「読書:『プログラム』」

2017年03月18日 07時52分13秒 | エンタメのかけら

劇作家で演出家の土田英生さんの長編小説『プログラム』読了。

読みながら筒井康隆、最初期の傑作『睡魔のいる夏』を想起しました。

小林賢太郎さんが帯に寄せた、
「確かにSFなんだけど、やけに人の気配がする」
という一文に納得至極。

架空の近未来、
そこで起きた重大な事件を、
大きな物語として描くのではなく、
小さなシーンを切り取り、
主に登場人物の会話で描いていく、
というのは、とても「舞台的」。

光景が鮮やかにイメージされ、
登場人物の声が聴こえてくる。

登場人物やエピソードの喜劇性も、
とても「舞台的」な感じを受けました。

この「舞台的」というところが、
過去の同一テーマのSF小説と、
大きく異なる点であり、
この作品の魅力だと思います。
 
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