今夜ト書きの数を数えましょう②

2019年12月31日 12時44分50秒 | エンタメのかけら

「せりふ内ト書き」には、大きく分けて3種類ある。

1:せりふを発する相手の指示。
  例えば、
  「チグロフに」「レレレに」「ニンニに」

2:せりふを発しながら、あるいはその前後の動きの指示。
  例えば、
  「封筒を見て」「携帯を振る」「立ち上がって」

3:せりふの発し方そのものに関わる指示。
これは前述の2つと比べると、バリエーションが豊富である。

◎「大声で」「強く」などシンプルに口調を指示。
◎「ムキになって」「照れて」「バツ悪く、苦笑して」など
発話に至る感情を説明。
◎「同時に」「遮って」などタイミングを指示。   など。

作者の個性がもっとも出るのが、この3だと思う。

ちなみに、この3にあたるのが、僕の感覚による仕分けでは、

『ロマンス』:10/30(33%)
『天才バカボンのパパなのだ』:8/27(30%)
『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』:3/11(27%)
『修道女たち』:23/45(51%)

さらに上記の3種類に含まれない「その他」として、

◇次のせりふに遮られるなどして、実際は発話されないせりふ。
◇せりふ自体は書かれていない「…」と表記された箇所の態度や感情の説明。

興味のない人にはだから何だって話だとは思いますが、
気になっていたことなので、
とりあえずここまで整理できて、よかった。僕が。

今夜ト書きの数を数えましょう①

2019年12月30日 15時18分39秒 | エンタメのかけら



『大辞林』によれば「ト書き」とは
「脚本で、せりふの間に、俳優の動き・出入り、照明・音楽・硬貨などの演出を説明したり、指定したりした文章」
とある。

この説明文からイメージするのは、せりふから行間を空け、文頭を数段下げて記される、
あの「ト書き」だろう。

だが、戯曲を読むと、他にも、せりふ中に(  )で表記されているト書きがある。
このト書きを指す演劇用語があるのかどうかは知らないが、
ここでは仮に「せりふ内ト書き」と呼ぶことにしよう。

この「せりふ内ト書き」が気になったきっかけは
『修道女たち/ケラリーノ・サンドロヴィッチ』を読んでいた時である。

単純にこう思ったのだ。

「(せりふ内ト書きが)やけに多い」

しかしこの時点では、あくまで印象に過ぎない。

本当に多いのかどうか。

そこで今回、適当に本棚から抜き出した4作品で「せりふ内ト書き」の数を数えてみることにした。

その4作品とは、

『ロマンス/井上ひさし』
『天才バカボンのパバなのだ/別役実』
『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン/松尾スズキ』
『修道女たち/ケラリーノ・サンドロヴィッチ』

とはいえ、各作品、そもそも長さが異なるし、全編数えるのは大変だ。
そこで中程の、会話の多そうな部分10ページを抽出し、数えてみた。

各作品のせりふ内ト書きの数は、


『ロマンス』:30
『天才バカボンのパパなのだ』:27
『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』:11
『修道女たち』:45

印象は間違っていなかった。

そして、数えているうちに、「せりふ内ト書き」が分類できることもわかってきた。
その分類の詳細、分類した時の各作品の傾向などについては、今後また書くかもしれないし、書かないかもしれない。


とりあえず今回はここまで。




石原さとみさんと注釈

2019年12月27日 22時59分25秒 | コメディのかけら


地下鉄の中で観た化粧品のCM。

石原さとみさんが、
目元のメイクをしている。

まさにその瞬間、
こんな注釈テロップが。

「仕上がりに個人差があります」

・・・。

わざわざ言わなくても、わかるだろ!

あのカットにテロップを乗せたのは、ワザとか?
ならば、悪意だぞ。

意外な頭痛の原因

2019年12月11日 08時46分23秒 | ホラーのかけら

知り合いの体験談だ。

ある時、頭痛に襲われた。
そこでロキソニンを服用。
すると、頭痛は無事おさまった。

しかし、翌日、また頭痛が復活。
ロキソニンを飲む。
頭痛がおさまる。

そんな生活が1ヶ月ぐらい続いた。

さすがに心配になり、頭痛外来に行くと、

「ロキソニンを止めなさい」

医師曰く、
体がロキソニンを求めて、
頭痛を引き起こしているというのだ。

鎮痛剤中毒の禁断症状が頭痛?

それから二週間、ロキソニンを断った。
それは辛い日々だったという。
床に這いつくばって頭痛に耐えた日もあったそうだ。

しかし、二週間が経とうとする頃、
次第に痛みが弱まってきて、
最終的に頭痛はおさまった。

医師は言った。

「あなたはこの先、もう一生ロキソニンは使わない。
 そういう心構えでいて下さい」

安価な本マグロ

2019年12月07日 12時53分14秒 | その他のかけら

12月3日の『ガイアの夜明け』
とても興味深い内容だったので、
その一部をリミックスしてご紹介します。

毎年6月頃になると、
スーパーに国産の本マグロが並ぶ。
普段、売られているマグロと比べるとやや高いが、
「本マグロ」でしかも「国産」と考えれば、
かなりのお手頃価格だ。

だが、安いものには必ず理由がある。

あれは、豊洲や築地の市場で、
買い手がつかなかったマグロなのだ。

というのも、
6月は本マグロ=太平洋クロマグロの産卵期。
栄養はすべて卵に行くために、脂のノリは悪い。
要は、美味しくない。
だから、買い手がつかず、売れ残る。

では、なぜそんな美味しくないマグロを獲るのか。

産卵期、太平洋クロマグロは日本海に集まる。
普段は高速で泳ぐマグロだが、
この時期だけは泳ぐ速度を落とし、群れをなす。
だから一気に獲ることができるのだ。
アジやサバを獲るのと同じように「まき網」で。

今回、番組で取り上げるまで、
太平洋クロマグロをまき網で獲っているとは、
僕は知らなかった。
まき網漁をしている大手水産会社が取材を受けないため、
この事実は、あまり知られていない。


大間など、沿岸部で一本釣りや延縄漁をやっている漁師によると、
近年、マグロが獲れなくなっているという。
彼らはまき網漁がその一因であると考えている。

一方、水産庁によれば、
漁獲制限を設けているので、
まき網漁によってマグロの数が減ることはない、
むしろ今後は増えていくと言っている。

確かに、
同じように産卵期のクロマグロを巻き網で獲っている地中海では、
クロマグロの数は増えている。

しかし両者にはいくつかの違いがある。

日本の場合、獲ったらその場で船に揚げてしまう。
しかし地中海の場合、まずは巨大な生簀に移し、
蓄養する海域まで、二週間かけて運ぶ。
その間、マグロは産卵することが可能なのだ。

(マグロのサイズに関する制限も両者では異なるが、
 長くなるので略します)

日本海のまき網漁が、
近海の太平洋クロマグロが減っている原因である、
というエビデンスを示すことは困難だろう。

この事実からどう考えるか。
それは読んだ方に委ねる。

ただ僕が思うのは、
どんなものにも適正な価格があり、
それを大きく下回る場合=安価な場合は、
どこかに何らかの悪しき負荷がかかっている、
ということだ。

安けりゃいいってもんじゃねーですよ。