近所のペットショップに、
犬がそそうをした時用のクリーニング液を買いに行った。

以前、スプレー式の容器に入っているものを買ったので、
今回は詰め替え用の中身だけを買いに行った。

しかし、棚に詰め替え用の中身はなかった。
容器入りのものはあったのに。
売り切れてしまったのか。

来週入荷するというので、
それまで待つかと思って帰ろうとすると、
店員が声をかけてきた。

「すいません、あちらは取り寄せになるそうです」

ちょっと待って。

なんで容器に入ったものは常時店に並べておくのに、
詰め替え用は取り寄せなんだ？

詰め替え用を売る気がないのか。

まさに片・手落ちだ。

釈然としない気分のまま、
仕方なく詰め替え用の取り寄せを頼んだのだった。

僕の住む街にある、
お気に入りのタイ料理屋が、
近々、店を閉めるかもしれないという。

原因は原発事故である。

タイ人のシェフが、
母国に残る家族から戻って来るよう懇願されたのだ。

オーナーは、
そのシェフの腕に惚れて店を出したので、
彼と同じぐらいの腕を持つシェフが見つからない限り店を閉めると言っているらしい。

僕にできることは、
オーナーのお眼鏡にかなうシェフが見つけることだけだ。

中国の数時間走る電車には、
必ず給湯器がついているという。

お茶を淹れるためではない。

おもにカップラーメンを作って食べるためだそうだ。

いまや中国はカップラーメン大国なのだ。

twitterもFacebookもやっていなかったある女性が、
「私もSNSをやってみようかな」と思った出来事に遭遇したという。

彼女がカレー屋に行った時のことだ。

見知らぬインド人から英語で話しかけられた。

「どこから来たの？」

ナンパされたわけじゃない。
同じ国の人間もしくは近隣諸国の人間だと思われたのだ。

というのも彼女は日焼けか地黒か知らぬが真っ黒で、
我々もよく東南アジアの人にようだと言っていた。

まさか本当に間違われるとは。

「もしtwitterとかやっていたら、
あんな時、
　『外人に外人と勘違いされたなう』
　とか書けると思ったんですよ」

え、そんな動機か。

SNSを始める動機の中ではかなりの少数派に違いない。

数日前、近所の店で飲んでいたら、
見知らぬ若い男性客が店主と話していた。

「総理って替わったんだ。
　全然知らなかったよ」

すごい話である。

「もうスガじゃないんだろ」

スガ？
ああ、「菅」をスガと読んでいたのか。
これまたすごい話である。

「でもまだ自民党とかなんでしょ」

話の流れから察するに、
与党はまだ自民党なんでしょ、という意味らしい。

政治に対する無関心も、
ここまでくるとむしろ感心してしまう。

訪問看護師と話す機会があった。

高齢者の在宅看護が推奨される中、
頼りとなるのは訪問看護だが、
現場では訪問看護師の高齢化と人手不足が問題となっているという。

確かにハードな現場なので、
若手の看護師が入って来ないのもわからないでもないが、
もう一つ大きな問題があるそうだ。

給料である。

聞いた話なので詳細はよくわからないが、
数年前に法律が変わり、
訪問看護ステーションの看護師よりも病院の看護師の方が給料がよくなった。
その時に訪問看護ステーションを辞めて病院にうつる看護師が大量発生したという。

もしこれが本当ならば、
本当におかしなことになっている。

スタッフルームに入ったら、
女性スタッフが床に這いつくばって何かを探していた。

どう見てもコンタクトレンズを探している姿勢だ。

でも、一応聞いてみた。

「なに、探しているの？」
「携帯電話です」

え？

その姿勢はどう見ても携帯電話を探す姿勢じゃないだろ。

ナンセンスコメディの１シーンのようなやりとりだったよ。