会計スキル・USCPA

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ロンドンエコノミスト 日本にダメだし

2008-02-24 21:08:36 | 英語情報
今日は久々にロンドンエコノミスト誌をながめることにいたします。わけがわからなくなったときは、激辛の評論を読んでいるとすっきりすることが多いんですよね。英語が難しいんでめんどくさいんですけどね。

Why Japan keeps failing

いきなりこれですわ。

問答無用、一刀両断。日本が失敗し続ける理由。 『失敗し続ける日本』でいいじゃん、と思いますが、理由、がついてますな。

なんかへまやって失敗が続いた、というんじゃなくて、こいつらおかしいぜというニュアンスを出しているんですね。本文ではニュアンスどころじゃなくて、こいつらおかしいぜ、どころでもなくて、かなりトンデモ風に描いてくれちゃってますな。


10年前の話から記事は入ってまして、ジャパンパッシングとか言われていたわけですな。日本は世界の成長からパスされた、という意味に加えて、世界からどうでもいい国としてパスされたってことなんですが、

A headline in The Economist at the time tried to sum up the situation more pithily: “Japan's amazing ability to disappoint”

エコノミスト誌は当時の日本を、『がっかりさせる天才』と書いたんだそうです。

でその後、

小泉さんがやっぱり絶賛されていて、2001年に政権を取ってからは改革を進めて悪夢から目覚めて自民党の旧弊、一部の農業や建設業、官僚の力を弱めて、今後の日本の進む道が定まったように見えたわけですな。

それがここへ来て再びジャパンパッシングがささやかれるようになり、株価がメチャメチャ下がってしまっている。

日本は2%成長を続けているとか言っているが、07年の第4四半期は多分悪い。

business investment has probably been exaggerated, and the quarterly growth figure will therefore very likely be revised downwards. Economists at Goldman Sachs said in late January that the economy was already in recession; others who are not so sure claim it is a close-run thing.

既にリセッション入りしてる、という風に考えた方が良いとエコノミスト連は見ているようだとか。

肝心の政治もねじれ国会で混乱の極み。

Despair is spreading among the political class responsible for the mess.
If the opposition deplored the “absence of a framework to sustain economic growth”, you might take it with a pinch of salt. But the admission comes from none other than the economy minister, Hiroko Ota, who for good measure says that Japan can no longer be considered a “top-tier” economy. Although she identifies the problem correctly, she has disappointingly little to say about how to solve it.

政治家層に絶望感が広がっていて、野党が成長へのフレームワークが無い、と政府を揶揄しても、これ洒落になってない。太田大臣がもはや経済は一流じゃないと言っちゃった。問題はつかんでいるようだが出すべき対策が出てこない。

ホントやんなりますなあ。まだ,ここから先がまだまだ続くんですな、これが。

政治がだめなら経済はというと、
企業収益は伸びてるといっても、株主軽視、低金利,のせいで生産性が低い。投資リターンは米国の半分。輸出頼みだが,輸出も円高と原油高で頭打ち。こういう時こそ内需、消費が伸びねばならないし、そう予測されていたのだが、ついてこない。

政治が企業に給料を増やせといっても増やせない。ちとょっと成長したからといって安心できる状況じゃない。何故か。

Yet the incompetence and unpredictability of politicians help explain the companies' caution. A year ago, for instance, in a well-intentioned attempt to crack down on predatory lending, the government all but destroyed the consumer-finance industry.

政治の無能とでたらめさで説明がつく。たとえば去年、よかれと思って消費者金融の暴利を規制したら,消費者金融業界全体を破壊してしまった。

もっとひどい例として、

A more serious episode still started last summer, when a system for vetting new buildings was introduced in reaction to the faking of earthquake-proofing data—itself a reaction to hasty new regulation brought in a few years back. The housing ministry was unable to get new software for the new system running in time. New-building approvals ground to a halt, and new construction fell by 40%.

建築基準法の改正時に新しいソフト作成が国交省の不手際で間に合わず新規建設が40%も落ちてしまった。

まあ,この辺、世界のエリート読者が読んだ時どう思うんでしょうな。ええっ? 40%? 4%の間違いだろ。あるいは14%じゃないの?  ホントに日本の記事か? マジ? 中国か北朝鮮のことじゃない?

まさか、資本主義の先進国日本のハナシだとは思えないでしょうな。日本の建設投資ってドンくらいでしょうか。50兆円くらいですかな。その4割ってどうよ。まあ、影響のある規制の対象はもっと少ないとしても、国民の巨額の所得が失われたってことですよね。それだけ増税したのと同じかあるいは生産が落ちたんだからもっとマイナスじゃないですかな。税金だと取られてもどっかにそれを原資に使えますからな。4割ってやっぱりまずいでしょう。国家的大損失ですな。避けられた被害です。

These costly blunders were committed even before July's elections divided the Diet; with the current political chaos, the risks of things going wrong is still higher. The incompetence of politicians and bureaucrats does not just lead to expensive short-term disasters; it also threatens Japan's long-term growth prospects.

こういう不手際は,そもそもねじれ国会が始まる前に発生したもので、短期的なものじゃない。政治と官僚の無能力は短期の損失にとどまらず将来の成長をもおびやかすものである。

ホント,良いこと言ってくれますな。表面っツラだけの正論はきいてられませんが、こういう掘下げた指摘は迫ってくるものがあります。

Japan needs a mass of economic reforms—a more open climate to foreign investment, for instance, lower tariffs on imported food, fewer subsidies for farmers, freer trade, better tax treatment of foreign companies, the abolition of a welter of business subsidies, a more flexible labour market, greater fiscal rectitude (national debt is currently around 180% of GDP), more accountability by pension funds and insurance companies, further privatisation of services and much more.

日本がやるべきこと。長いリストです。きちんと上げてくれてます。こういうことをめんど臭がらずに日本のメディアも都度書いてくれれば忘れないんですけどね。なんかあった時は、そういえばアレはどうなった、これは進んでんだろうか、とチェックしたいですな。一有権者としては。

で、これをやらねばならないんですが、こうした改革を日本は捨ててしまっている。これ、誰が悪いんじゃい、ってことで、いくつかオモシロオカシク書かれておりまして、それは次回に。

それにしても、この記事長いっす。



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