさんは、
ある時期よく和服で会議に登場し、
みんなを驚かせたものだが、
上にはまだ上がいる。

某長寿番組のチーフを務めるベテラン作家氏は、
夏場、着流しで会議に来るそうだ。
着物の下は、もちろん、ふんどし。

しかしさすがに冬は着流しだと寒いようで、
ジーンズでやってくる。
だが、それでも一筋縄ではいかない。

「ジーンズの下はノーパンらしいんですよ」

直ジーンズ。
どうしてパンツを履かないのか。
勝新太郎を心酔しているのか。

謎である。

CA、走る

2013年02月16日 21時06分58秒 | コメディのかけら

GWや夏休みなどの繁忙期には、
CAは空港までバスを使うことを禁じられているそうだ。
道路が渋滞し、時間が読めないからだ。

だだ、どこの世界にも規則をやぶる者はいる。

電車よりバスの方が便利だった彼女は、
夏休み時期であるにも関わらず、
バスで空港に向かってしまった。

案の定、ひどい渋滞にはまってしまった。
このペースで行くと、時間に間に合わない。

そこで彼女は高速道路の途中で無理やりバスを降り、
空港へと走った。

この時、バスを降りたのは彼女だけではなかった。
何人もの規則をやぶったCAたちが一緒に空港目指して走った。

しかし空港は遠い。
近道をしないと間に合わない。
そこで高いフェンスを乗り越えたそうだ。
フェンスを乗り越え、後の者が荷物を渡す。
美しく共同作業。
いや、どう見ても国境を越える不法入国者である。

車窓からその光景を見た人々は驚いたに違いない。

観劇:『押忍!ふんどし部』

2013年02月09日 18時35分35秒 | エンタメのかけら

『押忍!ふんどし部』という舞台を連ドラにするので手伝ってほしい。
そう事務所の方から依頼されたのは、去年の5月頃だった。

なんでも『テニスの王子様』に対抗するイケメン芝居を作ろうと、
河原雅彦・細川徹という鬼才二人に頼んだところ、
出来上がったのが、この『押忍!ふんどし部』だったという。

2時間の芝居を30分✕12話のドラマにするという無謀な試みは、
昨年暮れに無事クランクアップ。
4月からのオンエアに向け、粛々と編集中だ。

それと並行して、再再演が渋谷・シブゲキ行われているので、観に行ってきた。

初演と再演はDVDで観ているが、実際に劇場で観るのは初めて。
当然ながら、芝居というものは劇場で観ないとその本当の良さはわからない。

観終えて、
芝居の内容もさることながら、
この芝居の存在そのものが「青春ドラマ」のようだった。

正直、若い役者たちの演技はまだまだなところも多い。
でもそれを補って余るほどの一生懸命さが伝わってくる。

以前、テレビドラマ版の『ウォーターボーイズ』のメイキング番組に携わったことがあるが、
その時も同じようなことを感じたものだった。

作りものなのに、役柄でない役者の生の部分が溢れでてくる。

それが魅力の舞台だった。


(※一応関係者なので、褒め言葉を少々増量してあります。あしからず)





彼の誕生日

2013年02月09日 08時43分01秒 | コメディのかけら

下北沢で火鍋を食べていたら、
隣の席の女性たちの会話が聴こえてきた。

そのうち一人がずっと自分の彼氏の話をしている。

「明日、彼、誕生日なんだ」
「じゃあ、会うの?」
「ううん、明日、彼、卓球あるから」

卓球があるから会えない?
どういうことだ。
卓球の選手なのか。
試合があるなら応援に行ってやればいいじゃないか。

謎である。

プロデューサーと携帯電話

2013年02月07日 06時49分46秒 | 業界のかけら

キャスティング担当のプロデューサーの仕事の9割は電話である。
だから365日、片時も携帯電話を手放すことができない。

某局の敏腕プロデューサーは、
まさに今、自分の結婚式が始まる直前だというのに、
かかってきた電話に出て、
ながなが話してしまったそうだ。

その様子を見て、奥さん曰く、

「あなた、携帯電話と結婚した方がいいんじゃない」

沖縄のかまぼこ

2013年02月02日 08時59分50秒 | コメディのかけら

沖縄にロケに行ったスタッフのひとりが、
初日の夜に謎の病気になった。

全身に真っ赤な湿疹が現れ、
ひどい蕁麻疹のような状態になってしまったのだ。

急いでホテル近くの病院へ連れていく。

どうやら何かに当たったようだ。

しかし朝から同じ食事をしている他のスタッフはなんともない。
彼だけが食べたものをいったい何なのか?

探るうちに彼だけが、
沖縄についてからかまぼこを食べたことが判明した。

そのことを医師に告げると、

「かまぼこですか。
 沖縄のかまぼことは時々そういうことがあるんですよ」

ホントか?
そんな話、聞いたことないが・・・。

真相はわからない。

ただそのスタッフはロケ中、
ずっとホテルで安静にしていたそうである。