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円売り介入 近隣窮乏化 ホントは富裕化政策

2010-09-18 10:11:57 | 金融
民主党の党首選挙を待ってから大規模介入、でっか。
なんというんですか、そんなんで良いんですかね。

大体、管さんは財務大臣になった時に、いまより円安の水準で、円は高すぎると発言して、前任との違いをしっかり打ち出したはずなんですが。選挙前だと誰も責任を取れず、という事情なんでしょうか。選挙のすぐ後に、なんてホントはもっと早くやりたかったということが丸見えで、なんかイヤーな感じです。

日銀が、円売りした資金を不胎化しなかったとかいうニュースも出てましたが、日銀は日銀批判が厳しくなっている空気を読んだってことなんでしょうか。

デフレ克服最優先、日銀法改正やインフレターゲットも視野=小沢氏

東京 14日 ロイター] 民主党の小沢一郎前幹事長は14日午後、同党代表選で国会議員投票前に最後の政見演説を行い、「景気対策とデフレ克服に最優先で取り組まなければならない」とし、「日銀法改正など制度改革やインフレターゲット政策も視野に入れ、金融政策と財政政策の両面からあらゆる手段を尽くす」と述べた。

小沢さんが勝ってたら日銀は、場合によってはみんなの党なんかまで連れてきて、あれこれ手を突っ込まれてた、みたいな、いまそこにある危機、だったんですな。不胎化してません、金融緩和してまっせ、よろしくゴカンベンってことなんでしょうか。

まあ、それは良いとして、最近介入なんてニュースは、あんまし聞かないわけですな。岩本さんも著書では、米国も、欧州も、政策的に、たとえば、欧州はギリシャ問題を爆発させてユーロ売りを誘うだとか、米国なら中国とけんかして、中国のドル売りを誘うだとか、自然に通貨安にもって行ってるんじゃないかということで、

なぜならば、世界的な不況で、通貨の切り下げ競争はどうしても避けるべきことであって、自国通貨売り介入なんて最悪って感じだからですね。

ところが、ですな、ロンドンエコノミストのブログには、こういう記事が出ています。


Beggar, then sneakily enrich, thy neighbour






近隣窮乏化策だけど本当は後でこっそり周りもリッチにすることなんだぞ、ということで、日本の介入政策を批判しているわけではなくて、こういう通貨切り下げ政策について分析したものです。金融緩和、通貨切り下げ策については結構ポジティブにみています。

A bit of inflation in Japan wouldn't just be a good thing. It would be a really, really great thing. And if other countries react to Japan's intervention by attempting to print and sell their own currencies in order to toss the deflationary potato to someone else, well then so much the better. As the chart at right indicates, its a rare rich economy that couldn't use a bit more inflation.

日本にとって、ちょっとばかしのインフレは、良いこと、どころかめちゃめちゃすごいことだ。もし他国が日本の介入策に反応して通貨刷って自国通貨の売りに出て、デフレを他国に移転しようとすることになれば、なおさら結構なことだ。

Not every country can simultaneously depreciate its currency. But everyone can nonetheless benefit from the attempt, if currency interventions lead to expanded money supplies and rising inflation expectations.

すべての国が同時に通貨を切り下げることはできないが、この試みに対してはすべての国に利益をもたらす。通貨介入策が通貨の追加供給を招き、インフレ期待をあおるからだ。

It's worth looking again at this important chart:

このチャートを見よ、というわけで、ここにも貼っておきましたが、


The departure from gold benefitted every country that tried it. The mechanism here wasn't competitive devaluation, but the freeing of monetary policy, which had previously had to respond to gold outflows through increased interest rates, which devastated domestic economies.

これ、30年代の大恐慌の時のグラフなんですが、金本位制から離脱を試みたすべての国が利益を得た。重商主義は通貨切り下げ競争ではなく、金融政策の自由化のことだった。金本位制のもとでは、金の流出に対して金利引き上げで対抗せざるを得ず国内経済をひどく痛めていた。

というわけで、これ、バーナンキのですね。バーナンキは大恐慌を研究してて、金本位制が恐慌を悪化させてしまったと主張してて、そこから離脱した順に経済が回復したと説明してたんでした。

この動画では、金融政策はサポーティブでなければならない、と言ってます。金本位制は不景気で弱ってるところに金利を引き上げて経済をメタメタにしてしまうわけで全然サポーティブじゃないんで。



とまあ、この記事は、日本の介入に好意的で、今はインフレ期待を盛りたてて行くべしって感じです。ちなみに、金融緩和、円安ポリシーは小泉、竹中時代にビシバシやってた政策なんですがね。介入したドルでイラク戦をファイナンスしたとして批判されたり、円安バブルで、根本的な改革とは関係ない景気回復だったと言われたりしてますが。


記事には関係ありませんが、このおっさんも介入を批判してません。



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